2012年の「ヒッチコック」という映画を見ました。BSで放送されたのを録画していたものです。アンソニーホプキンスは本物のヒッチと顔の感じが全然違うので、ちょっと残念な感じもありましたが内容は全て興味深いものばかりでした。原作本があって「ヒッチコックとサイコのメイキング」。ほかの映画でなくてなぜサイコか、サイコはパラマウントが金を出さなかった、ヒッチ自身が屋敷を抵当に入れて資金を調達した。有名なシャワーシーンのエピソードもすごかったし、アンソニーパーキンスのこともしっかり語られていて、彼自身にもためらう部分があったのは興味深いことでした。「めまい」のキムノヴァクがヴェラマイルズの代役だったことも知りませんでした。
エンドタイトルの前に、この作品以降彼は6本の作品を作ったが、これ以上にヒットした作品はなかった。と語られたのですが、人によってはサイコがピークであとはずっと下り坂だったと思いこむかもしれません。これはヒッチファンの一人としてはとても心外なことです。双葉十三郎先生の採点ではサイコ(75点)、鳥(80点)、マーニー(75点)、引き裂かれたカーテン(70点)、トパーズ(70点)、フレンジー(80点)、ファミリープロット(80点)。フレンジーの先生の一言コメントは「名人芸というにふさわしい」、ファミリープロットのコメントは「こうやってつくるんだよ」
ぼくが一番好きな作品は最後の作品になった「ファミリープロット」、ヒッチコック作品で唯一、オンタイムで劇場で見ることができた作品です。そのラストでは思わず声を上げたくなったくらいびっくりしたのをいまだに忘れられません。