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ROSSさんの大阪ハクナマタタ



1830年に十合伊兵衛が、坐摩神社近くに古手屋(古着屋)「大和屋」を開業したのが「そごう」のはじまりという。

大丸とそごう



従って、古着屋というリサイクルショップから始まったそごうは、1691年に高麗橋に出店した越後屋呉服店や、1726年に大阪心斎橋に進出した大丸呉服店などの老舗に比べ格下からのスタートと言えるのかもしれない。

確かに1867年頃に出版された浪華名所独案内という地図(東を上にしている)には、坐摩宮と東西(南北)御堂との間の通りには、古手店多しとの書き込みがある。



1877年(明治10年)には大阪心斎橋筋に大和屋を移転し、十合呉服店と名付けているがこれが後のそごう心斎橋本店である。

1897年(明治30年)頃の十合呉服店の写真が残っているが、トレードマークは既に今のものと同じ織機の部品を図案化した「まるちきり」が使われている。



この年、三代目伊兵衛が店を合名会社化するに当たって創業以来の慣行であった「暖簾分け」制度の廃止を打ち出したことで店の主だった番頭たちが反乱を起こし新聞沙汰となったこともあったらしい。

1918年(大正7年)出版の地図にある十合呉服店は心斎橋筋に面している



十合呉服店は1899年(明治32年)に神戸支店を開いたのを始め、各地に店舗を拡張し、1918年(大正7年)には地上4階地下1階、エレベーター付きの心斎橋本店新店舗を完成させている。

1918年(大正7年)頃のそごう



さらに1935年(昭和10年)には村野藤吾の設計で大阪店が御堂筋とともに竣工しているが、この建物は大阪大空襲にもあまり被害を受けなかったようで、戦後6年間もアメリカ進駐軍に接収され米軍のPX(購買所)として使われていたという。

1938年(昭和13年)出版の地図にあるそごうは、御堂筋に面している(破線は地下鉄の通路らしい)



1957年(昭和32年)には東京地区初の店舗として国鉄有楽町駅前の読売会館にそごう東京店を開店し、翌年水島廣雄(1912~)が46歳という若さで副社長として日本興業銀行から移ってきている。

終戦直後のそごうと大丸



水島廣雄は1962年に社長就任し、ほどなく超ワンマン体制を敷いて全国各地に無茶な多店舗展開を行った結果、2000年にそごうグループは民事再生法の適用を申請して事実上倒産し、従業員3700人を解雇する悲惨な事態を引き起こしている。

その後、2003年にそごうと西武百貨店は、ミレニアムリテイリンググループとして再発足し、2005年秋には旧そごうの跡地に「そごう心斎橋本店」が同社のシンボル店として開店している。



創業以来176年の歴史を持つそごう(ミレニアムリテイリンググループ)は、2006年にセブン&アイ・ホールディングスとの間で株式交換を行い、今ではセブン&アイ・ホールディングスの完全子会社となっている。


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