こうじ神父今週の説教

日曜日の福音メッセージをお届けします。

年間第4主日(マタイ5:1-12a)受けた信仰を、積極的な生き方で完成させよう

2023-01-28 | Weblog
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こうじ神父
「今週の説教」
2023/1/29(No.1219)
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年間第4主日(マタイ5:1-12a)
受けた信仰を、積極的な生き方で完成させよう
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年間第4主日で与えられた福音朗読は「山上の説教」として知られるマタイ5章冒頭の部分です。この山上の説教は、実は2月5日「日本26聖人殉教者」のミサの中でも朗読される箇所です。日本26聖人についても意識しながら、福音朗読の学びを得ることにしましょう。

山上の説教全体が、迫害の中に自分をおいて朗読に耳を傾けると、メッセージが生き生きと伝わってきます。前半部分を「迫害の中で耐え忍ぶ姿」姿だとすると、後半特徴的なのは、「迫害の中で積極的に生きる姿」です。今回は後半の7節以降に注目したいと思います。

山上の説教の物語です。迫害の中に自分を置くとメッセージがよく響くと言いましたが、今の日本で、迫害を体験する場面はどこにあるのでしょうか。ピッタリ当てはまるか分かりませんが、「いじめ」は日本社会が抱える大きな病巣であり、「迫害」と言えるかも知れません。

「いじめ」を受けた経験のある人は、「忍耐する」ことについてはこれまでたくさん強いられてきたと思います。しかし、悪質ないじめの場合、忍耐するだけでは乗り越えられません。相手が怯むような「反撃」をしたときに、状況が一変します。復讐のことを言っているのではありません。「目には目を、歯には歯を」という復讐ではなくて、積極的な行動ということです。

日本26聖人はまさに、この「積極的な行動」の鏡だと思います。京都で捕らえられ、耳たぶの一部を切り落とされ、着の身着のまま、長崎に向けて連行されていきました。長崎までの道は、「耐え忍ぶ」道だったと言えるでしょう。

しかし26人が長崎の処刑場に着いたとき、彼らは一目散に自分が磔にされる木を見つけ、抱きしめたと言われています。さらに磔にされたあとも、みなは「神をほめたたえよ」と聖歌を歌い、パウロ三木は自分たちが殺される理由とそれでも喜んでいること、そしてすべての人が神様を信じて救われるように願っていると叫んだのです。これは迫害者を怯ませるのに十分な、「積極的な行動」でした。

日本26聖人は、迫害のさなかにも積極的な行動ができることを、証明してくれました。きっとこれは、日本社会の根深い病である「いじめ」にも当てはまると思います。「耐える」ことと「積極的な行動」の両方が、深刻ないじめを乗り越える可能性を開くのだと思います。

もちろんいじめられているすべての人が積極的な行動が可能だとは言い切れません。それは認めます。ただ、誰かが「耐えるだけではなく、積極的な行動に打って出る」とき、さまざまないじめの問題を打開する影響が波及していくのではないでしょうか。

そう考えて7節「憐れみ深い人々は、幸いである」を読み返すと、「憐れみ深い」が積極的な行動を引き起こします。これは迫害者を赦すということです。8節「心の清い」も、積極的な行動を引き起こします。これは迫害者を憎まないということです。9節「平和を実現する」ここには分かりやすく積極的な行動が見えます。これは迫害者と平和を作り出そうとすることです。

こんな行動が、迫害の中で可能なのだろうか。正直なところ疑問に思っていましたが、すばらしいお手本をテレビのニュースで目にしました。今のウクライナで実際にあった話だそうです。国内の体操競技での出来事でした。体操競技が実施されていた体育館が突然停電に襲われます。ロシアが電力施設に絶え間なく攻撃を仕掛けている影響でした。通常なら、演技が中断され、大会そのものも続行できないでしょう。

しかし体操競技を観戦に来ていたウクライナ国民が、驚くべき行動に出たのです。停電で電力が復旧しない中、観客が全員スマホのライトを付けて会場を照らしたのです。おかげで会場に明かりがともり、演技を続行することができたのでした。

この場面で、ロシアを非難し、会場にいる全員がロシアを罵ることもできたでしょう。しかしウクライナ国民はロシアを赦し、積極的な行動で「憐れみ深い人々」になる道を選んだのです。「憐れみ深い人々は、幸いである、その人たちは憐れみを受ける。」競技を続行した選手たちは、大いに慰められたことでしょう。

山上の説教は、二つの働きで神の国の幸いを完成させるのだ教えます。一つは忍耐です。ルカ21章19節で次のように言われています。「忍耐によって、あなたがたは命をかち取りなさい。」そしてもう一つは積極的な行動です。

これは私たちへのメッセージです。日本26聖人からのメッセージと言っても良いでしょう。「忍耐」と「積極的な生き方」で、信仰は完成するのです。迫害の中だけでなく、平和な時代でもそれは変わりません。信仰を自分が守るだけでなく、積極的に行動するとき、あなたの信仰は完成するのです。

250年間迫害を耐えてきたキリシタンの信仰を受け継ぐ私たちは、これから積極的に信仰を表すことで、受けた信仰を完成することができます。250年間耐えてきたのをこれからも続けるのではありません。もう十分耐えてきました。信仰の完成のために、日本26聖人は私たちに積極的な行動を求めているはずです。

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‥次の説教は‥‥
年間第5主日(マタイ5:13-16)
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ちょっとひとやすみ
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▼「消臭力」の人が、また笑わせてくれた。小包が届いて、「小包です。福島師親子からです。福島神父様のお母さまが昨年10月亡くなられたので、お祈りへの感謝ですかね」と言って持って来た。差出人の住所は熊本県。
▼よくよく見ると、歴史の「史」「親」「子」と書いてあって、ていねいに「ふみこ」とふりがなも振ってあるではありませんか。福島違い、「福島史親子(ふくしまふみこ)」さんからのミサ依頼だった。いつも笑いのネタを提供してくれる。

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今週の1枚
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第826回目。iOSのバージョンアップで画面が不安定になった人からのスクショ。

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† 神に感謝 †
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