マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

画家と庭師とカンパーニュ

2010-01-08 09:46:29 | 映画ーDVD
ー画家と庭師とカンパーニューDIALOGUE AVEC MON JARDINIER/CONVERSATIONS WITH MY GARDENER
2007年 フランス
ジャン・ベッケル監督 ダニエル・オートゥイユ(画家(キャンバス))ジャン=ピエール・ダルッサン(庭師(ジャルダン))ファニー・コタンソン(エレーヌ)エロディー・ナヴァール(キャロル)アレクシア・バルリエ(マグダ)ヒアム・アッバス(妻)

【解説】
老境にさしかかったかつての幼なじみ同士が、人生の終局に真の友情を育む人間ドラマ。『クリクリのいた夏』のジャン・ベッケル監督が、アーティストでもあるアンリ・クエコの小説を基に映画化した。キャンバスこと孤高の画家を『ぼくの大切なともだち』のダニエル・オートゥイユがふんし、ジャルダンこと病に侵される庭師を『サン・ジャックへの道』のジャン=ピエール・ダルッサンが、いぶし銀の魅力たっぷりに演じる。フランスの田舎町の穏やかな日だまりと、緑豊かな自然も素晴らしい。

【あらすじ】
都会での家族との生活に疲れ、生まれ故郷に戻ってきた画家のキャンバス(ダニエル・オートゥイユ)。荒れ果てた庭の手入れに来てくれたのは、かつての幼なじみであるジャルダン(ジャン=ピエール・ダルッサン)だった。2人は自分たちの人生を語り合いながら、仕事に生きがいを見いだし、幸せで穏やかな日々を過ごすが……。

【感想】
この映画は、人生の秋を迎えた男の人たちに見ていただきたい秀作です。

妻から離婚を突きつけられている画家が、生まれ故郷に一人で帰ってきた。
荒れ放題の庭に、亡くなった母のように小さな菜園でも作りたいと思った画家。
庭師募集に現れたのは昔の幼なじみの「ジャルダン」だった。

あっと言う間に昔のいたずら小僧に戻った二人は、深い友情を育んでいくーというストーリー。

ほとんどが二人の会話で進んでいきます。

ジャルダンは学校を卒業して国鉄に勤め、労働争議などにも参加しながら、妻とふたりの娘と平凡な人生を送ってきました。

画家は、医療系の家柄でしたが、美術学校へ進み、一流の画家に。
しかし、モデルとの浮気が妻にばれ(それも一度や二度ではないらしい)、最近になって離婚を迫られていて、愛人にも、一人娘にももはや見放された状態です。
富と名声は得たが、空虚な毎日す。
自業自得とはいえ、画家にはなぜこうなったかがわかっていません。
あまり人生とは何かをつきつめて考えたことがなかったせいでしょう。

この映画は、どちらの人生がどうということではなく、二人の生き様の違いを顕著にすることなく、いまそこにある幸せを示していると思いました。

人生には答えがないし、結果を争っても仕方がない。
画家は、ジャルダンから影響を受けて、新しい生き方、新しい作品を見いだしたようです。
自分が変われば、新しい人生も始まるんだなあ、と思いました。

人はいくつになっても成長するし、幸せになれるし、人を幸せにすることもできるんだなあ、としみじみ納得するいい映画でした。

画家のキャンバス(ダニエル・オートゥイユ)とジャルダン(ジャン=ピエール・ダルッサン)のなにげない会話がすばらしいです。
ふと、自分の人生が空虚に思えた時、ジャルダンの言葉に耳を傾けたいと思いました。



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