職員室通信・600字の教育学

小高進の職員室通信 ①教育コミュニティ編 ②教師の授業修業編 ③日常行事編 ④主任会トピックス編 ⑤あれこれ特集記事編

子どもたちの目線と歓声のなかで暮らすのだ、学校座付作者として 

2007-04-16 11:49:54 | Weblog

07.04.16 子どもたちの目線と歓声のなかで暮らすのだ、学校座付作者として



■学級活動・生徒会活動は入学式(4/9)の翌日からスタートしていたが、授業はきょうが開幕だ。

 職員朝会で次のような話をした。

 学級担任だった頃、帰りの会で「1時間目はなにをしましたか?」とたずねると「自己紹介をしました」と返ってきた。
 「2時間目は?」
 「自己紹介!」
 「3時間目は?」
 「自己紹介!」
 学級日誌には1時間目~6時間目まで「自己紹介」の文字が並んでいた。……

 これでは子どもたちの意欲はそがれてしまう。
 本日は、即、「授業の中味」にギアをいれてダッシュ!
 本校の授業力向上5原則
 ①ねらいを明確に
 ②指示は短く、全員に
 ③達成状況の確認
 ④ひとりひとりへの激励
 ⑤全員に50分間の学習活動の保証
 とりわけ⑤「学習活動の保証」に留意して、6時間が終わったとき、子どもたちが「こんなに頭とからだを使った1日はない」と感じるくらい授業に熱中させてほしい。(職員朝会コメント、以上)

■授業中の廊下を歩く。

 黒板いっぱいに白、黄、赤で書かれた英文がひろがっている。
 和田Tの2年英語だ。
 チョークの音、和田Tの指示の声につづいて、生徒たちの一斉読の声が聞こえた。
 北校舎2階→中央廊下→南校舎2階→南校舎3階……。
 どんどん廊下を歩いていく。

 歓声が聞こえた。
 田名部Tの1年家庭科の授業だ。
 隣の教室では広瀬Tが静かに語っている。
 苫米地Tは国語のプリントを配っていた。
 生徒たちがそれを黄色いファイルにとじている。
 ……
 卒業式、修了式、春休みと、しばらくとだえていたなつかしい光景が流れ込んでくる。
 目をつむって深呼吸すると、こころのところずっと頭のなかでしこっていた神経が、やわらかくとけていくように思われた。

 わたしは今年度もまたこれらの語りとチョークの音と、子どもたちの声と歓声のなかで暮らすのだ、座付作者として。

■2校時、主任会。
 今田Tから日程の変更が提案された。
 4/25 参観日 運営委員会(部活動なし)
 4/26 生徒会代議員会(部活動あり)
 4/27 職員会議(部活動なし)
 今田Tの提案は、4/28から春季大会がはじまる運動部は7/27(部活動なし)はつらい。代議員会と職員会議を交換しようというものだ。
 志塚教務主任の原案は別の発想で、運営委員会と職員会議のあいだに1日あけて提案事項整理の時間を確保したいというものだ。
 ちょっしたことだが、いろいろな「思想」が交錯している。
 結論として今田T案に落ち着く。

 わたしからは次の2つの資料を提示した。

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〈資料①〉
学校が美しい
 
 心やすらぐ環境づくり

 大阪府には463の中学校がある。
 そのうち、ここ3年間、不登校生徒数がゼロまたは1人の中学校が50校あった。
 大阪府教委では、この50校がどのような学校であるのかを調べることが、不登校生徒をつくらない学校づくりのヒントを与えてくれるに違いないと考え、3人の不登校担当指導主事を約1ヶ月に渡って、これらの学校に派遣した。
 以下は、その調査結果を10項目にまとめたものである。

(1)入学、転入学、学級替えのとき生徒がカルチャーショックを感じないような配慮がされている。
 例えば、中学校と小学校の合同の行事を組む。授業や部活動の見学を小学6年生にさせる。中学校生活を紹介したビデオを利用した入学説明会をもつ等。

(2)学校が美しい。心がやすらぐ環境づくりができている。
 例えば、教室の掲示物も定期的に取り替えるだけでなく、学級の生徒が登場する掲示内容となるよう工夫されている。校内外の美化活動に、生徒だけでなく、教師・保護者も協力して取り組んでいる。学校に花が多い等。

(3)授業改革に熱心である。勉強がわからない子に対するめんどうみが良い。
 例えば、選択できる教科や講座を開設して、生徒の興味・関心や、やる気を出させる工夫をしている。放課後や休業日中の学習相談室を設けている。一斉授業だけでなく、参加型の授業を多くとり入れている。

