こうじ神父今週の説教

日曜日の福音メッセージをお届けします。

待降節第1主日(マルコ13:33-37)救い主を待つ動機を確かめよう

2011-11-27 | Weblog
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こうじ神父
「今週の説教」
11/11/27(No.563)
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待降節第1主日
(マルコ13:33-37)
救い主を待つ動機を確かめよう
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待降節、主の到来を待つ季節が始まりました。教会は、この待降節から、1年の暦が始まります。そこで今週わたしたちは、救い主を待ち望む、はっきりとした目的をつかみたいと思います。

待降節に、救い主を待ち望むのですが、なぜ救い主を待つのでしょうかと聞かれたら、みなさんはどう答えるでしょうか。何となくは分かっていますが、言葉に表そうとすると難しいかもしれません。

もう30年近く前になりますが、わたしたちは教皇ヨハネ・パウロ2世が松山競技場でミサをしてくださった時、そのおいでを待ちました。わたしは浦上教会で行われた司祭叙階式の時にも、教皇さまのおいでを待ちました。あのとき皆さんは、なぜ教皇さまを待ったのですかと聞かれたら、何と答えるでしょうか。

この問いかけにも、みなさん何となくは分かっているのですが、言葉にできないかもしれません。わたしだったら、「教皇さまを一目見るために、待っていた」と答えるでしょう。教皇さまにお会いしたくて、寒い中をじっと待っていた。言葉にはならなかったかもしれませんが、これが多くの人の心の中にある答えだと思います。

この、皆が持っている体験と重ね合わせると、待降節になぜ救い主を待っているのかと聞かれたら、「救い主を一目見たいからだ」と答えるのが適切だと思います。何となく救い主を待っているのではなくて、救い主を一目見たい、救い主の近くにいて、一緒にいる実感を持ちたい。そう答える信者でありたいものです。

わたしは浦上教会で教皇さまのおいでをお待ちした時、忘れられない体験をしました。教皇さまが大村空港から車に乗り込まれたという連絡に始まって、今諫早を通過された、今長崎市内に入られたと、刻々と近づいてくる様子が聖堂内に案内されていました。

神学生は、中央通路に近い場所に席が用意されていました。当時椅子席だったのか、単なる板張りだったのか思い出せませんが、運が良ければこれで教皇さまに握手してもらうこともできる。そういう場所に神学生は置いてもらっていました。

ところが、「教皇さまが今到着しました」という案内が流れるや否や、とある修道会のシスターたちがいっせいに中央通路になだれ込んで来て、「どいてぇ!」と叫び、わたしたちを押しのけて、教皇さまに握手をもらってしまったのです。

シスターたちの迫力にも圧倒されましたが、シスターたちがどれだけ教皇さまを待っていたか、どれだけお会いしたいと熱望していたか、その差がこの結果になったのだろうなぁと今になって思います。

待降節を迎え、救い主を待つ季節が始まりました。救い主にお会いしたい。その気持ちでこれからの日々、その時を待ち続けます。その気持ちの中に、約30年前のあのときの熱意、何としても会いたい、遠くからでも眺めたい、同じ場所にいる喜びを味わいたい、そうしたものを織り込めたらすばらしいと思います。

今週わたしたちは、何となく救い主待っているのではなく、はっきりした目的、お会いしたいのだ、一目見たいのだ、その場にいる喜びを味わいたいのだ、という自覚を持って待降節に入ることにしましょう。

お会いするときに、わたしたちがどんな状態でいるべきかも、問われてきます。福音朗読にありましたように、ご降誕のその日まで、目を覚まして一日一日を過ごしていきましょう。

