職員室通信・600字の教育学

小高進の職員室通信 ①教育コミュニティ編 ②教師の授業修業編 ③日常行事編 ④主任会トピックス編 ⑤あれこれ特集記事編

★人間は変われる。人間は変わる。品性があり、かつ子どもにやさしくあたたかい教師に

2012-01-26 05:11:37 | 僕のモンマルトル日記

 

2012

01.25
人間は変われる。人間は変わる





★きょうも、冬のこころはろばろ神社界隈を歩いた。
 神社界隈の時空間に「僕の身を置く」……というのではなく、僕という存在の、その前方に、こころはろばろ神社界隈の時空間がある……という感じで歩いた。
 こうすると、「僕という存在」と「神社界隈の時空間」とのあいだに、快い緊張関係が生まれる。
 しかし、この場合、ブレストは不可。

◆生徒朝会。



 きょうの発表は、生徒会給食委員会の番。
 体育館のステージ上で、寸劇を取り入れながら、ざんさいや牛乳パックの正しい処理の仕方を学習しようというもの。
 演技も上手だったし、アナウンスもしっかりしているので、寒さを忘れて見た。(撮影も忘れていた(ノ△・。)。もっといい場面があったのに残念。)
 「自分の考えを表現する能力のアップ」は本校の大きな課題だ。
 子どもたちのエネルギーはあふれるほどある。
 それを発揮する場を、きょうのように工夫して設定することが大切だと思った。



品性があり かつ子どもにやさしくあたたかい教師

◆3校時の主任会で、今、やや精神的に不安定な状態にある1人の生徒について話し合った。
 内容は、ま、いってみれば、処遇方法・対処方法――すなわち、目標の設定、指導プログラムの確認、処遇&対処法のルールの確認等――という技術的な話だったが、その過程で、下図に示すような「教師の人間性」が話題になった。


 「品性」があり、かつ子どもに「やさしくあたたかい」教師「A」というのは最高だ。
 しかし、これはなかなか(もちろん、自分も含めて)むずかしい。
 「A」までにはまだまだ距離がある。
 だから、まず、個々の教師が真摯に自らをふりかえり「A」に近づく努力をすること。
 しかし、自分がどういう性格であるか?……どの程度の人間であるか?……というのは、いってみれば自己感覚に過ぎない。
 だから、自らふりかえるとともに、学年というチーム(組織)を生かし、互いに批正し合い、「A」に近づく努力をすること。
 学年主任は、そのリーダーシップを取ること……というような文脈だった。

◆たまたま『現代教育科学』を開いたら、有田和正氏が「人間性と教育技術」について次のように書いていた。


 上の図で、最近、BとCの位置が入れかわったようだ。
 人間性のよさと、技術をもっている人のどちらを上とみるかむずかしい問題である。
 人間性がよければ、素直であれば、他人の意見や注意をよく聞き入れ、技術は身につきやすい。
 しかし、技術があり、知識が豊かだが、人間性がよくないのは、教育がむずかしい。
 人間を変えることはむずかしいものだ。
 子どもでさえ、性格のねじれた子どもを教育するのには手をやく。
 一筋縄ではできない。
 まして、教師ともなれば、よほどの手をうたなければ、人間性を変えることはむずかしい。
 そこで、少し知識は足りないが、人間性のよい人を採用して、教育して技術・知識を身につけされるほうがやさしい。(中略)
 わたしが考えている技術(最低これだけは身につけたいというもの)は、発問・指示のしかた、板書のしかた、資料作成・提示などの活用のしかた、話し合いのさせ方、話術・表現・パフォーマンス等の技術、の5つである。
 これをまとめていうならば「対応の技術」といえる。
 子どもと授業するのだから、子どもとの対応の技術であることはいうまでもない。
 これらの技術を、具体的な授業を通して身につけていく方法を考えなければならない。
 名人の授業を見て学ぶのもいい。
 しかし、見てもその通りにはできない。
 「目習い」はできても、それを具体化する「手習い」は、自分でやるしかない。
 やってみなければ身につかないのが教育技術である。
 これは少し意図的にやれば、人間性の向上などに比べれば、早く身につく。

 子どもたちが嫌う教師がふえているという。
 技術はあり、教え方は上手なのだが、どうも先生が嫌い、先生のやり方がいやだ、という子どもがいる。
 人間性に問題がある教師だ。
 この教師をどう変えるのか、至難の技である。
 子どもが好きな教師、子どもを好きな教師になることは本人の努力もさることながら、外からのサゼストも大事だ。
 要は、このサゼストを聞き入れる教師を育てることだ。(有田論文引用以上)

これが「やさしさ・温かさ」のポイントだ

■わたしと有田氏の記述について3点箇条書き的に述べる。

①まず軸のとり方が違う。有田氏の「人間性」を、わたしはさらに「品性」と「温かさ」に分けている。
 人間性を変えることは「むずかしい」という認識は共通している。
 しかし、有田氏は「人間性に問題のある教師を変えるのは至難の技」と述べ、わたしは「なんとでもなる」と思っている。
 この点は大きく異なる。
 わたしは(わたしの図で)D→Aは確かにむずかしいが、D→C、あるいはD→Bはなんとかなるし、やがてはB→A、C→Aも可能になるのだと信じている。
 人間は変われる。
 人間は変わる。

②話はまったく変わるかが、授業の(超)名人・有田氏から「最低これだけは身につけたい」という「技術5点」を聞き出せたのは大収穫!
 発問・指示のしかた。
 板書のしかた。
 資料作成・提示などの活用のしかた。
 話し合いのさせ方。
 話術・表現・パフォーマンス。

③今、人間性に関する有田氏との認識の違いをこれ以上突きつめるつもりも余裕もない。
 ただ、これが「品性」のポイントだ、これが「やさしさ・温かさ」のポイントだと思っているものはある。
 きょうは後者だけを示す。

 毎度、毎度、提示する図だ。
 対象の生徒と一体になれているか? もし、なれていないとすれば、自分はどうすればいいのか考えよう。
 その生徒の味方になれているか?
 もし、なれていないとすれば、自分はどうすればいいのか考えよう。
 これは教師も親も同じだ。

メモ
(1)知的に育てる。
 煎じ詰めれば「話題」とその「こだわり度」か?
 3-3で帰りの短学活でやっている「今日のニュース」的なものも有効か?
(2)生徒指導部「2月の指導の重点」=「①あいさつ・ことば遣い・服装(髪)などの指導の強化」。
 くわえて、こういう場面ではこうするものだという「カタチ」をしっかりと教える。
(3)この「カタチ」については、わたしたちも同じ。
 ホテルのプロのフロントとそうでないフロントの違い。
 後者は、職業人(プロ)として鍛えられていない。

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