6:09
信号を右に折れると西大洲駅の方に行く。初めての道ではチェックできるポイントはきちんとしておかないと何が起こるか、どこで迷うか分からない。
6:22
でっかい道路標識が出石寺の方角を指し示している。
標識に従って右折、橋を渡る。川は肱川の支流久米川。
6:23
本日最初の赤矢印を発見。このみちは赤線のついている道ではないけれど、大洲に泊まってからこの道に来る人も少なくないから、考慮して貼ってくれている。
6:24
出石寺21kmの標識、この三差路で遍路道に合流。遍路道は向こうから来てこの角を右の方へ行く。
向こうから来た人とこっちから来た人のためのシールが二つずつ。
6:29
予讃線の踏切を渡る。左に300mほど行くと伊予平野駅。
6:38
気になっていたポイント、左側の道は10年ほど前にできた新しい近道。
6:40
合流ポイントの少し手前に地蔵堂への登り口があるようだ、地図を見ると明らかに地蔵堂の方が近道だけど今回は直進する。
6:49
向こうの道路の感じを見るとヘアピンカーブは近いようだ。
6:51
ヘアピンカーブにやってきた。ここから県道を離れて直進する。
角度的にちょっと微妙な道路標識。
6:55
右車道、左歩道の遍路標識。いよいよ山に入っていく。ここはまだ標高120m。
7:01
右へ曲がる舗装道を離れて直進、ここからが本当の山道だ。
へんろ道左出石寺、標識も確認。
7:04
3分ほどで舗装道に上がってきた。
7:05
舗装道に上がるとまたすぐ山道に入る。
へんろ道 番外霊場出石寺、の標識を確認。
7:08
再び舗装道に上がってくる、横断してすぐ山道に入る。
7:13
また舗装道に上がってきたけれどここが最初の迷いどころだった。
標識がぶら下がっていたので間違いないと確信できたけれど、どう見ても民家に入っていく道にしか見えなかった。
7:14
民家の横に申し訳程度にへんろ道が続いていた。
7:18
自動車道に上がってくる。ちゃんと赤矢印がある。
今度はしばらく舗装道を歩くはず。この地点の標高は280m、出石寺の標高は812mだからまだまだ序盤だ。
7:24
見晴らしのいいところに出てきた。標高300m程度とはいえ相当な山の中。
7:29
山道の入り口が見えてきた。
山道とはいえ明らかに車が入っている。この轍がちょっとしたくせ者だった。
7:30
轍の道を行くとすぐ左に入る。遍路標識はあるけれど轍に気をとられて真っ直ぐ行ってしまう人がいても不思議ではない。
7:31
遍路標識が指している左の方は少し下りになっている。地図を見るとちょうど大洲市と八幡浜市の境界になっていた。
7:37
ここまで500mくらい全く標識も何もなくてとても心細かった。一本道ではあるけれど道は荒れているし初めて歩く道だから何の確信もない。こうして一つでも遍路札があるとすごく安心する。評判の遍路宿ときわ旅館さんがつけてくれたものだ。
7:44
ようやく舗装道が見えてきた。ここまでは下りも多かったけど決して歩きやすい道ではなかった。初めての道は先が読めないから精神的にもかなり疲れる。
7:51
ほぼ平坦な舗装道を600m歩いてくると山道の入り口が見えてきた。この山道を入るとあとは1度舗装道を横断するだけで出石寺まで全て山道になる。ここの標高は380m、まだ半分も登っていない。
7:52
山の中へ入っていく。宿を出て2時間も歩き続けているのにまだここまでかという感じもある。目標としていた2時間半以内には着けそうもない。
7:56
倒木がいたるところで遍路道をふさぐ。こんなに荒れた道は経験したことがない。倒木だけでなく枝打ちされたものが道の上に重なってさらに歩きにくくなっている。
7:59
最後の舗装道に上がってきた。ここの標高は470m。
8:00
舗装道を横切るとちゃんと遍路標識がある。
8:01
わかりにくい道だけど道しるべがあるので迷わず入ることができる。
8:08
山道が右側に大きく曲がって、4年前登ってきた道との合流ポイントが近いことを肌で感じる。
8:09