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‥次の説教は‥‥
待降節第2主日
(マルコ1:1-8)
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ちょっとひとやすみ
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▼無事に、巡礼旅行も終えて来た。初日、車で外海方面に出発するにあたり、祈りを唱えてから運転中神の保護を願って出発しようと思い、「では祈りを唱えてから出発しましょう。初めの祈り・・・。」と呼び掛けてみた。
▼すると、後部座席の人が、ロザリオの祈りを唱えますと言い出し、まあそれもいいでしょうとその人の先唱に続いてみんなでロザリオを唱え始めた。ところが、このロザリオ形式の祈り(主の祈り1回、アヴェ・マリアの祈り10回、栄唱1回)が、いつまでも繰り返され、いつになっても終わらない。
▼出発して45分、最初の訪問地である「黒崎教会」に到着。ここでようやく祈りが止まった。それまで、一心不乱に車中で祈りがささげられた。わたしは途中で案内したい場所もあったのだが、それもかなわず、ずっと祈りに付き合わされた。1週間分の祈りを45分で唱えた感じだった。
▼外海地方の巡礼は無事に終わり、その日の残る訪問地、26聖人記念館、浦上教会での聖体訪問、赤城聖職者墓地での歴代浜串小教区主任司祭への祈りを無事に終え、温泉施設で温泉と食事を楽しんだ。ここでご年配ならではのハプニングが。
▼温泉施設は各自にロッカーが貸し出されることになっている。その中に着替えなどを入れて、ロッカーのカギを腕に巻いて温泉に入る。鍵は、腕輪のようになっていて、腕に巻きつける。鍵が飛び出したりすると危険なので、折りたたみ式の果物ナイフのように、鍵本体が収納できるようになっていた。
▼ところが、それが理解できなかったお年寄りの方がいて、鍵が折りたたみのナイフのように収納されている状態だったのを、鍵がなくなったと勘違いし、「わたしの鍵がない。浴槽で鍵を落とした!」と大騒動になった。
▼もちろん、折りたたまれて収納されていたのだが、本人も、周囲も、鍵がなくなったのだと思い込み、浴槽を穴のあくほど見て、それでも見つからないと大騒ぎしたが、あらためて手首に巻き付けている紐の先に付いているビニール製のカバーを確認すると、ちゃんと折りたたまれて収納されていた。もう一つ面白い話があったが、この辺で。

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新企画今週の1枚
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第170回目。26聖人殉教記念公園にて。
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王であるキリスト(マタイ25:31-46)最も小さい者の一人に寄り添う

2011-11-19 | Weblog
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こうじ神父
「今週の説教」
11/11/20(No.562)
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王であるキリスト
(マタイ25:31-46)
最も小さい者の一人に寄り添う
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いよいよ、年間の最後の主日、「王であるキリストの祭日」を迎えました。キリストが王であることを、福音の学びによって証しする者となりたいと思います。

先週わたしは宮城県の仙台市に出張しておりました。教区広報委員会の全国研修会でした。初日と3日目は広報のあり方についての講話でした。2日目は、丸1日かけて被災地を視察しました。視察の様子は参考になると思いますので感じたままに話したいと思います。

東北3県の被災地のうち、わたしたち一行は南三陸町、登米市米川、石巻市の3つの活動拠点と、その周辺地域を視察しました。その中で、南三陸町と石巻市では、声を失うような光景を目の当たりにしました。

最初は南三陸町に入りました。すぐ目に飛び込んだのは、住宅の基礎のコンクリートだけ残った荒れ果てた土地と、すっかり錆びて鉄くずとなってしまい、うずたかく積み上げられた自動車の山でした。

わたしも話ではそうした場所のことを聞いてはいましたが、実際にその場所に入ってみると、目にする光景は現実のことだろうかと目を疑うばかりでした。それはたとえるなら、紛争を繰り返している国、戦闘機で爆撃を受けた地域のようでした。

鉄骨だけが残った防災庁舎、3階建てのアパートの屋上に乗り上げたままの壊れた自動車、ひっくり返った海の堤防、あるはずのない場所に折り重なっている船。これが現実だろうかと、実際にその場にいて信じることができなかったのです。

3カ所目に訪ねた石巻市でも、一階部分を津波で突き破られてそのままになっている家が延々と続いているのを目の当たりにしました。バス1台で視察していたのですが、一階部分が空洞になっている家は、海岸地区からいったいどれくらい奥まで広がっているのか見当もつかず、胸が痛くなりました。

そして石巻でいちばん焼き付いたのは、日和山公園から眺めた光景でした。この公園は小高い丘の上にあって、海沿いの地区が見渡せる、本来は絶景の場所です。わたしたちがそこから海沿いの地区を眺めたとき、あーこれが、報道でよく紹介されていた場所なのだと分かりました。

