現在新たに準備中の本に関して、その著者の方から1冊の本を紹介してもらいました。
『誰もが幸せになる1日3時間しか働かない国』(マガジンハウス・2008年3月)というタイトルの本です。
実際、1日に3時間しか働かずに生活できる国なんてこの地球上には存在じないのですが、でもゆくゆくはそういう社会へと模索している国としては欧州のいくつかの国が当てはまるのではないかと思います。
とにかくガツンと感じるものがあり、我々日本人の生き方・暮らし方・考え方の発想転換を求めているようなそんな内容の本です。空想物語のように思えるかも知れませんが、その点は著者もかなり気を使って書いていて、個々の示している事柄についてはリアリティを持って読めました。
現代の日本の状況、そのこれからの行く末、そして私たち1人ひとりはどこへ向かうのか。昨日の『資本論』講演会のことと併せて、本当に人間らしい豊かな暮らしが出来る社会とはどんな社会なのか、ちょっと考えてみないといけないのではないかと強く思ったとても印象的な本でした。
資本主義社会が生まれて相当の時間がたちました。また8時間労働が叫ばれ始めてからもかなりの年月が経ちましたが、何ら変わっていないこの現状。労働時間なんて8時間どころかますます増えている、そんな現実もあるくらいです。
いったい、その間に作られた「富」はどこに消えたのだろうか。あるいはどこに蓄積されているのだろうか。それが人間の幸福のために注ぎ込まれてきたならば、もしかしたら「1日3時間しか働かない国」がこの日本で実現できていたかも知れないのでは、と思いました。