ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

角丸 @岐阜県関市

2015年10月14日 | 岐阜県(中濃・老舗)

刃物産業で有名な岐阜県関市。近年は鰻(うなぎ)の店の評判が伝わり、遠く離れた県からも鰻を目当てに客が集まっている。当然休日ともなると大行列が出来るような人気店もあるが、なかなか長時間並ぼうとは思わない。関市は刀鍛冶に代表される職人の町なので、体力をつけるために鰻が好まれたという話や、寺社が多く、参拝の「ハレ」の日に御馳走を食べる習慣から好まれたという話を聞いたことがある。そういえば同じように炎を使う陶器の町、多治見や土岐、それに瀬戸でも鰻屋が人気じゃなかったか。この日は鎌倉時代の伽藍配置が残る「新長谷寺(吉田観音)」(※名刹だが禁止看板が多くて萎える)の参道に店がある「角丸(かくまる)」に家族で訪問した。大店で、創業は明治7年(1874)というから、同じ関市では老舗「辻屋」に次ぐぐらいの歴史がある。昔の人も参拝がてら、こちらに寄って鰻を食べたんだろうな。いつもなら並ぶようなことはほとんどないと思うが、この日は連休の夕方とあって早い時間から客も多く、珍しく少し待ちが出るほどの盛況ぶりだった。こちらの焼きはもちろん炭焼きで、入口横の格子から調理を覗き見ることが出来る。少し待って、多人数だったこともあって2階の座敷に案内された。

広い座敷は宴会などにも使われるようで、うちの家族で使うだけだとちょっと広過ぎて申し訳ない(もちろん多人数だったのでこういう広間のある店を選んだのだけれど)。いつもなら並だが、ちょっと豪勢にそれぞれ上鰻丼と、骨の唐揚げ、そしてビールを注文した。階下は満員なので待つ時間が長くなるのは承知済み。香ばしい鰻の骨とビールで喉を潤す。しばらく待って丼ぶりが運ばれた。肝吸いと香の物(守口漬と胡瓜)が付く。上と並の違いはたぶん鰻の枚数。こんがりと焼き上がった鰻が5切れ載っている。食べ進むと中にも1切れ(これがウレシイ)。東海地方は基本的に関西風の蒸さない焼き方。たれは濃いめで甘辛い(ただ実際に関西へ行って鰻をいただいた事は無いので、実際のところ、鰻丼として似たものなのか、違うのかは知らない)。焼きは上々、ご飯の炊き具合も、たれとのバランスも良く、美味しくいただいた。ヴォリュームも十分。他の人気店と比べると客は少ないと思うが、こちらはこちらで旨いなァ。普段なら並ぶこともないし(1時間以上待ちとか、辛いよね…)、大勢でも入ることが出来るし、使い勝手がとてもいい店だ。(勘定は¥2,750/上鰻丼)

この後の記事はこちら (2)(3)(4

 

角丸 (かくまる)

岐阜県関市東門前町21

 

( 関 関市 うなぎ うなぎ丼 うな丼 うなどん しげ吉 辻屋 みよし亭 孫六 )


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