地震の後の津波が押し寄せたとき、「あそこにまだ人がいる!早く逃げて!」と人々が叫んでいたのは、ここからだったのだとよく分かりました。そして石巻市の海岸地区では、今でも自動車がまとまった場所に積み上げられていますし、がれきも、こんなにたくさんどこから集まったのだろうかと思うくらいの量が、海沿いに積み上げられていました。たとえて言うと、大型客船をひっくり返したような大きさ高さで、高さは20メートル、長さは100メートル、奥行きも20メートルくらいあったのではないでしょうか。

もちろん、この説教でわたしはただ被災地の様子を紹介して終わるつもりはありません。この大震災の体験をした人々は、今週の福音朗読の中の、「わたしの兄弟であるこの最も小さい者」ではないかと思うのです。この方々のために、わたしは何かをしなければならない。そう期待されていると考えました。

また、たとえ話に出てくる王は、「飢え、のどが渇き、旅の途上にあり、裸であり、病気で、牢にいる」となっています。この姿は、ひとことで言えばイエスの最後の場面にぴったり当てはまります。

イエスは最後の晩餐のあとは何も食べ物を口にしていません。十字架上で渇きを覚え、エルサレムへの旅、ゴルゴタの丘への旅、天の御父のもとへ帰る旅の途上にありました。むち打ちによって体はずたずたにされて病を得、不正な裁判と人々の嘲笑によって囚われの身にあったのです。

王が御自分の姿として描いた様子は、大震災の被災者の姿にも重なります。「飢え、のどが渇き、生活再建という旅の途上にあり、着る物も取り去られ、病気になり、本来の家ではなく、仮設の家にとらわれの身にあるのだと思います。

イエスは言います。「はっきり言っておく。わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである。」(25・40)被災地を訪ねて、広報担当者であるわたしは何をしなければならないかを考えました。

それは何よりもまず、伝えることだと思います。時間が経って、だんだん忘れ去られようとしている「最も小さい者の一人」が本当に立ち直るまで、彼らのことを伝え続けなければならないと感じました。

皆さんにも、これまで同様これからも力を貸していただきたいと思います。カリタスジャパンのボランティアが、現地で大活躍していて、大きな慰めになっていました。例を挙げると、震災で定置網や養殖の網を失った漁業者のところに行って、三重県や北海道から届いた網を、現地の状況に合ったものに作り替えるお手伝いをしていました。わたしたちはカリタスジャパンに募金することで、活動を支えることができます。

大震災の今年、わたしたちは「最も小さい者の一人」を身近に感じ、できることを考える必要があります。「最も小さい者の一人」に仕えることは、キリストを王として認め、王であるキリストに仕える道です。

わたしたちが、まことの王に仕えることによって、社会に王であるキリストを証しすることができますように。「最も小さい者の一人」に仕えることによって、社会に王であるキリストを証しすることができますように。

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‥次の説教は‥‥
待降節第1主日
(朗読箇所)
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ちょっとひとやすみ
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▼イエス・キリストがおいでになった場面は、ローマ皇帝の命令で、人口調査が実施されていた最中の出来事。人口調査というのは、ローマの必要のため実施されたはずである。戦争に駆り出す男性がどれくらいいるのか、税収はどれくらい見込めるのか。この人口調査はユダヤの人々にとって気持ちの滅入ること、苦しいことだったはず。
▼そんな、喜びのない場面で、イエス・キリストの誕生の物語が展開されている。イエス・キリストが実際に宣教活動を始めたとき、人々はかつての預言者の預言を思い出した。「 暗闇に住む民は大きな光を見、死の陰の地に住む者に光が射し込んだ。」(マタイ4・16)自分たちの先祖が待ち望んだ方が、目の前におられる。人々はイエス・キリストに自分たちの期待を重ね合わせただろう。
▼今回の「ちょっとひとやすみ」に紹介した福音書のメッセージ、「 暗闇に住む民は大きな光を見、死の陰の地に住む者に光が射し込んだ。」このメッセージは被災地にも当てはまると信じる。被災地の方々、本当に苦しみの中から這い上がろうと、毎日を過ごしているに違いない。その方々をそばで支え、見守るためにも、イエス・キリストはお生まれにななった。わたしはそう信じている。
▼被災地の方々ばかりではない。この「ちょっとひとやすみ」を読んでいる方の中にも、「今年はクリスマスの気分ではない」と思っている方もいらっしゃるだろう。けれども、イエス・キリストの誕生は、どの時代にも見られる「暗闇に住む人々」のためのものだったのである。
▼「わたしはクリスマスを祝う気分になれない。」そう感じている方に、わたしは力を込めて呼びかけたい。イエス・キリストは、そのような落ち込んでいる方々のためにまず生まれてきてくださった。クリスマスは、悲しんでいる人々のために、最も大きな慰めを届ける出来事なのだ。ぜひ、このメッセージを周りの人に届けていただきたい。


