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九州全線阿房列車(14)

2022年10月22日 | 畸観綺譚
九州全線阿房列車(14)
当然、途中から誰も乗り込む雰囲気でなく、そのままスイッチバックの立野2229着。その手前に逆Z字の一段スイッチバックがある。まずは汽車が停車し、運転手が逆側の運転台へと車内移動してバック方向に運転して高度を下げる。この際に立野駅ホームに入線するのだが、停車中にさらに再度運転台を移動して出発するというスイッチバックを当方一人(というよりそうでないと運行できないのだが)のために行うのはなんだか非常に贅沢なる気分。周囲の景色が漆黒で全く見えないのが残念ではあるが…。常紋峠の時もそうだったが、なんだか乗務員と二人だけと思うと妙に一方的な親近感・連帯感が湧いてくる。逆に乗務員にしてみれば、深夜に独りずっと乗車している手ぶらの乗客、というのはなんとも不気味かもしれない。その後は熊本へと向かう乗客がちらほらと途中乗車してくる。景色といえば街灯くらいしか見えないため、Kindleで「銀河鉄道の夜」(宮沢賢治)をダウンロードして読書。読みたい時にどこでもダウンロードして読める(しかも古典は無料)のはなんとも素晴らしく、これも贅沢。熊本が近づくにつれて意外に途中乗客あり、2329熊本着。深夜ながらこの先まだ大都市への乗継便があるようだが、当方はここで下車して駅前のホテルへ。ホーム階下の誰もいない待合所ベンチには等身大?のくまモン像がポツンと座っており、一瞬ドキリとする。小雨混じりの中、駅至近のホテルにチェックインして即入浴して就寝。引き続き汽車の振動が体に刻まれている。本日は18時間かけて538キロ走破したが、これは偶然ながら前日(第1日目)と全く同じ走破距離。
【写真】スイッチバック駅、立野駅。取り残される恐怖感に抗いながら停車時間にすかさず撮影。
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