昨日は午後、西九条で開かれた「えん罪被害者が真相―なくそうえん罪、救おう無実の人々 関西市民集会」に参加した。えん罪被害者の救済にあたる関西各府県のの国民救援会などが呼び掛けたもので、8つの事件の被害者本人・家族が一同に会し、事件の真相を語るという初めての集会である。来春からの裁判員制度、取り調べの可視化問題などを背景に関心が高まるなか、400人以上の参加者で会場は満席、テレビ取材も入った。
2人の無罪が確定した「大阪地裁所長オヤジ狩り事件」や「高石小学校強制わいせつ事件」など現在審理中、再審請求中の被害者の語る事件の真相の数々は驚きである。ある日突然、何の関係もないのに刑事がやってきて無理やりに連れて行きそのまま警察署に「監禁」され、脅しと暴力にさらされ自白を強要される恐怖の実態に会場内は静まりかえり、あちこちに涙をぬぐう人たちの姿も見られた。語られる証言とビデオ上映で今の日本の警察・検察・司法制度では、取り調べ室の嘘と虚構の世界に引きずりこまれ犯人に仕立て上げられるということが誰の身にも起こりうるという現実が明らかにされた。決して他人事ではない現実の恐怖。
たまたま当番弁護士であったために「オヤジ狩り事件」を担当、被害者少年たちの「僕は何もしていない。無実だ。自白もしていない」という姿に励まされ何日も拘置所面会に通ったと語る弁護士、獄中生活29年間の後仮出獄し再審開始を求めて闘ってきた「布川事件」被害者の心を歌う歌手の野田淳子さん、鹿児島・志布志事件の「踏み字」被害者として各地で警察取り調べの可視化を訴えながらキャラバンを行っている川畑幸夫さんなども登壇、えん罪被害者の救済と支援を訴えた。
警察の取り調べマニュアルの一部。
嘘でもいいいからとにかく「自白」させろ――。