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新企画今週の1枚
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第169回目。南三陸町にバスが入る。説明してくださったのは小松神父さま。
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年間第33主日(マタイ25:14-30)堅信を受ける人は4タラントン預かる人

2011-11-13 | Weblog
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こうじ神父
「今週の説教」
11/11/13(No.561)
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年間第33主日
(マタイ25:14-30)
堅信を受ける人は4タラントン預かる人
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今日、中学生は堅信式です。今日堅信の秘跡を受ける中学生、去年堅信の秘跡を受けた中学3年生、来年堅信を受ける中学1年生に、今日の説教を届けたいと思います。

今週の福音朗読は、「タラントンのたとえ」でした。「タラントン」は、お金の単位です。だいたい5千万円だと思ってください。ですから、主人は自分の僕たちの能力に合わせて、2億5千万円、1億円、5千万円を預けて旅に出たことになります。

3人の僕たちのうち2人は、期待通りに預かったお金を活用しました。2億5千万円預かった人は、ほかに2億5千万円を儲けました。もしかしたら、ブランド物のバッグを海外から買い付けて、それをお店に並べて売って、お店が急成長したのかもしれません。

1億円預かった人も、どうやって儲けたかは書いていないけれども、ほかに1億円儲けました。こうして、主人の期待に十分応えた僕たちは、主人から「忠実な良い僕だ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。」と褒められています。

ところが、5千万円預かった僕は、主人のことを恐ろしい人だと思っていました。預かったお金を減らしてしまったら、ひどく叱られるのではないか。結果を求める主人が怖い。そう考えてしまって、預かったお金を活用しようと思わずに、土の中に埋めて隠しておいたのです。

イエスさまが話したのは、「たとえ話」です。たとえ話は、本当に考えてほしいことが別にあります。それは、「神さまはわたしたち人間に何かを預けて、活用してくれることを期待している」ということです。今回は、神さまの恵み、「秘跡」に当てはめてみたいと思います。

5タラントン預かった人とは、5つの秘跡を受けている人です。堅信組の皆さんは、7つの秘跡を学びました。それぞれ、洗礼・堅信・聖体・罪の赦し・病者の塗油・叙階・婚姻です。そのうち5つを選ぶとしたら、「洗礼・堅信・聖体・罪の赦し・婚姻」ということになるでしょう。中田神父の5タラントンは、「洗礼・堅信・聖体・罪の赦し・叙階」です。

5つの秘跡を預けてもらった人はだれでしょうか。それは、皆さんの両親です。中学生の皆さんは、堅信までは受けますが、婚姻の秘跡はまだ受けません。婚姻の秘跡まで受けた両親は、授けてもらった秘跡の恵みをフルに活用して、神さまに次のように報告します。「御主人様、5つの秘跡をお預けになりましたが、御覧ください。ほかに5つの秘跡を預かってくれる神の子をもうけました。」

中学生の皆さんはここまではいかなくても、「洗礼・堅信・聖体・罪の赦し」と、4つの秘跡の恵みを預かっている人です。4つも秘跡の恵みを預かったなら、同じく4つの秘跡の恵みを受けたいという中学生のお友達を探してくることができるはずです。簡単ではないと思いますが、神さまの恵みは、それを実現するのに十分な力を持っています。

特に、堅信の秘跡によって聖霊の7つの賜物をいただくのですから、秘跡の恵みを受けてみたいというお友達を探してくる十分な力が与えられています。恐れずに、友だちに秘跡の恵みを話しかけてください。

