四国での最後の朝食をいただきます。
初めてのお遍路さんがよくする質問に、1番札所まで戻るべきかどうか、というのがあります。義務も決まりもないからそれぞれの人の思いを優先させればいいと答えることにしていますが、なかなか決められないという人もいます。ぼくは今年は4番札所からお参りを始めたのでいやでも3番、2番、1番とお参りをしないことには結願にはならないので今年も1番に向かって歩きます。
昨年は久々に一番近道の10番札所切幡寺に向かう県道を歩いたし、その前は1番札所に下りてくる卯辰越、その前は3番札所の近くに下りてくる線路沿いの道を歩いたので、今回は番外霊場を巡る道を歩くことにします。番外霊場そのものにはあまり興味はないのですが、赤線の道はできる限り押さえておきたいという変な欲求です。数は極端に少ないでしょうが、そこへ行きたいという人に質問されたとき速やかに答えるようできていればそれも一つのお接待。
八十窪のおばあちゃんに、歩けるうちは歩いたらええ、とありがたい言葉で見送ってもらいました。また元気に戻ってこられるように、しっかり準備をしたいと気持を新たにします。
民家の庭先にワンコ、実はこの時またちょっと大変な事態が起こっていました。最終日に来てまたマイゴちゃんの復活。番外霊場西教寺に向かう道で二つの短絡路の点線がありますが、そこでまた道をはずしてしまいました。最初の86-1の地図の鈴竹集会所の近くの道は、倒竹が道をふさいでかなり歩きにくくなっているところがいくつもあって悪戦苦闘したのですがそこは何とか抜けました。その後の104-2の地図の日下峠の手前の点線は入口ははっきり判ったのですがその後が最悪でした。誰が歩いても迷うような道でした。もちろん道しるべは皆無、その結果迷いに迷って出てきたのがワンコの前、篠山と違って民家があって人も出てきてくれたのでこれでなんとかはなるだろうとほっとしたときの写真です。
出てきたおじいちゃんにとにかく県道に出たいのだと、説明したのですが、あまり要領を得ない、結局軽トラで送ってもらうことになりました。最後に来て迷惑をかけてしまいました。軽トラ1台がやっと通れる道が続いて、その道を来たのですが、それを逆に進めば普通に県道に出られていました。おばあちゃんはお茶でも飲んでいかんかとと勧めてくれましたが電車の時間もあるので不本意ながらお断りするしかありません、そうしたらペットボトルの綾鷹を持たせてくれました。
県道に出て歩き始めたらおじいちゃんがクラクションで見送ってくれました。ふり返って両手を大きく振って答えました。峠を少し越えたところでした。