「地下がとっても好きだけど閉所恐怖症」というワタクシは、前世は炭鉱夫で落盤事故によってその生涯を終えたのではないか、と自己分析せざるをえないほど、なぜかこういった地下系に興味津々。トンネルや坑道に入るチャンスがあれば「事故で出てこれないのではないか」という妄想に苛まれつつも思わず突入してしまうのだが、こちらも同様に突入。斜坑鉄道の前には犠牲者慰霊碑に参拝したことで否応無く妄想も盛り上がる…。場所は津軽半島の先端たる竜飛崎にある。津軽半島それ自身がダークな雰囲気満点で好ましいのだが、この付近には源義経が(奥州衣川で自害したのではなく)北海道まで逃げ延びたという「義経伝説」も残る。斜坑鉄道乗車の前には付属の資料館を見て回るが、ボーリング作業中に誤って海まで貫通してしまう事故があった際、その穴から流れ込んできた魚(ドンコ=エゾイソアイナメ)のホルマリン漬なんか置いてあってなかなか面白い。早速斜坑鉄道への乗車となり、斜度14度、9分程度で海面下140mまで降りるというが、ビビるのはトンネル前にある巨大な風門。これが開いて鉄道が進むのだがこれが閉まったら最期、開かなくなって逃げられないのでは…という文字通りの閉塞感でお尻がムズムズしてくる。鉄道は海面下を目指してガリガリと進むが、途中には鉄路の建て付けが悪いのか、ガツンという衝撃が数カ所も。海底には25分程度の滞在にて、同行の係の方から詳しく説明していただける。語尾のイントネーションが東北訛りで非常によろしいものの、「トンネルの機能維持のためには排水ポンプが必須、なければトンネル中に漏れ出る海水で水没」という言葉に、これまたこの瞬間にポンプが故障・水没するのではないか、という恐怖に襲われる。帰路も往路を同様のペースで鉄道は斜坑を登って無事に駅到着。以前は青函トンネルでは吉岡海底駅の見学ができたようだが、怖いながらもその復活を強く希望。
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