さて、最後は主人をがっかりさせた人のことです。1タラントン預かっている人とは、1つしか秘跡を受けていない人です。「1つしか秘跡を受けていない人」と言いましたが、最初に受ける1つめの秘跡は「洗礼」のことです。これは絶対に間違えないでください。洗礼をまず受けなければ、聖体もゆるしの秘跡も堅信も受けられません。

1タラントン預かった人は、預かったものが重い荷物と感じ、主人をがっかりさせました。もし、洗礼を受けた人が、わたしには重い荷物だと感じてしまったら、その人はミサに行って聖体も受けないでしょう。神さまと仲直りするゆるしの秘跡も受けないでしょう。おそらく、責任を引き受ける大人の仲間入りをする堅信の秘跡も受けないでしょう。それはちょうど、洗礼の秘跡を土の中に埋めて隠してしまうような態度です。

大事なのは、恵みをいただいた人の受け止め方です。恵みは、お金には換えられない価値があります。それを生活に生かそうとする人には何倍にも恵みが働いてくれますが、恵みを重荷に感じる人には、何年たっても恵みが膨らまないのです。ずっと土の中に埋めてしまっているうちに、恵みを膨らませる方法も分からなくなってしまうでしょう。

中学生の皆さんは、今いちばん堅信の秘跡に近い人たちです。堅信の秘跡を受けるまでに、洗礼・聖体・ゆるしの秘跡の3つを自分の中で膨らませてきました。堅信の秘跡を受けると、4つのタラントンを預かった人になります。もうほとんど、5つの秘跡を受けた両親に近づくのです。

だから、4つのタラントン、4つの秘跡を受けることを喜びとし、胸を張ってこれからの生活を送ってほしいと思います。堅信の秘跡は特に、聖霊の7つの賜物を注いでくださいます。「智恵・理解・判断・勇気・神さまを知る恵み・神さまを愛し、敬う心」この7つが、自分自身の問題解決にも働いてくれるし、友だちが抱えている問題解決にも、またもっと広く教会や社会が抱えている問題解決にも働いてくれます。そのことを楽しみにして、これからを過ごしてください。

中学生の皆さんが、祈りや黙想会の中で、「神さま、見てください。こんなに恵みが働いて、すばらしい生活を送れました。すてきな人生でした」と、自分の言葉で神さまに報告ができるようになることを祈っています。決して、「わたしはあなたの恵みを隠していました。いらないので返します」という態度を取らないでほしいです。これから、堅信の秘跡を含めた4つのタラントンで、すばらしい学生生活、社会人となれるように、中田神父は祈り続けます。

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‥次の説教は‥‥
王であるキリスト
(マタイ25:31-46)
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ちょっとひとやすみ
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▼久しぶりに、何だか力んで説教を書いた。たいてい物事は、力むと良い結果を生まないものだが、どうしても今週の説教は、力を抜いてさらっと書くことができなかった。「手塩にかけた」とまでは言わなくても、ほぼ2年付き合って、面倒を見た中学生が、晴れて堅信の秘跡を受けるからだ。
▼自分の年齢が45になっているせいか、中学2年生は自分の子どものように見える。言うことを聞くときも、言うことを聞かないときも、どちらであっても可愛いものだ。きついことはさせたくはないが、あとで困らないように言うべきことはきっちり言ってあげたい。本当のご両親の心配が少し分かる瞬間である。
▼わたしが小学6年生の時、中学生の先輩たちが3学年同時に堅信を受けた。ものすごく大人に見えた。当時の主任司祭が、「聖霊の賜物で輝いているのが見えるぞ」と言ったが、当時小学6年生の時は見えなかった。今なら、きっと見えると思う。
▼説教を心を込めて語り掛けるように書いてみたのはいつ以来だろう。思い出せない。もちろんいつでも語り掛けてはいるのだが、親が子に語り掛ける、兄や姉が妹や弟に語り掛けるように書いたのは、しばらくぶりではないだろうか。
▼もしかしたら、語り掛けを聞いた当の本人たちはどこ吹く風かも知れない。心に残ってくれれば幸いだが、1年50回の説教のうちの1回に過ぎないかも知れない。それでも、送り出すわたしは精一杯の気持ちで送り出したい。一生に一度の、消えない印、消えない記憶の晴れ舞台に。

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第168回目。可能なら、受堅者と代父母、保護者、大司教での集合写真。
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年間第32主日(マタイ25:1-13)自分の分の油を常に保つ

