ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

らいん @岐阜県美濃加茂市

2015年10月21日 | 岐阜県(中濃)

岐阜県美濃加茂市の表玄関、美濃太田駅から少しのところにあるラーメン屋「中華そば らいん」。近くに「日本ライン」と称される風光明媚な川下りで有名な木曽川が流れているのでこの店名なのだろう(たぶん)。昨今のラーメン・ブームとは関係なしに、かなり前からある店だが、入るのは初めて。駐車場に車を停めて店に入ると、こういう店では珍しくカウンターもテーブル席も無く、小上がり席が6つだけ。メニューを見るまでもなく基本のラーメンを注文した。昼時とあって店には男性客ばかりだったが、ひとり客が多いので、4~6人掛けの小上がりでは効率が悪そう。混んできたら相席にするのかな。

しばらくして、かなり大きめの鉢に入ったラーメンが運ばれた。チャーシューは小さいのが2つ、それにカマボコ(メンマも沈んでいたかな・失念)。その他は刻んだ葱が山ほどかけられていて麺が見えないほど。ねぎラーメンと言っても差し支えないくらい。基本メニューでこんなに極端なのも珍しい。麺は細縮れ。スープは鶏ガラベースで”昔ながら”のと称するのが一番分かり易い醤油味。特筆すべきものは無いが、するすると食べやすく、安心していただける味だ。それでも葱が多過ぎるので、苦手な人はいるかも。他の客が食べていた炒飯も旨そうだったな。(勘定は¥600)

この後の記事はこちら

 

↓ 木曽川に架かる逆読みのプレートが渋い「太田橋」(大正15年・1926・建造)。ワーレントラスという構造なのだそうだ。

 

 

中華そば らいん

岐阜県美濃加茂市太田町1831-5

( 美濃加茂市 美濃加茂 みのかも 美濃太田 みのおおた ライン 中華そば ライン下り 日本ライン )

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Freedom : Atlanta Pop Festival / Jimi Hendrix Experience

2015年10月20日 | クラシック・ロック

Freedom : Atlanta Pop Festival / Jimi Hendrix Experience (2015)

今年になって発売されたジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス(Jimi Hendrix Experience)の1970年のアトランタ・ポップ・フェスティヴァル公演を収録したCD。過去には悪名高きアラン・ダグラス制作時代に映像(下左:VHS)が発表され、その後は「Stages」というCDボックス・セットの中の1枚(下右)として発表されていた音源。

 

映像はVHSで所有しているが、暗い画面と混沌としたステージ上で、しかめっ面で時々後ろを振り返り、スタッフに注文をつけているジミの姿ばかりが印象に残り、音楽的にはあまりしっかり心に残らないものだった(それでも当時としては貴重な音源だったのでカセットテープに起こして愛聴したが)。ボックス・セットの1枚としてCDが発表された時も部分収録で、特に目新しい発見は無かったと記憶する。近年ジミの親族に正式に版権が移り、長年の粗製乱造のリリースが整理されるかと思いきや、結局元マネージャー・サイドからの音源等が乱発され、今もってスッキリとしないジミの遺産。なぜ今の段階になってアトランタなのか分からないが、本当に完全版かどうか疑問が残るものの、2枚組の尺で発表されたのは素直にうれしい。

音はずいぶんスッキリとリマスターされているが、マスターの欠損部分については他音源での継ぎ接ぎがあるとの事。以前ならそういう細かいところにも気になっていたが、今は流れさえ改変されていなければあまり気にならなくなった(大人になったなァ)。映像版が今後発表されるのかどうかは知らないが、この音源に関してはやはり映像が無くて正解。明らかに調子の上がらないジミのイライラとした姿を見ずに音だけ聴いていると、絶頂期の勢いこそないものの、十分に楽しめるクオリティだ。当時のフェスなんてステージ上の環境は今と違って無茶苦茶だったろうし、短い活動期間の中でライヴと膨大なレコーディングを繰り返していたジミの疲労度を考えると、やはり超人的と言える。普通なら十分にすごいが、ジミとしたら少々マンネリ化したとも捉えられかねない演奏かも。でもエクスペリエンスとしての衝撃デビューからたった3年なのだ。その活動の濃密さたるや驚愕もの。今のアーティストなんてアルバム1枚作ったら3年以上休むこともあるからね。

