ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

まるはち食堂 @岐阜県下呂市

2015年10月05日 | 岐阜県(飛騨)

岐阜県の飛騨地方南部や奥美濃地方を中心とする郷土料理と言えば「鶏(けい)ちゃん」。広まったのは一般に販売されるようになった戦後かららしいが、最近は東海地方のスーパーだったらパック売りされているのもが簡単に手に入るほどメジャーになってきている。要は下味(にんにくが効いた醤油、味噌など)をつけた鶏肉で、キャベツや玉ねぎなどの野菜と一緒に鉄板で炒めるだけの簡単な料理。ちょっと前までは、一部の精肉屋さんや焼肉屋さんが自家製で漬けていたものを売っていたくらいで、スーパーに並ぶことはなかったような気がする。(全てがそうかは知らないが)若鶏ではなく親鶏の肉を使っているんだとか。他の名物料理と同様に発祥については諸説あるが、その中のひとつとされる「まるはち食堂」にバイクで訪れてみた。

店は幹線道路に面しておらず、道中に案内もないので通り過ぎたりして、やっとのどかな集落の中に店を発見。田舎の集落の中で、この店の前だけには車がずらりと停まっており、店の裏側にもバイクがたくさん停まっている。そう、場所がドライブ・コース脇だけにライダー集団の昼食兼休憩場所になっているのだ。バイクで来ている自分が言うのもなんだが、経験上バイクの集団は休憩時間込みだし、しゃべってばかりいるから回転が悪いこと甚だしい。イヤーな予感がしつつ、店の中へ。店の中は思いのほか一杯ではなく、座敷も土間のテーブル席も空きが多い。それでも待ちがあるとの事でリストに名前を記し待った。そのうちに後から来たライダーの大集団が店内へ。なんと「予約済」だそうで、座敷へ案内されている。こんな田舎の店でも予約か…。まぁー、それから待った、待った。厨房では女性店員3名と男性1人がフル回転だが、席が空いているのは、用意が追いつかないからなのだ。普通ならあきらめて店を変えるところだが、生憎この付近で「鶏ちゃん」を食べられる他の店はかなり離れているし、そこに入れる保証もない。それどころかこの田舎道に他の飲食店があるのかも分からない。仕方なく、店に充満するいい匂いだけ嗅ぎつつ、立ったまま待って、待って…。休日の昼に訪問する場合には注意が必要かも。小さい子供はもちろん、季節によってはお年寄りも辛いだろう(屋外に待つスペースはありますが)。

案の上、ライダーの皆さんは食べ終わっても話に夢中。その段になって追加注文したりするもんだから、長い。彼らに限らず、みな食べ進むうちにご飯のお代わり(たれの味が濃いからね)をしたり、肉の追加や、持ち帰り肉の注文など、どうしても回転は悪くなる。そんなこんなで、やっと席が用意されて座ることが出来た。その待ち時間たるや人気ラーメン店の比じゃなかったです(自分の運が悪いだけかな)。目の前にカセットコンロと中心部が盛り上がったジンギスカン鍋、それにクッキングペーパーにのった鶏ちゃんが運ばれた。焦げ付かせないように、紙を破らないように、慎重にひっくり返しながら火を通す。肉の量は十分で、たれの醤油風味は強くなく、どちらかと言うとにんにくが効いた塩味。ご飯の盛りは並みでも多めだが、肉にしっかりと味が付いているのでご飯がすすむ(本当はビールが呑みたい…)。ま、この組み合わせで旨くない訳がないよね(待ったしね)。あっという間に平らげ、10分で店を出た。次の方どうぞ。(勘定は¥900)

 

↑ 国道41号線・益田街道沿いの、木曽川水系・飛騨川にある「下原ダム」(昭和13年・1938・建造)。

 

↑ 同じ街道沿いにある「濃飛建設職業能力開発校(旧・白川町立大山小学校)」(昭和9年・1934・建造)。二宮金次郎像が建つ、まさに昭和の木造校舎。昭和58年に廃校になったんだとか。

 

けいちゃんの まるはち食堂

岐阜県下呂市御厩野139-1

( 岐阜 ぎふ 下呂 下呂市 げろ 鶏ちゃん けいちゃん ケーちゃん ケイちゃん 杉の子 すぎのこ )

コメント
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