4年前登ってきた道に合流、やれやれだ。ここからは迷ったり道をはずす心配はない。でも、この道を知らなくて初めてここに来た人は、このポイントから逆に行ってしまうこともありそうな感じだった。合流してからは「く」の字に折れて反対の方角に行かねばならない。写真のように頼りなげな道しるべもあるけれど、見逃して今来た方角をまっすぐ行って下ってしまう人も少なからずいるのではないかと思ったりした。
ここの標高は550m、出石寺まであと1.7km、たっぷり30分はかかりそうだ。
8:35
4年前に往復しているので、合流してからは快調だった。イメージの残っているところも多くて思い出しながら歩いた。ただ、やっぱり長さと坂のきつさはほとんど忘れていた。辛く苦しい所から忘れていくのが人間の本性らしい。ゴールが見えてきたようだ。
8:36
ぼくの知る限り四国で2番目に大きなお大師さん、ここはまだ境内ではない。
山門までまだこれだけの石段を登らねばならない。
8:38
大洲郷土館から2時間38分57秒で何とか別格7番金山出石寺に到着した。予定していた時間より9分余計にかかったけれど、本当に甘くはない道のりだった。4年前は2時間9分だったからちょうど30分余計にかかったことになる。4年前の道は下り道ではあったけれど、登るのにも良い道であったと痛感する。郷土館のお手伝いの人が熱心に教えてくれた意味も改めてかみしめる。卯之町の宿を出て、大洲に入る前に出石寺に登ってから大洲の宿に入るということは余程の荒技であることも判った。でも、ぼくは地蔵堂の登山道もいつか歩きたいと思っている。
お参りを終えて念珠をいただくと、もうほとんど時間の余裕はなくなっていた。水分と塩分だけはきっちり摂って、休憩なしで下山することにした。
9:32
出石寺を下って2.5km自動車道に合流する。9時10分に出たから時速6.5km以上で下ってきたことになる。歯長峠などより緩やかで下りやすい道ではあるけれど思った以上にスピードが乗っていた。
歩道山道は2.5kmだけど自動車道は7kmもある。ここから600mほどは登りになる。下りの途中の登りはダメージが大きい。
9:39
ようやく峠(八幡浜市と大洲市の境)までやってきた。ここからは下るばかり。この少し手前で歩き遍路さんとすれ違った。4年前もこの近くですれ違った。大洲の宿を7時過ぎに出るとちょうどこれくらいの時間になるようだ。
10:24
4年前このあたりまで登ってきたとき、こんな高いところまで来た、と感慨深げに冨士山と大洲城を眺めたものだったけれど、今回はもうこんな所まで下ってきたという感じ。この標高は300mくらい、冨士山の頂上とほぼ同じ。
10:29
最初の短絡路、ここまで来ると下りも終盤。標高は230m。
短絡路の入り口。
10:30
1分ほどですぐ自動車道に合流する。
10:31
二つ目の短絡路は通行止め、4年前もそうだった。たぶん5~6年前までは歩けたのだと思う。道が荒れて危険なところがあるのかもしれない。
10:38
三つ目の短絡路も通行止め、この遍路標識も無駄なものになってしまった。
10:44
最後の山道に入る。山道といってももうここの標高は120m、半分以上が平坦な道だという記憶がある。大洲郷土館まであと1.5km。
10:55
下界、登り口が見えてきた。でもこの道は下りのための道なので、ここから登るときに登り口には一切標識もシールもない。ここさえクリアすればあとは迷いどころは全くないのだが。
10:56
下界まで下りてくると正面に冨士山。
10:57
予讃線の下をくぐり抜ける。
11:03
久米川に架かる新しい橋を渡る。けれど4年前はこの橋もその手前の道路もなかったと思う。4年前はここより250mほど肱川よりの所を渡った。しかも橋ではなく水がなくてそのまま渡れるようになっていたと記憶している。そこは完全に地形が変わって水があって橋もなく渡ることができなくなっていた。4年の歳月に最も驚かされた瞬間だった。
11:12
肱川橋まで戻ってきた。前回はこちらの橋を渡らず十夜ヶ橋まで行ったので正確な比較はできないけれど、大体で換算してみると5分ほど遅かったことになる。往きの道のりが全然違ったからその影響もあるかもしれない。