この数か月後に亡くなったため、どうしても精彩を欠いた最期の輝きなんて捉えてしまいそうになる。もし彼が27歳という若さで亡くならず、現役活動を続けていたらどういう音楽、どういうライヴをやっていたんだろうと、つい想像してしまう。ところで、この最後の時期ってバンド名を「Experience」と名乗っていたんだっけ?(ステージ上では「Public Saxophone」なんて適当な事を言ってますが…)。それとも「The」が付いていないからバンド名としての扱いじゃないのか。

amazonにて購入(¥1,685)

  • CD (2015/8/28)
  • Disc : 2
  • Format: CD, Import
  • Label : Sony Legacy
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洋食ダチェス @愛知県江南市

2015年10月19日 | 愛知県(尾張)

愛知県江南市の郊外の道路沿いにある「洋食ダチェス」。平成17年(2005)創業というが、店舗はまだ新しい様子で、整備された駐車場もたっぷり。自分は知らなかったが、以前は一宮市に店があったのだそうだ。お洒落な外装の店に入ると、中は梁が見えて天井が高い。店内は老若男女の客がたくさん居て、少々うるさいくらいにぎやかだった。人気あるんだなァ。料理に目当てがあった訳ではないので、メニューを眺めて考える。結局、先頭に載っていた「オリジナルハンバーグ」を注文した。セットにするとサラダやスープ、デザートが付くようだったが単品にしておき、ライスかパンが選べたのでライスをお願いした。普段はあまりハンバーグを頼むことは無いが、なんだかそんな気分だったんだろう。

すぐに金属製の箸やナイフ、フォークなどが入った籠が用意され、しばらくたってからハンバーグと平皿に入れられたライスが運ばれた。ハンバーグは周りに薄くパン粉がまぶしてある。かといってメンチカツと呼ぶ程の衣ではない。サイズはごく普通。ナイフを入れるとブワッとお皿中に肉汁が溢れ出た。周りのパン粉で肉汁を逃さないよう工夫しているのかな。デミグラスソースは少な目。からしが添えられているのも珍しい。もちろんハンバーグとライスはぴったりで、一緒に食べ進むとご飯が足りなくなってきた。予定にはなかったが、お代わり可というので、ついもう一杯ライスをもらってしまった。溢れ出た肉汁を回収する術が無いが、つけ合わせのマカロニサラダやブロッコリーと共に、美味しくいただいた。

最近、ハンバーグと言うと、ナイフを入れて肉汁が溢れ出すっていうのが定番というか、美味しいハンバーグの指針みたいになっているけれど、個人的にはもう少しひき肉に噛み応えあって、肉の旨みを味わえる素朴なタイプが好き。横に座っていた人が頼んでいたカニクリームコロッケも旨そうだったから、次はそちらも試してみよう。(勘定は¥990)

洋食ダチェス

愛知県江南市松竹町切野108

( 江南 江南市 洋食 ダチェス ハンバーグ オリジナルハンバーグ カニクリームコロッケ 一宮市 移転 )

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たこ八 @名古屋市千種区・覚王山 (※閉店)

2015年10月18日 | 名古屋(千種区・守山区 老舗)

