WALKER’S 

歩く男の日日

大阪フィルの続き

2008-10-26 | 演奏会
 ピータールーを原曲(オーケストラ)で聴くのは初めてでした。録音でも聴いたことはなかった。吹奏楽では何度も聞いているのですが、印象は全然違いました。弦のふっくらして艶やかな響きは吹奏楽では全然表現できていない。当然なのですが、原曲の魅力を十分表現しきれていないというほかない。吹奏楽のクラシックアレンジはまがい物でしかない、という考えの人もいるけれど、この演奏を聞いてもそうは思いませんでした。確かに表現しきれない所や及ばない所は多いし、そういう響きは作曲家の意図したものとかけ離れているかもしれない。でも、オーケストラとは違っても音楽の本質は変わらないし、時にオーケストラ以上の表現を見せることだってある。祝典序曲がそのよい例でしょう。ぼくが今まで聴いた中で最高だと信じて疑わない83年の近畿大学の演奏は今回聴いたオーケストラの演奏よりはるかにいいと思いました。アクティブで力強くて、ぐんぐん迫ってくる感じというのは今回ほとんど感じられなかった。表現力ということでは全く見劣りのしない演奏だった。でもそういうのは当時の近大だから可能なのであって、普通のバンドがいつでもできるような演奏ではない、でも不可能なことではない。曲にもよるし編曲にもよるだろうけれど、オーケストラに負けない表現をすることは不可能ではないし、それ以上の感動を客席に届けることもできる。それを目指すことは大いに意味のあることであるし、つまらないオリジナルを練習するより余程意義深いことだとも思う。
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