昨日は京都のF田弁護士の誘いで、京都弁護士会主催の第39回「憲法と人権を考える集い」=〈戦争の記憶 君へ伝える。君が伝える〉に出かけてきました。
会場はあの京都議定書が調印された京都サミットが行われた京都国際会館でした。初めて行く場所で、なかなかの貫禄ある会場でした。大阪の国際会議場とは風格が違います。
さて、第1部は益川敏秀さんの講演で「平和について 理論物理学者はかんがえる」。そのあとのインタビューとも併せて、ご自身の戦争体験から現在の平和を巡る状況まで幅広く話されました。
人柄がにじみ出るような訥々とした、時には脱線もしながらのお話はなかなか味のあるものでした。
「科学者だからといって平和主義者ではない。その人がどんな立場にあろうとも1人の生活者として平和の課題に向き合うことが大事」「来年から憲法改正の国民投票法が施行されるが、それが発議されないように圧倒的な9条改正反対の声を今、大いに広げていくことが必要」…などのお話が印象的でした。
また「朝日新聞に戦争体験を語ったことが紙面になり、こういった話をする機会が突然訪れるようになった」と笑いながら話されていましたが、ノーベル賞科学者がこのように平和のために、私たちと同じように語り行動するその姿は、どんなに多くの人々の励ましとなっていることだろうかと、これってすごいことなんじゃないかと思いました!
第2部は、京都の中高校生たちの沖縄体験レポートと沖縄で戦争体験を伝える活動をしている「はえばるYouth」という中高生たちのお話でした。
公募した学生たちなのでそれなりに平和について関心を持っている中高生たちでしたが、それでも沖縄体験はそれぞれの心に大きな何かを刻み込んだようで、そのことを率直に語る姿に希望を強く感じました。
ある男子は「家でお父さん、お母さんに沖縄のことを話したけど、『ふぅーん…』と言われたぐらいで余り反応がなくがっかりした。でも今日、この会場に2人がきてくれている。だからお父さん、お母さん、今度僕がこんな話をしたらお父さん、お母さんももっと話をしてください!」と発言、会場は爆笑と感動に包まれました。
また沖縄の中高生たちの話では、たとえば6月23日の沖縄戦記念日前後には沖縄の全小中校で沖縄戦についての学習やおじい、おばあの体験を聞く授業などが行われること、沖縄で戦争について知ることはごく普通のこと、でもだからといって日常的に平和や戦争のことについて会話をしているかというとそうでもない、普通の中高生たちがそこにいる、というような話もありました。
沖縄と本土の、たとえば基地問題に関する関心や意識の違いというのは、こういったことからもすでに始まっているように思いました。
3時間に及ぶ集いでしたが、最後に実行委員長をつとめたF田弁護士が挨拶、1100人という参加者を集めたこういう企画が実現できる京都の弁護士さんたちの力を感じました。