2011-11-06 | Weblog
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「今週の説教」
11/11/06(No.560)
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年間第32主日
(マタイ25:1-13)
自分の分の油を常に保つ
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年間の主日も、残り少なくなってきました。今週が年間第32主日、来週が年間第33主日、再来週の「王であるキリスト」で年間の主日も終わり、そのあとは待降節で新しい典礼の暦が始まります。

年間の主日が終わりに近づくと、この1年の信仰の面での歩みを振り返ることも考えておくとよいと思います。わたしは、待降節から始まった教会の1年の歩みを、どのように進めてきただろうか。何か目標をもっていた人は、目標を達成できただろうか。そういうことを、これから残りの2週、3週の間で考えてみましょう。

今週の福音朗読も、典礼暦が締めくくりに近づいているという見方で読むとき、見えてくるものがあると思います。今週は「十人のおとめ」のたとえですが、十人のおとめたちは花婿を迎えに出て行きます。おとめは十人、花婿は1人ですから、ここで言うおとめは、「教会」を指し、花婿は「イエス・キリスト」を指していると考えるべきです。

花婿の到着が遅れたために、十人のおとめたちは皆眠り込んでしまいました。教会が、イエス・キリストの到着を待ち切れずに眠り込むというのは、一心にイエス・キリストに心を向けていない姿です。

本来は、わき目も振らず、気を緩めることなく、イエス・キリストの到来を待ち望むべきですが、人間の弱さのために心が向いていないこともあるかもしれません。そのたびに花婿であるイエス・キリストはわたしたちのもとに来て、準備を促します。「花婿だ。迎えに出なさい。」(25・6)

ところが、十人のうち、五人は愚かで、五人は賢いおとめです。わたしたちも同じかもしれません。神の民の半分は準備が不足していて、半分は備えができている。確かにそうかもしれません。ともし火は、花婿であるイエス・キリストがここにいると、周りの人に知らせるものです。

人によってその中身は違っているわけですが、どんなときにも祈りをためらわないことは、イエス・キリストがここにいることを知らせる1つのともし火だと思います。また、服装や、態度や、話す言葉、何を大切に考えているかなども、イエス・キリストの現存を知らせるともし火になると思います。

こうしたともし火は、油を切らしてしまうといつか消えてしまいます。ともし火を絶やさないための「油」とは、いったい何なのでしょうか。答えを探す時、頭の中を探してはいけません。答えはいつも、朗読した聖書の中から探すべきです。そこで、もう一度油についておとめたちが何を語ったかを確かめましょう。

「賢いおとめたちは、それぞれのともし火と一緒に、壺に油を入れて持っていた。」(25・4)本来、ともし火を絶やさないために、常に油を用意していなければならないのです。油はまずは、常に身近に用意しておくべきもののようです。

愚かなおとめは、「油を分けてください。わたしたちのともし火は消えそうです。」(25・8)と賢いおとめにすがります。けれども賢いおとめたちは、「分けてあげるほどはありません。それより、店に行って、自分の分を買って来なさい。」(25・9)と答えました。油は、自分の分は自分で用意しなければならないこともここで分かります。

この2つの点を踏まえて、「油」は何を意味しているのでしょうか。油があって、ともし火となる。油があって、イエス・キリストを人々に知らせることができる。すると、油は、わたしたち1人1人の「善い行い」のことかもしれません。

わたしたちは、「善い行い」を常に身近に用意する必要があり、しかも、自分の分は自分で用意しなければならないということになります。愚かなおとめたちが店に行って自分の分を買いに行くというのは、「出かけて行って善い行いを実践して、それから戻ってくる」ということなのでしょう。

さて、「愚かなおとめたちが買いに行っている間に、花婿が到着して、用意のできている五人は、花婿と一緒に婚宴の席に入り、戸が閉められた」(25・10)とあります。

善い行いを常に実行している賢い人は、いざという時に用意ができていたので間に合いました。けれども善い行いを常に心がけていない愚かな人は、いざという時に間に合いません。

これは、年間の主日をもうすぐ終えるわたしたちに、あなたは善い行いを、常に身近に用意できていますか、あなたの善い行いをわたしに示してくれと言われたときに、賢いおとめのようにすぐに用意できますかと問いかけているのだと思います。

