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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

自衛隊には国際法と歴史の教育を

2008年11月13日 16時30分41秒 | 日本政治
前空幕長論文で首相「長年、見過ごしてきたのは問題」(読売新聞) - goo ニュース
 田母神前航空幕僚長の更迭事件を契機に、自衛隊の教育現場には、”政府見解”というおかしな名称の授業科目が設けられそうです。果たして、この授業、自衛隊の国防という任務に役立つのでしょうか。

 田母神氏は、統合幕僚学校の校長時代に、自虐的な歴史観や歴史偏向教育では自衛隊の士気が上がらないとして、新たに「国家観・歴史観」という講義を新設したそうです。しかしながら、もしかしますと、国際法の発展史を学ぶ講義を設けた方が、よりスマートな方法であったのかもしれません。とかくに、現在の価値判断で過去が断罪される傾向にありますが、国際法の発展過程を歴史上の事実と照らしてきちんと学んでみますと、その結果として、先の大戦が、当時の国際法において日本国の”侵略”と断定できるのか、あるいは、植民地支配と言えるのか、といった問題への回答が、おのずと見えてくるからです。国際法の形成過程を学ぶことは、現在の国際法において、自衛隊に何ができ、また、何が違法行為となるかを知ることでもあります。

 始めから”侵略”や”植民地支配”と決めてかかる教育など、イデオロギー教育ではあっても本物の教育ではなく、教育とは、客観性や知性に耐えるものでなくてはなりません。自衛隊の教育に”うそ”があってはならず、政府見解の学習は、自衛官の知性を曇らせこそすれ、決して育てはしないと思うのです。

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コメント (17)
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