ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

大甚本店 (5) @名古屋市中区・伏見

2020年10月21日 | 名古屋(中区 老舗)

芝居がはねた後、高齢の母を連れて創業明治40年(1907)の名古屋を代表する酒場「大甚本店」へ。母ぐらいの年齢の女性は1人だけで酒場へ行くことはなかったろうし、亡くなった父も自分のように呑み歩くような人ではなかったので、初めてこういう酒場に入るのだという(←酒は好き)。コロナ以前は激混みで、大きなスーツケースを持った人がなだれ込んで来たり、予約済みのグループ客が多くなったりして随分足が遠のいていたが、入れるだろうかと危惧しながら覗くと店内は充分に席が空いている状態。6時過ぎと遅かったが土曜の夜、さすがの大甚もコロナ禍とあっては始終満席とはいかないのだろうか(近くの中店も休業していた…)。こちらとしては願ったり叶ったり(混んでいたら席が空いていても避けようと思っていた)。

奥の板場の前の席に案内され、ウキウキの母を座らせる。まずは「酒の大きいのを”どん燗”(ぬる燗)で。」とお願いした。つまみは任せると言われたので向かいのケースから「鯛の刺身」、いつもの平台に行って「山芋の短冊」を取って来た。すぐに運ばれた徳利(賀茂鶴特級酒)を手に取って母の銚子に注ぎ、乾杯。ふっと鼻腔に樽の香りが広がる。この日、お燗番の女将さんの姿が見えなかったがどうしたのだろう…。刺身はしっかりとした切り付けで、皮も添えてあるし盛り付けも良い。前から居たか知らないが若い板さんなかなかやるナ。母はこんな質素なつまみでも「美味しい美味しい」と喜んでいる。こういう雰囲気の店で呑んでいるっていう気分がイイんだろう。客数に比して平台の惣菜の皿が数少ないのはもう大勢の客が去っていった後なんだろうな。

こちらの店の女性給仕はあちらの子達ばかりだが、黒板の品書きを以って「コレモ注文デキマスヨー。」とやっている。品を読むと「サーモンステーキ」「カキグラタン」「ゴーヤチャンプルー」「明治の牛鍋」なんていう物も。こんなの前あったっけ?。今度頼んでみようかな。自分達のテーブル向かい側に女性1人客が相席で座った。飲物が載っているラミネートが衝立代わり。母は「女の子1人でこんな店に来られるなんてイイねー。」と感心していた。確かに戦前生まれの女性はそうはいかなかったろう(笑)。ここに腰を落ち着けるつもりは無かったので「えいひれ」を追加したくらいで勘定してもらう。ソロバンを弾くのはメガネの主人ではなく息子さんの方。さあ、次はどんな店に行ってみたい?と引き続き老母を連れ回す(←ホテルへ帰って休みたいだろうに…笑)。(勘定は¥2,500程)

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大甚本店

愛知県名古屋市中区栄1-5-6

 

( 名古屋 なごや 伏見 ふしみ 大甚 だいじん だいじんほんてん 老舗 居酒屋 酒場 御園座 太田和彦 吉田類 )


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2 コメント

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Unknown (hal9000se(RLR))
2020-10-21 21:42:08
女性給仕にお燗番。
今どきなかなか聞けない言葉ですね。

酔眼では申し訳ないようなステキな文章でした。
私もハリーさんを見習って市場にお義母さんを連れて行こうかしらん!?
もっとも私のお母さんはお酒が飲めませんし、朝酒なんて言ったら卒倒しそうな昭和の母ですが…。

ともあれ大甚さんも空いてますか!私行ったことがないので、行ってみようかな!?
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Unknown (ハリー)
2020-10-22 06:45:50
hal9000se(RLR)さん、こんにちは。

>市場にお義母さんを連れて

市場を見て廻ってお孫さん共々魚源食堂さんコースだったらお義母様もきっと
大喜びですよ!

>大甚

私も久しぶりに覗いたので現在もどうかは分かりませんが土曜日だったというのも
あったかもしれませんね。
私も以前は普通にサッと入って呑めたのでコロナ前が異常だったんでしょうね。
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