自分の分の油、イエス・キリストを周りの人に知らせる善い行いが、今年1年の信仰の歩みの中で身近にありましたかと、問いかけているのです。用意ができていないことに気付き、慌てて外に出て善い行いを実行し、それを持ち帰っても、間に合わないかもしれないのです。

そこで今週の福音の学びとして、「自分の分の油を常に保つ」ということを考えておきましょう。あなたが身近に用意している油が、周りの人にイエス・キリストを証しするともし火となります。油は、十分に用意しておく必要があります。

あなたに求められる証しは、ずっと長く続ける必要があるかもしれません。今年限り、とは限りません。ずっと、その油を使って、周囲の人に、場合によっては遠くにいる人に、ともし火を見せてあげるようお願いされるかもしれません。

花婿であるイエス・キリストの願いに、たとえ到着が遅れることがあっても応じることができるように、常に壺の中の油に注意を払いましょう。聖霊に、「わたしの壺の油をたえず満たしてください」と、ミサの中で願いましょう。

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‥次の説教は‥‥
年間第33主日
(マタイ25:14-30)
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ちょっとひとやすみ
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▼来週(日)午後2時から上五島地区の堅信式が行われる。大司教さまがおいでになり、おもに中学2年生を対象に、聖霊の恵みを願う式である。かつてはこの堅信式の準備に親も子も必死になり、堅信が受けられなかったら大変と、神経をすり減らしていたものだ。
▼その伝統は今でも少しは受け継がれていて、やはり堅信式を受けることは大切だという認識はあるようである。ただそれが、万難を排して、というものでなくなっていることも肌で感じる。かつていた任地では、うちの子は受けさせなくてもよいと告げられ、わたしが親を納得させて堅信を受けさせたこともある。
▼準備のための取り組みも、ずいぶん様変わりした。これまでは教会の教えを網羅した「公教要理」という手のひらに収まるほどの小さな本を丸暗記して、教会の教えを隅々まで学んだものである。確か400問くらいの問答集で、わたしもある程度は勉強した。
▼「ある程度」と言ったのは、2つ理由があって、1つは中学1年から神学校に入ったので、「公教要理」を暗記する必要がなくなったことと、要領がよかったので丸暗記はしなかったからだ。
▼小学6年、中学1年、中学2年が堅信の準備を3年かけて行うグループだったと思う。わたしは小学6年の時にこのグループで共に学んだ。学期ごとにいつも口頭試験があり、「秘跡とは何ですか」「秘跡にはいくつありますか」とか、学期中に習った部分を試験範囲にして、主任司祭が口頭試験をする。
▼ほとんどの生徒は、すべての試験範囲を完全に暗記して試験に臨んでいた。残念ながら暗記が苦手な子は、すべてを覚えることができず、さらに緊張のために頭が真っ白になって、試験をパスできない子もいた。彼らは補習を受けたり、場合によっては落第して一緒に堅信を受けられない子もいたらしい。
▼わたしは、その試験の会場で、質問される10問だけを必死に覚えてその場をいつも切り抜けていた。主任司祭の質問の傾向をうかがっていると、1人目には「1、11、21、31・・・」と質問をしており、念のため2人目も3人目も確認したが、「2、12、22、32・・・」「3、13、23、33・・・」と規則的に質問を当てている。
▼これはつまり、自分の順番を確認すれば、そこだけ覚えておけばよいということがわかり、慎重に自分の順番を確認し、35番目であれば、「5、15、25、35・・・」だけを10個覚えて試験に臨んだのである。もちろん、ほかの質問があてられたら1つも答えられないが、小学6年生時代の3回の試験とも、すべて満点で切り抜けた。
▼そんな記憶と、今の堅信を受ける子供たちとをどうしても比較してしまう。かつての学ばせ方も問題があったかもしれないが、今の子供たちには本当にどう教えてよいのかわからない。去年と今年でも違う。そんな中で、苦労して学び、祈り、ミサにあずかった子供たちが、5日(土)の晩にリハーサルをして、いよいよ13日(日)には堅信を受ける。

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新企画今週の1枚
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第167回目。キリシタン洞窟巡礼ミサが中止。わたしは別の行事に参加しました。
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