オカヨシガモは、冬鳥として日本に飛来しますが、その数はかなり少ないようなので、珍しいカモの仲間と言えるでしょう。そこで近所の園で見たオカヨシガモをミコアイサと一緒に紹介しましょう。・・・中央の黒っぽい個体がその♂
環境省の鳥類標識調査(鳥類アトラス)にもオカヨシガモは記載されていませんが、西池にいるヒドリガモ、オナガガモなどと同様にカムチャッカ半島やシベリア(最長8~9千km)から飛来してきているのでしょう。・・・ミコアイサの向こうは♀
オカヨシガモは、本来冬鳥ですが、北海道本州の一部で繁殖する際、丘の上にある葦(ヨシ)の中に巣をつくるのでオカヨシ鴨と命名されたようです。
雄は頭部から頸は褐色味のある灰色。背は灰色で肩羽は褐色。大雨覆が黒く、中雨覆が暗赤褐色。翼鏡は白色です。・・・飛行中に見ると良く判ります。
オカヨシガモは、オナガガモやヒドリガモなどと違って餌付けする人間に近づかないので、姿を紹介する写真が少ないようです。
オカヨシガモなどカモ類は、現在捕獲禁止ですが、戦前までの日本では野生のカモをよく食べていました。
その味は種類によって大きく違ったそうで、カモの研究家である黒田長禮(ながみち)博士によると、「オカヨシガモが一番美味で、ついでマガモ、コガモの順」とのこと。
黒田博士の長男、黒田長久博士は、著書で<数の少ないカモなので私は味わっていませんが、私はコガモが好きでした。コガモは体が小さいだけに味が濃いように思います>・・・オカヨシガモのカップルとミコアイサ
また<一般に喜ばれるのはアヒルの先祖のマガモでしょうか。(私には)少し大味のような気がします(中略)もっとも、どんなカモにも個体差があって、まずいとされているカモでも長く餌付けしたものはおいしく、うまいカモでも渡ってきた10月ごろは不味かったそうです>と書いています。・・・下の写真の手前がオカヨシガモでしょう。
昔はカモを大量に食用としていたようですが、今では絶滅危惧種に指定されるカモが増えてきています。
日本野鳥の会京都支部のHPから引用