(4)学級の仲間づくりにカを入れている。
 例えば、班ノートが形式的なものでなく、本音が語れる内容になっていて、生徒の気持ちをつかんでいる。担任が生徒と昼休みなど一緒に遊んでいる等。

(5)生徒会活動が活発である。
 例えば、文化祭、体育大会、球技大会、ボランティア活動などの行事に生徒全員が出番のある、一人一人が必要とされる場をつくる工夫をしている。部活動も活発である等。

(6)「学校のきまり」が毎年、見直しされている。
 例えば、「きまり」が教師の押しつけになっていない。毎年、見直しの機会をもつシステムをつくっている。生徒に「自分たちのきまり」という意識をもたせるよう共通理解を図っている。

(7)先生と生徒が仲が良い。
 先生と生徒が仲の良い学校というのは、授業風景を見るだけでわかる。生徒の表情が「子どもらしい」人なつっこい顔になっている。信頼される教師になるための日頃の子どもとの触れあいを多くする努力の結果だと思われる。

(8)教職員どうしが仲が良い。チームワークのとれた指導体制ができている。
 例えば、不登校気味の生徒に対応するプロジェクトチームをつくって、担任をバックアップしている。
 保健室、生徒相談室などの情報や生徒の様子についての情報交換が細かく行われている。
(9)家庭訪問をよくやっている。学級通信、学年通信などにより、学校の様子を詳しく伝えている。

(10)地域の人々との交流が活発に行われている。
 例えば、空き教室を地域の人々の行事や話し合いに開放し、たえず、地域の人々が、学校に出入りするようにしている。地域の清掃活動や、老人ホームヘのボランティアなど、生徒が地域の人々と触れあう機会を増やしている。関係機関との日常的なつながりをつくって、教育効果を上げている等。(『現代教育科学』明治図書より抜粋)

〈資料②〉
椅子に座ると
自分だけの空間が生まれる


 「自殺したくなったら、図書館へ行こう」。京都の出版社「論楽社」共同代表の虫賀宗博さんは、落ち込んでいる人を見かけると、こう話しかける。そんな図書館が、実際にあるのだともいう。JR大阪駅から新快速電車で、1時間20分。琵琶湖の東岸、比良山系から吹き下ろす春風の中に、その図書館はあった。滋賀県東近江市の市立能登川図書館である。

 その図書館に一歩入った。空気が違う。図書館特有の無機質さがない。天井にタペストリー、書架は背丈ほど。畳の部屋があり、児童を遊ばせる一角も。見通しが悪い。いたる所、〈死角〉だらけだ。ただ、この死角こそが、この図書館の大きな特色を生み出す。

 書架の間に椅子(いす)がある。腰掛けると、自分だけの空間が生まれる。本を読みたい人ばかりではない。読まなくてもいい。毎日、朝から来ている70歳の女性がいた。椅子に座って、小さな声で童謡を口ずさむ。疲れると、お茶を飲んで、ひと休み。「いつも、まぐれ(夕方)までいるんよ」。子供のように笑う。リストラされた中年男性もいた。「家には、うら(自分)の居場所がのうてな」

 
 (4月10日読売新聞;吉田満穂記者より抜粋)

■大阪府教委の「まとめ」そのものはやや総花的であるし、掘り下げがたりないと感じるところもある。
 しかし、この10項目は、わたしたちの学校の強い点、弱い点(課題)を考えるときのチェックポイントになる。

■読売の記事のほうは、大阪府教委のまとめ「(2)学校が美しい。心がやすらぐ環境づくり」の関連として提示した。
 動物園だけではなく、図書館も工夫次第でこんなに変わるのかと感動した。

 見通しが悪く、いたる所、〈死角〉だらけ。
 書架のあいだのイスに腰かけると自分だけの居場所が生まれるというのも感覚的に納得できる。
 自分の高等学校の古びた図書館の、書架と書架のあいだに漂っていたかび臭さを、正宗白鳥、徳田秋声全集という背文字とともに思い出した。

 これに対して、おそらく本校は日本でいちばん〈死角〉のない中学校だろう。
 この「対比」から、本校の環境づくりを考えてみたい。

 粗く2つの方向が考えられる。
 1つは、中学校は〈死角〉がないほうがいいに決まっている。あっては絶対にダメだ。〈死角〉だらけの場所は社会教育に委ねる。そのうえで学社が連携すればいい……という考え。
 2つ目は、中学校にも、この図書館にあるような「居場所」が必要だ。そのため、工夫して、見通しが悪い、〈死角〉のある場所を設定する必要がある……という考え。
 もうひとつ、論理的には、学校を〈死角〉だらけの場所にするという選択肢も設定できるが、現実的にこれは考えられないので省く。


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