名古屋は覚王山、日泰寺の参道に店を構える創業昭和25年(1950)の老舗大衆食堂「たこ八」へ行ってみた。覚王山と言えばなぜかエスニック関係のお店や、紅茶の店が集まる面白いところ。ちなみに日泰寺は日本で唯一いずれの宗派にも属さない全仏教徒のためのお寺なんだとか。日曜日の参道は散歩をする人も多く、いい具合に賑わっていた。店の前まで来て暖簾越しに覗いてみると…、なんとほぼ満員。人気あるんだなァ。カウンターの一番手前だけ空いていたのでそこに座らせてもらった。店内はカウンターとテーブル席だが、老夫婦から小さい子供を連れた親子までさまざま。早くもビールを開けているひとり客も居る。厨房内には調理担当の主人と若いの、そして揚げ担当の女将さんという面子。給仕は数人のおばちゃん達で、皆てきぱきと動いている。「どて」など色んなものがあるが、やはり串かつを頼んでいる人が多い。自分も串かつの定食を注文。味噌かソース、そして珍しくカレーの内どれかを選んでかけてもらうことが出来る。串かつでカレーって珍しいのでカレーをお願いした。

次から次へと入る注文をこなす厨房は大忙し。それでも出来上がった品から小気味良くカウンターに置かれ、給仕のおばちゃんに預けられていく。こういう所作を眺めながらカウンターでボーっとしているのは楽しいもの(ホントはビールか何か片手にあるとなお良いが)。しばらくして自分の分の串かつ定食が出来上がった。串かつのサイドには千切りキャベツとマカロニサラダ。それにご飯と味噌汁、たくあんという一揃い。串かつはきれいに揚がっていて、上からカレーがかけられている。玉ねぎの断片やらも見えるカレーで、色は黄色味の強い昔ながらのもの。食べてみると辛さはちゃんとあって旨い。もちろん口の中でカツカレーの出来上がり。ご飯に合わない訳がない。かつの数は5本。細身だけにあっと言う間に無くなってしまう量だが、旨かった。これ、カレーと味噌とか、組み合わせて注文出来るともっとうれしいけれど、出来るのかな?(勘定は¥700)

※残念ながら2017年5月を以って閉店されました

串かつ たこ八

愛知県名古屋市千種区山門町2-53

 

( 覚王山 かくおうざん 日泰寺 たこはち 多古八 たこ八食堂 串カツ 大衆食堂 閉店 廃業 )

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大勝軒 (2) @岐阜県岐阜市

2015年10月17日 | 岐阜県(岐阜)

故・山岸一雄氏の創業した「東池袋大勝軒」。誰にでもレシピを公開し、かかってきたら電話でも指導したという山岸氏だけに薫陶を受けた弟子も多く、その味をそのまま受け継いでいるかどうかは別として、全国に大勝軒の名前を使う店、使わない店、それぞれが数多く存在する。そんなラーメン界の一大勢力で、氏の遺志を継いだと思われていた大勝軒の弟子筋が、氏の死後半年もしないうちにお家騒動を起こすとは…。人が3人集まると派閥が出来るとは言うが…。

ま、そんな「きな臭い」話は別として、久しぶりに岐阜の「大勝軒」を訪れてみた(訪問は騒動のずっと前です)。正確に言うと何度も訪れているのだが、なぜかいつも定休日を忘れて店の前まで来てしまったり、店の終わる頃に着いてしまったりと、何回も入れないでいた(それだけ食べたくなる時があるということだけど)。この日は開店して少し経った時間帯で一番混んでいる頃かと思われたが、店前の駐車場には幸運にも空きがあり、待ちも無く、店に入ってもすぐにカウンターに座る事が出来た。すぐに「もりチャーシュー」を注文。もり(=もりそば)はいわゆるつけ麺のこと。自分は亡き氏がその手で作った中華そばやもりそばは食べたことが無いが、この岐阜店はわりと本家の味を忠実に再現しているというような話も聞く(実際のところどうなのかは知りません)。

