辻政信の足跡、今回はその最後、辻の失踪についてジュロン鳥園の猛禽類と一緒に紹介しましょう。・・・タカ目コンドル科のトキイロコンドルは、南米から中米メキシコまで分布
吉田首相とGHQとの橋渡しで有名な辰巳栄一(元)中将は「昭和23年、辻君がひそかに帰国したさい、米国の情報業務に協力することを条件に、その庇護を受けることとなった」と語り、昭和25年に辻政信の戦犯指定が解除されています。・・・日本では名古屋市や鹿児島市の動物園で見ることができるようです。トキイロコンドルの顔
タイから中国に逃亡して首尾よく帰国した辻は、戦犯指定解除のあと体験を「潜行三千里」と題してサンデー毎日に連載、さらに「ガダルカナル」を文芸春秋に、「流転」を改造に発表、敗戦時に逃亡した参謀は、一挙に時代の寵児となっています。・・・タカ目タカ科のシロハラウミワシ(白腹海鷲)は、インド、東南アジア、オーストラリアの沿岸部に分布する猛禽類で、ミサゴと同じように魚類を主食としています。
その人気に便乗するかのように辻は昭和27年、郷里の石川県から参議院選挙に立候補して当選、その後、衆議院議員選挙に3度、昭和34年には参議院選挙に鞍替えし、全国区で当選を果たしています。・・・タカ目タカ科のサンショクウミワシ(三色海鷲)はアフリカの海岸、湖、池沼などに分布する猛禽類。魚類を主としていますが爬虫類や鳥類、哺乳類も捕食するようです。
昭和36年、参議院の許可を受けた辻参議院議員(58歳)は、突然ベトナム、カンボジア、ラオス方面への視察旅行に出発しています。・・・目の周りがハゲているタカ目タカ科のヤシハゲワシは、熱帯アフリカに分布。アブラヤシの実を主として、カニや小魚、両生類なども捕食するようです。
出発に先立ち、辻は友人の林秀澄氏(元大佐)に「内戦中のラオスを見てきたい。ビエンチャンからジャール平原を見て、北ベトナムのビンに出る。そこから空路香港に出て帰国する」と語ったといいます。・・・タカ目コンドルカ科のヒメコンドル(幼鳥)は南北アメリカに分布
4月14日カンボジアからラオスの首都ビエンチャンに入り、そこで自由ラオス軍(パテト・ラオ)の将校だった赤坂勝美氏と会談。赤坂氏に「ホーチミン大統領に会いラオスでの軍事活動をやめるよう説得したいのでぜひ助けてくれ。アジアの団結のためだ」と語ったといいます。・・・ヤシハゲワシの半身
4月21日、辻はビエンチャン北方5kmで待つ案内役と合流するため一人で出かけたまま消息を絶っています。・・・タカ目タカ科のシロガシラトビ(白頭鳶)はアジア南部からオーストラリアに分布。両生類、魚、昆虫を捕食するそうです
その後、ジャール平原でパテトラオ軍にスパイとして射殺されたと伝えられていますが、真相は今も不明のまま、現職の国会議員が海外で行方不明となった例は空前絶後でしょう。・・・猛禽類飼育舎の隣にあるサイチョウ飼育舎の白戴冠サイチョウは、猛禽類ではありません
昭和44年、家族の請求により東京地方裁判所は1968年7月付で辻政信の死亡宣告をしています。
参考文献;作戦参謀 辻政信 ある辣腕参謀の罪と罰 生出 寿著