ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

アラビヤ珈琲店 @大阪市中央区・難波

2015年10月02日 | 大阪府

長々と書き連ねてきた神戸・大阪の記事も今のところこれが最後。短期間でよく周ったなァ。大阪では都合のいいレンタサイクルの店が見つけられなかったので、近代建築散策は徒歩移動ばかり。まだ暑い時期だったので少々大変だった。でも今はスマホがあるおかげで位置検索は本当に楽になった(といっても自分のスマホの現在地表示はいまいち調子が良くなく、幾度となく迷わされたけど)。 

難波の法善寺横丁の手前にある「アラビヤ珈琲店」でひと休み。創業は昭和26年(1951)という歴史ある店。間口は広くないが奥に長い。「世界のコーヒー」と書かれた表の丸い照明看板が素敵だ。カウンターを横切り、奥のテーブル席に座る。店の中には珈琲の道具や、様々な置物に混じって、野球にまつわる品々がたくさん飾られている。メジャー・リーグのものもあって、ご高齢の女性があのリプケンと一緒に写っている写真もあった。店に居たときには全然知らなかったのだが、帰ってから店のHPを見てビックリ。お姿は拝見出来なかったが、こちらの奥様は戦後すぐに短期間だけ存在した元日本女子プロ野球選手の第1号(チーム名:大阪ダイヤモンド)だったそうだ。すごい。

カウンターの中に居るのは主人とその娘さんだろうか。カウンターの前にはベビーカーが置かれていて、まだ小さい子が眠っていた。給仕の女性店員さんにブレンド・コーヒーを注文。和やかな店内を眺めながら待っていると、カウンターに並ぶ鉄製の足掛けがついた特注だろう木製スツールや、カウンター下の鞄掛け用金具など、大切に使われてきただろうものが目に入る。ちょうど昔ながらの氷屋さんが氷の納品にやって来た。ずっと続いた関係なんだろうなァ。しばらくして「ARABIYA」「1951」の文字と、ターバンを巻いた男性のイラストが入った白いカップでコーヒーが運ばれた。香り良く、酸味も苦味もほどほどでバランスがいい。落ち着いた素晴らしい雰囲気の中で飲むコーヒー。小奇麗なチェーン店には出せないいぶし銀の味だ。(勘定は¥450)

 

 

 大阪近代建築散歩その10 (その1その2その3その4その5その6その7その8その9)。

↓ 「武田道修町ビル(旧・武田長兵衛商店本店)」(昭和3年・1928年・建造)。あの「武田薬品」の元本社ビル。全面タイル貼りで、低層階が元の建物なんだとか。

↓ 「ルポンドシエルビル(旧・大林組本店)」(大正15年・1926・建造)現在は系列のフレンチ・レストランなどが入る。右は同じ通りに建つユニークな形の「福原ビル」(昭和5年・1930・建造)。

 

 

アラビヤ珈琲店

大阪市中央区難波1-6-7

( 難波 なんば 法善寺横丁 アラビヤコーヒー アラビア珈琲 女子プロ野球 坂峰子 坂東三津五郎 どしょうまち )

コメント
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