38番金剛福寺に着く300mほど手前ですれ違った人は、久々のびっくりでした。時間は10時40分、民宿久百々に連泊、ということは往復41km。しかもこの時間ですでにお参りを終えている。いくら荷物は宿に置いているとはいえ、なかなか見ないくらいの健脚です。体格は見るからにスタウト、年齢もそれなりにいっているようだけど、これくらいなんてことないよと余裕たっぷり、久百々や大岐の浜を1日で往復する人は時々見られる(昨年の秋、大岐の浜で同宿だった若い女性も往きは東海岸、復路は西海岸で歩いた)けれど15時前に宿に着いてしまうなんて人は見たことがない。
ぼくは大月周りだったこともありその人とはしばらく会うことはなかった。
その4日後、大洲のときわ旅館で再会することになった。ぼくは大月廻りとはいえ柏から宇和島駅まで30km以上バスに乗った、しかも彼は昨日もここに泊まって今日出石寺に行ってきた。ありえないスピードではないか。久百々から大洲まで3日、距離にして143km、1日平均47km。電車かバスに乗ったと思われるけれどそこは聞きそびれました。出石寺を往復して昼前に戻ってきて時間を持て余して仕方なかったという。ぼくは大洲の宿から出石寺を往復してそのまま大瀬の4km先の来楽苦まで歩いたことがあるけれど、彼なら同じくらい行けたかもしれない。
40kmくらいなら何の問題もなく歩けると言っていました。彼はお遍路は2回目、年齢は72歳、岐阜羽島の人で消防署のレスキュー隊を定年まで勤めあげた、なるほど、ようやく納得できたのでした。翌日は砥部町のえびすや旅館まで、そして久万高原のでんこで連泊。彼の脚力なら連泊する必要ないとアドバイス、その場で2泊目を取り消していました。えびすやからだと45番を打ち戻ってでんこまで34kmほどですからね。
道後温泉も閉鎖になってると聞いて彼もお遍路は中断することになった。