蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

武生  清雲堂

2008-05-14 22:26:36 | 蕎麦
武生は江戸初期の本多富正や、金子権左ヱ門の言い伝えもあるように、蕎麦との結びつきの深い街のようだ。私が福井の蕎麦の手引書とする「萬福 そば天国 ふくい」を見ても、街の中心部でも伝統のある蕎麦屋さんが、活き活きと営業されているようだ。


こちらは、旧武生市役所からすぐのお店。駅からも、ごく近い。お店の歴史は150年になるという。


お店に上がると、それなりに気迫あるご主人が注文を聞いてくれる。おろしそばを注文すると、低い声で誰にともなく「おろしそばね」と復唱された。
ごく短い時間待つと、調理場からミキサーの唸る音が聞こえてくる。これは、絞りたてのおろしに出会えそう、と期待するうちに、ささっと蕎麦が運ばれてくる。おお、確かにおろしは泡立ち、相当に辛味がきいていそうだ。鰹節の削り方も、豪勢だ。
まずは、蕎麦をもりのように、汁につけて食べてみる。おろしの辛み、出汁の風味、鰹節の旨み、蕎麦の口ざわり、どれも裏切らない。やはり越前おろしそばそのものだ。


ちょっと平打ちで、しなやかさのある蕎麦。また、これを迎える出汁が、まるで嫌味のない素直な味。
越前そばの本物に出会ったのはじつに去年だが、それ以来この味が忘れられない。