マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

リダクテッド真実の価値

2009-05-18 08:49:16 | 映画ーDVD
ーリダクテッド真実の価値ーREDACTED
2007年 アメリカ/カナダ
ブライアン・デ・パルマ監督 パトリック・キャロル(上等兵 リノ・フレーク)ロブ・デヴァニー(特技兵 マッコイ)イジー・ディアス(上等兵 エンジェル・サラサール)マイク・フィゲロア(軍曹 ジム・バスケス)タイ・ジョーンズ(上級軍曹 スイート)ケル・オニール(兵卒 ゲイブ・ブリックス)ダニエル・スチュワート・シャーマン(特技兵 B・B・ラッシュ)

【解説】
アメリカ兵が14歳の少女をレイプした末に彼女の家族を惨殺するという、イラクで実際に起こった衝撃の事件を題材にした問題作。『カジュアリティーズ』でベトナム戦争での集団強姦殺人を描いたブライアン・デ・パルマが、ドキュメンタリー仕立ての挑戦的な構成で、残酷な戦争の実態と報道の在り方を問いかけている。賛否両論を巻き起こす内容でありながら、ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞。巨匠デ・パルマ督が作品に込めた真摯(しんし)なメッセージに注目だ。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
戦場をビデオ撮影し、映画学校入学のアピール材料にするというもくろみから、イラクでの兵役に志願した19歳のサラサール(イジー・ディアス)。検問所の任務に就いていたものの、大した映像が撮れないことに不満を感じていたサラサールは、ある夜、戦争遂行に役立つ証拠を捜索するという名目で、仲間とともに1軒の家に踏み込む。(シネマトゥデイ)

【感想】
冒頭に「これは、事実に基づくフィクションである」という字幕が出ないと、始まりの揺れる映像で、鑑賞を断念しそうになる。
撮影しているのは、映画学校に入学を夢見るヒスパニック系の19歳の兵士サラサール(イジー・ディアス)です。

☆ネタバレ
彼は、検問所の任務に就いている。
退屈な任務だけど、毎日自爆テロや地雷の危険にさらされていて、ストレスのたまる任務だ。
ここを、全速力で走り抜けようとする1台の車。
「停まれ」と警告しても、スピードを緩めようとはしない。
発砲。
停まった車には産気づいた妊婦が乗っていた。
病院に運ばれるが、胎児とともに死亡する。

「この検問で2000人が殺されたが、敵は60人だった」の字幕。

地雷を踏んで、爆死した上官。
敵との情報で踏み込んだ民家の様子。
この検問所を通って、学校へ通う少女たち。
その服装チェックをする兵士。
なんで、女性の兵士がやらないんだろうと思う。
結局、それで欲情した兵士が、その少女をレイプする目的で、一度捜査した民家に再び押し入るのだ。

そして、15歳の少女をレイプし、一家を惨殺するという痛ましい事件が起きた。

さらに、この事件をカメラに収める目的で同行したサラサールは、アルカイダに拉致され、首が切られた状態で捨てられている。
犯行声明が出て、カメラの前で処刑される姿が映し出される。

これはフィクションだと教えられているから見られるものの、ほんとうに悲惨な戦争の現実でした。
兵士たちも、これが正しい戦争なのかと、正義があるのかと、日々自問自答で送っている様子も辛かった。

アメリカ当局はこの事件を真実を消した形でリダクテッド(編集)しようとする。
ブライアン・デ・パルマはこの事件を真実を伝えるためにリダクテッドし直したのだ。
サラサールの映像を中心に、イラクとアメリカの家族とのテレビ電話やアルカイダなどのインターネットの画像、基地にある監視カメラやフランスの報道の映像などをつなぎ合わせると言う形で、臨場感を盛り上げて行きます。

帰還した兵士でも、心に残した傷は深い。

ラストは被害を受けた民間人の静止画像。
かなりしんどい映画です。




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