若い店主はいつものようにマイペースで調理を進める。調理は主人ひとり。盛り付けの手伝いと給仕を女性店員2人が行っている。スープは一杯づつ小鍋で温め直し、麺は大鍋で複数人分を一度に茹でる。調理に時間がかかるのが普通のこの店では珍しく、さほど待つ事無く「もりチャーシュー」が置かれた。チャーシューはモモの部分とバラの部分の部位の違う2種類。分厚く大きくて、最近流行りのトロトロのものではなく、しっかり噛む楽しみと肉の味があるもの。やっぱり肉はせめてこのくらいの噛み応えがないとね。亡き氏と同様に「わざと」水切りをしっかりしていない麺は、のど越しの良いキレの良さと、いわゆる讃岐うどん的ではないコシがあるもので、相変わらず旨い。つけ汁は前よりも肉系の味が強くなったと聞いていたが、この日のものは、自分の感覚では前とそう変わらず、魚介系と肉系の出汁が上手く合わさった、風味の良いものだった。するすると食べ進み、途中でチャーシューにかぶりつく。相変わらず旨い。大きな丼ぶりに盛られた麺量はかなり多いが、あっという間に胃の中に落ちていった。(勘定は¥900)

前回の記事はこちら

大勝軒

岐阜県岐阜市茜部菱野3-50 サワダコーポラスA-3

( 岐阜 岐阜市 岐阜大勝軒 大勝軒岐阜店 たいしょうけん 山岸一雄 大勝軒のれん会 味と心を守る会 神保町大勝軒 )

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Before And After Science / Brian Eno

2015年10月16日 | パンク・ニューウェーヴ

 

Before And After Science / Brian Eno (1977)

ブライアン・イーノ(Brian Eno)1977年の作品。1977年と言えば、イーノは共作やプロデュースでトーキング・ヘッズ(Talking Heads)の連中やデイヴィッド・ボウイ(David Bowie)と関わっていた時期。音を聴いてみてもニュー・ウェーヴっぽさが満点だし、歌声を聴いてみても、心なしかデイヴィッド・バーン(David Byrne)そっくりに聴こえるところもある。こういったコマーシャリズムから少し離れたアーティスティックな音楽が、だんだんとメインストリームを侵食し、第2期ブリティッシュ・インヴェイジョンを含むMTV世代に繋がっていくことになる。自分はちょうどその頃に多感な(笑)小学生だったので、モロにその影響を受けたと思う。ただ当然、当時はそれとは知らずに聴いていたのでイーノらの存在を知るのはもうちょっと後だったが。

アルバム前半ははそんな空気いっぱいの曲が多く思い切りポップだが、その後はだんだんと、ある意味イーノらしい静かなアンビエントな雰囲気に落ちていく。アナログ・レコードだともっとはっきりと空気が割れただろう。でも必ず「歌」があるのがこのアルバムの特徴。クレジットを見ると、フィル・マンザネラ(Phil Manzanera)、ロバート・フリップ(Robert Fripp)、フィル・コリンズ(Phil Collins)など、なるほどといった豪華なプログレ系アーティストの名が並ぶが、意外にもヘッズの連中は誰もクレジットされていない。やることなすことかっこよかった才気溢れるイーノの傑作。

ブックオフにて購入(¥250)

  • CD
  • Disc : 1
  • Format: Import
  • Label : Eg

 

( デビッド・バーン デビッド・ボウイ ロキシーミュージック キングクリムゾン ジェネシス ブランドX )

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錦秋名古屋顔見世「俊寛」「太刀盗人」「浮世柄比翼稲妻」 @名古屋・日本特殊陶業市民会館

2015年10月15日 | 歌舞伎・文楽

歌舞伎「錦秋名古屋顔見世」(10月13日・名古屋・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール)

