東高野街道 続き
県道を横切るとすぐ本陣跡があった。江戸時代は本当にこの道が表参道であった。この道ができて、ここに本陣があるとなると、確かに町石道はすごく不便な感じがする。九度山に宿があったとしても1日で往復するのは難しい。高野山に宿坊があれば無理なく登れるけれど、当時は今のように山全体が宿坊のようなことはなかったかもしれない。この宿からだと1日で往復するのもかなり余裕が持てる。13:06
丹生川にかかる千石橋のたもとに道標があった。高野山女人堂 二里、と読める。学文路からここまで4kmを50分くらいで来たことになる。1時間を目途にしていたからまずまずのペース。13:09
こうしてみると左端の町石道(オレンジの道)はすごい大回りだということが分かる。しかも慈尊院から先はほとんど人家集落がなく、従って宿もなかったであろう。こちらの道はここから4km先の紀伊神谷周辺にも集落があって江戸時代には多くの宿があったという。
千石橋を渡る。13:10
丹生川を渡る。これが丹生川ではなかったら、空海は高野山に道場を開かなかったかもしれない。
橋を渡って突き当たりに道標があった。13:11
橋を渡ればいきなり急な上り坂になることは承知していた。13:11
あれだけの急坂を下りてきたのだから、これだけの急な登りになるのは道理。13:13
まだまだ緩やかにはならない。13:17
まだまだ急勾配。13:19
大分緩やかになったけれど、まだ平坦とまではいかない。これだけ緩やかになるとそろそろ峠かなという期待も出てくるけれど、13:20
カーブを曲がるとまた急傾斜が始まる。
右手に雨引山が見えた。中央の鉄塔の所からあの山の裏側を回り込むのが町石道、ここからあそこまでの往復分(約10km)遠回りになる。13:25
坂の先はそろそろ峠かなという期待がふくらむ。13:27
期待はあっさり裏切られる。考えてみれば河根から紀伊神谷まで1時間近くかかるのにその半分も来ていない。でもここまでず~っと登りだから、頭の中ではいつ峠になるかという期待しか思い浮かばない。13:28
カーブの先は・・・13:31
まだ上りは続く。13:32
これだけの上りだから、またカーブの先に期待する。13:33
ほとんど平坦なところに出てきた。このままか、下りになることを当然期待する。13:34
まだ下りにはならない。13:35
整備された広い道が続くけれど、街道、参道の趣は感じられない。13:37
ここまで来ると、神谷まで峠そのものがないのかもしれないという気になってくる。考えてみれば新高野街道も峠があったのは神谷の集落の数百メートル手前だった。
幅が狭くなって少し街道らしくなってきた。13:38
この脇の道が昔の街道ではなかったかという感じがする。でもあえて試すまでの勇気はない。13:52
いい感じのカーブが見えてきた。13:53
大分平坦な感じにはなってきたけれど・・・13:54
今度こそ本当にいい感じ。カーブもないのに先が見えないのはかなり落ち着いているにちがいない。13:55
初めて期待通りの平坦な道が現れた。でも峠という感じは全くない。
明治4年にここで行われた仇討ちが日本最後の仇討ちであったと書かれている。ここが街道であったことが想像できる。13:56
やはり峠ではなくて緩やかな上りになっている。13:57
河根から50分になるから、そろそろ神谷の集落が見えてくるはずだけれど。 13:58
また平坦な道になった。いよいよ大詰めか。14:00
本当にそれらしいカーブが現れた。待ちに待った峠の可能性が高い。14:02
期待通り、ここが本当の峠のようである。
河根から1時間近く登りに登って、ようやく下りを楽しめる。14:06
右京大坂道、の道標、隣は高野山女人堂、までしか読めない。東高野街道は一般的には「京・大坂みち」と呼ばれていたようだ。14:07
家が見えた。ようやく神谷の集落に到着、峠は集落の手前500mくらいだった。14:08
新高野街道との合流ポイントに到着、ここから先は5ヶ月前に歩いた記憶に新しい道になる。
千石橋から3.8kmを58分で来た。時速は3.9km、予想していたより険しい山道だったので思ったほどのスピードは出なかった。でも予定の電車には楽々間に合う時間ではある。14:09
合流ポイントから極楽橋までは5ヶ月前に写真を撮ったので、撮影は少なくして歩きそのものを楽しむ。この切り通しは撮影し忘れたポイント。この道が江戸時代の街道だったかは大いに疑問とするところだけど。14:22
南海高野線の上を渡る。14:28
新極楽橋の前を通過。この橋を渡っても高野山へは行けない。14:29
極楽橋の下をくぐる。今回の終点は高野山ではなく、極楽橋駅なので橋は渡らない。14:30
合流ポイントから2kmを24分で来た。時速5km、調子も良く疲れもなかったけれど、思ったほどのスピードは出ていなかった。予定の時間より40分も早くついたので1本(25分)早い電車に乗ることができる。高野線の終点極楽橋で駅を出る人はほとんどいない、そのままケーブルに乗る人がほとんど、なので駅の改札はこのように裏口か勝手口のようなたたずまいになっている。
偶然にもこの最後の写真が88枚目になった。14:33