11:20
ときわ旅館の前を通過。まだ一度も泊まったことはないけれど、来年来ることがあったら投宿したいと思っている。
11:24
伊予大洲駅まで何とか戻ってきた。電車の時間まで20分ほどしかない。キオスクでアクエリアスを買って一息入れる。
12:59
定刻より3分ほど遅れて列車は松山駅に到着した。松山駅の前に出てくるのは33年ぶりだ。そのときの駅前の様子はほとんど覚えていないので、変わったのか変わっていないのかはよく分からない。徳島駅、高知駅、高松駅と比べてかなり地味なので30年前のままなのかもしれない。
13:14
伊予鉄松山市駅の前までやってきた。JRから1.5km、15分ほどの道のりだけど初めて歩く道で地図も持っていなかったので、やはり長く感じた。迷いようのない道だけど初めての道はどうしても緊張感がつきまとう。
13:19
松山市駅に来るのは2度目だけれど4年前は降車するだけだった。横河原行きの電車がどこから出るのか分からなくて少し迷いながら1階の横河原線のホームに来た。
13:33
49番札所浄土寺の最寄り駅久米駅に到着、ここから46番札所まで逆打ちをする。
13:42
久米駅から4分で浄土寺に到着、へんろ道に合流する交差点で歩きの男性が50番札所に向かって行くところだった。この時間だと、繁多寺と石手寺をお参りしてちょうどいい時間に道後温泉に着く。浄瑠璃寺から道後温泉までの14kmの間に遍路宿はないから、今日はもう歩きの人には会わないかもしれない。
14:19
浄土寺から28分23秒で48番札所西林寺に到着した。ベストより1分遅かった。電車の中で充分休んだけどまだ山登りの疲れがとれていないのか。いつもとは逆の風景で新鮮だったし、とても長く感じた。逆打ちの難しさを少しだけ味わったような感じがした。
14:41
重信川に架かる久谷大橋を渡る。
14:47
今日の宿は、昨日一昨日の宿とは違って素泊まり宿ではないけれど、団体さんが多いので素泊まりで予約している。故に橋を渡ってすぐの交差点にあるコンビニで夕食の調達をする。贅沢をして野菜ジュース500ccを買ってしまった。
14:59
番外霊場札始大師堂、衛門三郎のゆかりの地らしいけど詳しいことは知らないしお参りしたこともない。
15:11
西林寺から33分10秒で別格9番文珠院に到着した。ベストより2分遅かった。
親玉にはお大師さんの御影があるのが値打ち。
納経所から出てくると男性がお参りに来ていてぼくに話しかけてくる。こんな時間に珍しいなと首を傾げていたら、彼はバイク遍路さんだった。それもぼくと同じで別格だけを巡っている。彼は5~6年前に自転車で88ヶ所を巡って大変な思いをしたそうだ。自転車で28日かかった。自転車は山道ではお荷物にしかならず懲りたので今回はバイクにしたそうだ。バイクでも今日の出石寺のように迷路のような山道でナビがうまくきかず相変わらず大変だったと愚痴が出る。あと2日で20番まで行ければいいがと不安そうだった。20番まで行けてもそのあと岐阜まで帰らねばならない。
15:48
バイクさんと話し込んでしまったので少し遅くなった。文珠院から7分58秒で47番札所八坂寺に到着した。ベストタイ、ここへ来てようやく普段の歩き。
16:09
八坂寺から浄瑠璃寺まで900m、逆に打ったので道をはずしてしまった。順打ちの時は1度もはずしたことがない迷いようのない道なのに逆だとごく当たり前にはずしてしまう。改めて逆打ちの怖さを味わった。でも時間は8分37秒でベストタイ、そんなに遠回りにならない道だった。
16:20
浄瑠璃寺の目の前にある長珍屋には3年ぶり7回目の投宿になる。写真では見えない本館の奥の木造だった部分が取り壊されて3階建ての新館ができていた。新館には各室にお風呂がついているようだ。おかげで大浴場はぼく一人でのんびり楽しむことができた。今回初めて本館の右の部分(白いところ、1階は食堂と売店がある)に泊まった。ぼく一人だけだった。団体さんや他の人は全部左の部分と新館で、すごく快適に過ごすことができた。