先日、野田駅で乗った環状線でのことです。
空いている席を探していると、3人掛の席に緑のジャージにブルーの制服スカート姿の2人の女子高生が通路を挟んで向き合って話をしていました。たまたまそこしか空いてなかったのでそのうちの1つの席に座りました。
本を読み始めたのですが、私の隣にいる女子高生が向かいの友達に話しかけている内容がちょっと気になってきました。
「ああ、やっとバイトの給料もらえるわあ。うれしい」
「これで携帯の料金払えるから、また使えるようになるわあ」
「うちのバイトなあ、有休があんねんやんか」
「何日やったかなあ、働いたら3日の有休があんねん」
「ふーん、アルバイトに有休ねえ」と私の頭の中はますます彼女の話が気になりはじめ、本に集中できません。
「で、この前有休もらおうとしたらなあ、上の人がなあ、葬式とかいうような時でないと認められへんって言うねんで」
「なんか変やろう?」
「そやから、せっかく使おうとしても使われへんから、困ってんねん」
うーん、どうやら私の頭の中は大阪のおばちゃん状態になったようです。ついに我慢しきれずに他人の話に割り込んでしまったのです。突然本を閉じた私は眼の辺りを中心に化粧を決めたその女子高生に向かって、
「なあ、何のバイトしてるん?」
と尋ねてしまいました。ちょっと驚いた風の彼女でしたが、
「テレアポのバイトです」
「そう。でもちゃんと有休があるのはなかなかしっかりた会社やん」
「ええ、うちの会社は割とそう言うことはきっちりしているみたいです」
「何の会社?」
「NTTの関連会社です」
「そうかあ。でも有休使うのに葬式なんかでないと使われへんなんておかしいわなあ」
「ああ、はい…」
「有休なんて自由にいつでも使えるんやから、そう言うたらええねんで」
「はい」
「でもバイト頑張ってるんやなあ」
そんな話をしていると電車は間もなく大阪駅に着きました。「がんばりや」と声をかけると彼女たちは私にニコッとうれしそうなお辞儀をして降りていったのでした。
がんばれ、女子高生!!