 恒例の歌舞伎観劇。錦秋名古屋顔見世を観るため金山(かなやま)へ。以前、関東の友人をして「名古屋の暑さは何だか特別」と言わしめた気候も、めっきり涼しくなって本当に過ごし易くなった。15時30分開演、終了は20時という夜の部なので途中でお腹が空くかもと、近くで持ち込みの軽食とお茶を購入してホール内へ。連休明けということもあるのだろうか、少し寂しい客の入り。人間国宝の吉右衛門や紫綬褒章の芝雀(来春五代目雀右衛門襲名予定)が出るとはいうものの、いわゆる若手の人気筋が出ないのも影響しているのだろうか。

まずは有名な演目「平家女護島・俊寛」。吉右衛門が俊寛を演じる。島流しにあった俊寛らの御赦免での心情を描く。前半少し冗長な感じを受けたが、終盤に向けては必要な前ふりなんだろう。歴史民俗に疎いので、かの時代の島流しというのが実際にどんなだったかは知らないが、極限の状態だけに、俊寛らの狂気みなぎる感情の起伏が見もの。島と大海原、そして迎えの船など、歌舞伎らしい大胆なセットが楽しい。義太夫節の迫力も満点。千鳥に新婚の初々しさは無かったが(笑)。

「太刀盗人」は松羽目物(まつはめもの)。能や狂言のように松の木が描かれた舞台で演じられる。何も考えずに笑うことが出来る演目。愛嬌のある又五郎の仕草が楽しい。

「浮世柄比翼稲妻」は色男の名古屋山三(※人名です)を錦之助が演じる。しゅっとした顔立ちではまり役。劇中では花魁・葛城太夫の見事な衣装と、従者など周辺の風俗が見もの。こういう時代が本当にあったなんて信じられない。笑わせどころもあって、なかなか盛り沢山な内容の話だった。芝雀が女性3役を演じ分ける。それぞれ雰囲気の違う女性だがちょっとエロチックな場面もあり、その演技力というか、存在感を感じさせる。所作が美しいなァ。三段とも出ずっぱりの錦之助と又五郎が大活躍。特に又五郎は悪者役、ひょうきんな役、豪胆な役、どれも見応えがあった。

この日は播磨屋(中村一門)と京屋(芝雀)の共演。派手さは無いが味のある役者ばかり。歌舞伎役者の名前と顔(特に素顔)って、いまだに全然一致しないが、テレビで活躍して誰もが知る役者以外にも、まだまだ面白そうな人がいっぱい居て興味が尽きない。

 

平家女護島

一、俊寛(しゅんかん)

俊寛僧都     吉右衛門
海女千鳥     芝 雀
丹波少将成経   錦之助
平判官康頼    歌 昇
瀬尾太郎兼康   又五郎
丹左衛門尉基康  歌 六


二、太刀盗人(たちぬすびと)

すっぱの九郎兵衛  又五郎
従者藤内      種之助
目代丁字左衛門   吉之助
田舎者万兵衛    錦之助


三、浮世柄比翼稲妻(うきよづかひよくのいなづま)

山三浪宅
鞘当

名古屋山三         錦之助
傾城葛城/お国/茶屋女房  芝 雀
浮世又平          橘三郎
不破伴左衛門        又五郎 

( 金山 名古屋市民会館 御園座 中村吉右衛門 中村芝雀 中村歌六 中村錦之助 中村又五郎 播磨屋 はりまや 京屋 )
  

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角丸 @岐阜県関市

2015年10月14日 | 岐阜県(中濃・老舗)

