職員室通信・600字の教育学

小高進の職員室通信 ①教育コミュニティ編 ②教師の授業修業編 ③日常行事編 ④主任会トピックス編 ⑤あれこれ特集記事編

これが、今年の高村光太郎祭に参加するかどうか、さんざん迷って、結論として、とりやめた理由だと思う

2010-05-16 13:29:05 | Weblog

10.05.16 これが光太郎祭に参加しなかった理由だ


◆画像は、高村光太郎の小屋(7坪半)の内部。
 この囲炉裏がある板の間の奥(左側)に3畳ほどの畳が敷いてある。
 囲炉裏のまわりに一升瓶4本、五合瓶2本と、七輪。
 土壁に沿わせた書棚に光太郎の蔵書。
 その脇に古びた紙が張ってあるが、黄ばんで、虫に食われ、内容は読めない。
 昭和20年~27年まで、光太郎は、ここで独居・農耕自炊生活を送っている。

◆「ごめんください。宮沢さんからおことづての品を持ってきました」と、私は固くなって言いました。(『言葉はどこからどこへ』(宮地裕)から引用)

 軽い食事を済ませたところだと言われましたが、おむすび一個を呈上し、たくあんの漬物でいっしょに食事をしました。
 光太郎がお茶を入れてくれました。
 「夏を越すのは二度目だが、夏は疲れるから、日中は仕事に出ない。
 畑は五畝ほど。
 野菜などの副食物を自給するつもりでいるが、なかなかできない。
 耕具・肥料・殺虫剤、みな不足で困る。
 しかし、いずれは一反までは耕作して、アトリエも近くに建てて、農業と彫刻を両立させたい。
 一年の耕作の予定はよく組むが、思うようにはいかない。
 夜のランプの油が悪いから本が読めない。
 ろうそくは高くて買えない。
 彫刻の材料も木もない。
 今はただ刀がさびないように研いでいるが、近く、小さい物から彫りたいと思っている。
 太田村の人たちは純真で、親鸞・蓮如への信仰があつい。
 理屈なしに善悪を感じ分ける力を身につけている。
 ただ、日常の食生活については改善を勧めている。
 「玄米四合」てなくて、米は適量にして牛乳何合かというような酪農にするといいと思う。
 それにしても夏は体が弱る。
 冬、小屋の北側はすっかり雪にうずもれる。
 南側にも三尺ほど雪が積もるが、私は血色がよくなって元気が出る。」(『言葉はどこからどこへ』引用、以上)

◆わたしの場合、光太郎の作品そのものと同時に、いや、それ以上に、父光雲との確執、欧米留学で受けた痛撃の体験、智恵子との、ま、奇妙といえば奇妙な関係、大東亜戦争への全身全霊の傾注度、山小屋での独居・農耕自炊生活等、いわゆる光太郎の生活の歴史に強くひかれているところがある。

 だから、照れくさい話だが、宮地氏が記録した光太郎言は、指先に沁み、心に沁みた。
 かつて(ほんの数年前)、光太郎言を転記しながら、光太郎の「一反までは」を、あるいは「アトリエも近くに」を、あるいは「近く、小さい物から」を、放棄しかけた(挫折しかけた)自分の仕事に置き換え、止まりかけた時間を再び動かしたことがある。

 そのときの「時間」は、今も動いている。
 しかし、「仕事」は、はっきりいえば、一頓挫の格好だ。
 これが、今年の高村光太郎祭に参加するかどうか、さんざん迷って、結論として、とりやめた理由だと思う。

関連記事 ・高村祭のあとで。光太郎がお茶を入れてくれる。「夏は疲れるから、日中は仕事に出ない」と。
高村祭⑤ 高村祭は光太郎がここ(太田村山口)の小屋で独居・農耕自炊した7年間に限定して物語ろう

◆画像は、昨年の高村祭。(クリックすると画像拡大)



にほんブログ村 地域生活(街) 東北ブログ 八戸情報へ
にほんブログ村

★わたしの公式ホームページにも、ぜひ、来てください。公式ホームページには、トータルの、全身の、わたしが存在します。待ってまっせぇ~ィ !!!!!!!!!! 
  ☆公式ホームページへ


★わたしのWEB無人駅線のページにも、ぜひ、来てください。あっというまに、魂が無人駅線の世界に、全身、移動できます。待ってまっせぇ~ィ !!!!!!!!!! 
  ☆WEB無人駅線ページへ





最新の画像もっと見る

コメントを投稿