マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

アルバート氏の人生

2013-08-28 10:31:10 | 映画ーDVD

ーアルバート氏の人生ーALBERT NOBBS

2011年 アイルランド

ロドリゴ・ガルシア監督 グレン・クローズ(アルバート・ノッブス)ミア・ワシコウスカ(ヘレン・ドウズ)アーロン・ジョンソン(ジョー・マキンス)ジャネット・マクティア(ヒューバート・ペイジ)ブレンダン・グリーソン(ホロラン医師)ジョナサン・リス・マイヤーズ(ヤレル子爵)ポーリーン・コリンズ(ベイカー夫人)ブロナー・ギャラガー(キャスリーン)ブレンダ・フリッカー(ポーリー)

 

【解説】

『美しい人』や『愛する人』など女性を描くのを得意とするロドリゴ・ガルシアが監督を務めた女性賛歌。独身女性の自活の道が閉ざされていた19世紀のアイルランドを舞台に、性別を偽って生きる女性の苦難の道を描き出す。演技派女優グレン・クローズが主演と脚本と製作を担当し、第84回アカデミー賞で主演女優賞にノミネートされた。『ジェーン・エア』のミア・ワシコウスカらが共演を果たす。必死に自分らしい生き方を模索する主人公の姿が共感を呼ぶ。

 

【あらすじ】

19世紀のアイルランド、アルバート(グレン・クローズ)は、ダブリンにあるホテルでウエイターとして働いていた。だが、人付き合いが苦手で、もの静かなアルバートには誰にも明かすことのできない大きな秘密があった。ある日、アルバートはホテルの改装工事にやって来た陽気で端正な容ぼうの塗装業者ヒューバート(ジャネット・マクティア)と出会い……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

全くアルバート・ノッブス(グレン・クローズ)の人生って!

なんという生涯なのでしょう。

貧しさの中で、自分を偽り、ひっそりと生きた人の物語。

 

19世紀、アイルランドのダブリン。

私生児で生まれたアルバート。

幼くして母を失い、14歳のときに集団レイプにあう。

一人で生きていくために、男性の古着を身にまとい、ウエイターとして働き出したのが男装の始まりだった。

 

今は、老舗のホテルで住み込みのウエイターとして、常連客の信頼も厚い。

酒もギャンブルもやらず、もらったチップを床下にコツコツ貯めていた。

 

ある日出稼ぎのペンキ屋のヒューバート(ジャネット・マクティア)が、その日で仕事が終わらず、アルバートの部屋に泊めることになった。

案の定、女であることがバレてしまった。

ヒューバートは秘密を守ると言ったが、アルバートは気が気ではない。

しかし、ヒューバートが打ち明けたことは、彼もまた男装で働いている女性ということだった。

しかも、女性と結婚までしていると言う。

 

アルバートには密かに思いを寄せる女性がいた。

メイドのヘレン(ミア・ワシコウスカ)だった。

ヒューバートの話を聞いて、自分も愛する人と偽りから解放されて共に過ごせるかもしれないと、明るい将来を思い描くようになり、その夢に向かってどんどん行動を起こす。

 

しかしヘレンは、アメリカへ行って一旗揚げると言う野望を持つボイラーマンのジョー(アーロン・ジョンソン)に夢中だった。

 

アルバート、ヘレン、ジョーが織りなす三角関係。

ヘレンはジョーにそそのかされ、アルバート氏から金品をまきあげようとする。

アルバート氏はヘレンのおねだりに応えながら、将来の夢を膨らませる。

 

ところがヘレンが妊娠。

アルバート氏は、ジョーの本性を見抜き、ヘレンも赤ちゃんと共に面倒を見るとプロポーズするのだがー。

 

グレン・クローズが製作、主演、共同脚色、主題歌の作詞も勤めた渾身の作品。

84回アカデミー賞の主演女優賞にノミネートされるも、メリネ・ストリープのサッチャー(「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」)に持っていかれてしまいました。

残念!

でも、アカデミー賞級の演技力だと思いました。

 

彼女は同性愛者だったのか?

長年男装してたり、レイプでひどい目に遭っているということから、同性愛者だったのかもしれないけど、ヘレンに対する気持ちは、むしろ母性的な感じがしました。

お母さんの写真を大切に持っていたし、誰かを愛したいという気持ちも長らく封印してきたのでしょう。

それが、初めて愛した人が、野心的な男に恋をしているヘレンだったというのが悲劇でした。

 

アルバート氏の死はあっけなく、彼の生きた証とも言えるお金は、あくどいホテルの女主人にねこばばされてしまったけど、それがヒューバートの仕事のお金になり、ジョーに捨てられたヘレンとその赤ん坊をヒューバートが面倒見るというラストに、アルバート氏の執念を見る結末でした。

 

つい近年まで、女性の地位は低く、一人で生きることも困難だったのですね。

それでも、懸命に生き、自分を押し殺して生きてきて、ようやく幸せを掴もうとしたのに果たせなかったアルバート。

アルバートの人生って、なんだったんだろうと虚しさを覚えました。

 

ヒューバート役のジャネット・マクティア、本当に男らしい。

アルバートに真実を告げるときに自分の胸を見せるのですが、その巨乳にもびっくりでした。

 



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
よかった (ミーママ)
2013-08-28 13:17:33
劇場で見ました、よかったよね~~

一生懸命、コツコツと秘密を抱えながら生き続けたアルバート。
ヒューバートと知り合って、自分の将来に明るい希望ができたと思ったら・・・・

女性が一人で生きていくのが大変な時代だったんでしょうね。でも最後は、なんかちょっとよかったよね
返信する
ミーママへ (マダムよう)
2013-08-29 09:00:27
ラストは、まあよかったんだけど、彼女の人生としてはどうかなあと思わざるを得ませんでした。
あっけなかったよね。
夢は手に届くところまで来ていたのにね。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。