刃物産業で有名な岐阜県関市。近年は鰻(うなぎ)の店の評判が伝わり、遠く離れた県からも鰻を目当てに客が集まっている。当然休日ともなると大行列が出来るような人気店もあるが、なかなか長時間並ぼうとは思わない。関市は刀鍛冶に代表される職人の町なので、体力をつけるために鰻が好まれたという話や、寺社が多く、参拝の「ハレ」の日に御馳走を食べる習慣から好まれたという話を聞いたことがある。そういえば同じように炎を使う陶器の町、多治見や土岐、それに瀬戸でも鰻屋が人気じゃなかったか。この日は鎌倉時代の伽藍配置が残る「新長谷寺(吉田観音)」(※名刹だが禁止看板が多くて萎える)の参道に店がある「角丸(かくまる)」に家族で訪問した。大店で、創業は明治7年(1874)というから、同じ関市では老舗「辻屋」に次ぐぐらいの歴史がある。昔の人も参拝がてら、こちらに寄って鰻を食べたんだろうな。いつもなら並ぶようなことはほとんどないと思うが、この日は連休の夕方とあって早い時間から客も多く、珍しく少し待ちが出るほどの盛況ぶりだった。こちらの焼きはもちろん炭焼きで、入口横の格子から調理を覗き見ることが出来る。少し待って、多人数だったこともあって2階の座敷に案内された。

広い座敷は宴会などにも使われるようで、うちの家族で使うだけだとちょっと広過ぎて申し訳ない(もちろん多人数だったのでこういう広間のある店を選んだのだけれど)。いつもなら並だが、ちょっと豪勢にそれぞれ上鰻丼と、骨の唐揚げ、そしてビールを注文した。階下は満員なので待つ時間が長くなるのは承知済み。香ばしい鰻の骨とビールで喉を潤す。しばらく待って丼ぶりが運ばれた。肝吸いと香の物(守口漬と胡瓜)が付く。上と並の違いはたぶん鰻の枚数。こんがりと焼き上がった鰻が5切れ載っている。食べ進むと中にも1切れ(これがウレシイ)。東海地方は基本的に関西風の蒸さない焼き方。たれは濃いめで甘辛い(ただ実際に関西へ行って鰻をいただいた事は無いので、実際のところ、鰻丼として似たものなのか、違うのかは知らない)。焼きは上々、ご飯の炊き具合も、たれとのバランスも良く、美味しくいただいた。ヴォリュームも十分。他の人気店と比べると客は少ないと思うが、こちらはこちらで旨いなァ。普段なら並ぶこともないし(1時間以上待ちとか、辛いよね…)、大勢でも入ることが出来るし、使い勝手がとてもいい店だ。(勘定は¥2,750/上鰻丼)

この後の記事はこちらこちら

 

角丸 (かくまる)

岐阜県関市東門前町21

( 関 関市 うなぎ うなぎ丼 うな丼 うなどん しげ吉 辻屋 みよし亭 孫六 )

 

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大甚本店 (4) @名古屋市中区・伏見

2015年10月13日 | 名古屋(中区 老舗)

昼はとうに過ぎ、夕方というにはまだ早い夏の終わりの平日午後4時ごろ、まだみなさんしっかり働いているこんな時間に名古屋の伏見に居たら何をするか? 答えは一択、明治40年(1907)の創業の「大甚本店」へ(笑)。夏の終わりで、まだ残暑厳しかったある日の訪問。店の前まで来ると結構な人数の待ちがでていた。ただ居酒屋に並ぶのもみっともないので、遠巻きにして待つ(そんな人が付近に何人も・笑)。すぐに店が開けられ中へ。空いていればいつも座る「突き当たり」の席も、この日は埋まっていたので、入口近くのお燗番の女将さんのすぐ前の席に座り、暑かったので燗ではなく、冷や(常温)をもらう。

酒が用意されたらすぐに立って、惣菜の並ぶ台へ。まずこの日いただいたのは「酢さば(締めさば)」。あれもこれも皿を取って自分の前に並べるのはみっともないので、まずこれだけ。刻み生姜がのせられていて、やや強めの締め加減。暑い日には堪らなく旨い。これを賀茂鶴の特製樽酒でやっつける。周りを見回すと相変わらずひとり客が多いが、旅行者だろうか、結構な人数で予約を入れてきている人も多い。1階は予約でまだ埋まっていない席を除いてすぐに満席になり、後から入って来た人は2階へ案内されている。予約の人こそ2階へ入れちゃえばいいのに(なんて言うと2階を任されている息子さんに怒られるか)。

次に取ってきたのは殻付きの「蝦蛄(しゃこ)」。生姜の効いた甘酢でいただく。この皿を取ってきた途端に、主人がサッとお手拭きを置いてくれる。よく見てるなァ。こういう主人の隙のない所作を見るのが楽しい。季節は外れていて小さいが、とても調子のいい蝦蛄で、これまた旨かった。蝦蛄の水揚げ量が日本一なのは愛知県なんだってね。この日はこれで十分。20分程の滞在で、一番に勘定をお願いすると、主人が大きなソロバンをパチパチとやって値段を教えてくれる。通りのいい声で「暑いで気をつけて帰ってよ!」と声を掛けてもらい、店を出るとまだまだ強い日差しが…。(勘定は¥1,500程)

以前の記事はこちら  (1)(2)(3

この後の記事はこちら (5)(6)(7)(8)(9

 

大甚本店

愛知県名古屋市中区栄1-5-6

 

( 伏見 ふしみ 大甚 だいじん だいじんほんてん 老舗 居酒屋 太田和彦 吉田類 )

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名取天婦羅店 @岐阜県下呂市 (※閉店)

2015年10月12日 | 岐阜県(飛騨)

飛騨街道の古い街並みが少しだけ残っている岐阜県下呂市金山(かなやま)町。以前は下呂市ではなく益田(ました)郡金山町だった。宿場町(金山宿)だったこともあって、歴史ある古い街の名残りがある。初めてゆっくりと歩いてみたが、通りの建物の間に人がやっと1人通れるくらいの細い通路がいくつかある。もちろん、ひとんちの敷地だと思って通らなかったのだが、帰った後に調べてみると、この路地は地元の人が共有する生活道で「筋骨(きんこつ)」と呼ばれているのだそうだ(ただ、ここ出身の知人にその事を訊いたら「筋骨」なんていう名前は最近まで知らずに歩いていたそうだ・笑)。もちろん誰が通っても構わないとのこと。本当に民家と民家の間のとても狭い通路なのでなかなか通る勇気は無いが。

日曜日の午後とあって閑散とはしていたが、そんな風情ある通りを歩いていると、何ともいい雰囲気の小売り天ぷら屋の赤い看板が見えてきた。名前は「名取天婦羅店」。店先にはガラスケースがあり、大皿の上に揚がった天ぷらやフライが載せられていた。ドーナツもある。「コロッケのうまい店」と路上看板にあったので、引き戸を開けて中の土間に入り奥に向かって声を掛けると、主人が出てきたのでコロッケをひとつお願いした。小さな紙の袋に入れてくれたコロッケを手に取り、行儀が悪いが歩きながらいただく。衣は細かいタイプで、ひき肉の入ったもの。揚げてから少し時間は経ってしまっていたが、パクパクとあっという間に胃の中へ。この店でいろいろ揚げ物を買って持ち帰って、家で一杯やりたいな。(勘定は¥100)

※平成29年6月を以って閉店されました

 

↓ 通りを歩いていくと、何とも素敵な木造2階建の銭湯が。残念ながら十数年前までに廃業済みらしく、営業はしていないが、中がそのまま残っていて見学出来るのだそうだ。

 

↓ 新しい医院の横に古い洋館が残る「大船渡医院」(詳細不明)と、ダムの町・金山の「大船渡水力発電所」(昭和4年・1929・建造)。

 

↓ JR「飛騨金山駅」(昭和3年・1928・建造)。沿線の旧・国鉄駅はどれも戦前に造られていて、屋根は吹き替えられているがしっかり現存している。

 

名取天婦羅店

岐阜県下呂市金山町金山2229

( 下呂 げろ 下呂市 かなやま 金山町 天ぷら 天婦羅 天麩羅 テンプラ なとり 筋骨 きんこつ 路地裏 赤道 あかみち )

 

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