マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

嫌われ松子の一生

2006-06-14 20:02:28 | 映画ー劇場鑑賞
2006年日本 中島哲也監督 中谷美紀 、瑛太 、伊勢谷友介 、香川照之 、市川実日子

下妻物語』の中島哲也監督が、山田宗樹の同名ベストセラー小説を映画化した異色のシンデレラストーリー。壮絶で不幸な日々を過ごしながらもハッピーな人生を目指して奮闘する、川尻松子の波乱万丈な生き様をつづる。教師からソープ嬢、殺人まで犯してしまう松子に『電車男』の中谷美紀がふんし、転落人生を送る女性の悲哀をコミカルに演じる。ベテラン俳優からお笑い芸人まで30人を超える豪華有名人の出演シーンも見逃せない。

この映画は評判がいいです。
今日も一日満席だそうです。
それはそうでしょ、すっごく面白い映画でした。
中島監督の「下妻物語」も面白かったけど、これはさらにパワーアップ。
出演者もスタッフも手を抜いたところはないのではないでしょうか。
完璧でした。

主人公の松子を演じた中谷美紀、「壬生義士伝」で彼女は演技派になった、と感心したのですが、この映画はそれを証明しました。
この役、難しいと思うのよね。
下手したら漫画になるし、嫌な女のまま終わってしまうかもしれない。
そこを笙(瑛太)の目を通して、神様と思わせなきゃならないから、ほんと、苦労があったと思います。
そして、ラストのセリフ。
思わず、泣いてしまいました。
やられましたね。

お花が咲き乱れたり、お月様が彼氏の顔になったり、ディズニー調のアニメが効果的。面白い。
凝った映像は、何度見ても発見がありそう。
音楽もすごく良かった。

今年は、邦画の当たり年じゃないかなあ。
これは、みんなにお薦めしたいです。

インサイドマン

2006-06-14 20:00:00 | 映画ー劇場鑑賞
2006年アメリカ スパイク・リー監督 デンゼル・ワシントン 、クライヴ・オーウェン 、ジョディ・フォスター 、クリストファー・プラマー 、ウィレム・デフォー

銀行強盗グループと事件解決に向けて奔走する捜査官、そして現場に駆けつけた女性交渉人らの心理戦を描いたサスペンス。監督は『25時』のスパイク・リーが務め、監督とは『マルコムX』以来2度目のタッグを組んだデンゼル・ワシントンが主人公の捜査官にふんする。銀行強盗をクライブ・オーウェン、交渉人をジョディ・フォスターが演じ、ハリウッドを代表する演技派たち豪華キャストの手に汗握る演技合戦が見どころ。

賛否両論だけど、私はなかなか面白かったわ。
スパイク・リーが娯楽作品に挑んだ、と形容されるように、娯楽作品として良くできていると思いました。
しかも、スパイクらしいユーモアやセンスの良さがあって、憎いね、と感心しました。
まあ、オチはありがちな、ナチスの時代の罪という、みんなが納得するお定まりのもので、古くさい気もするけど。
まあ、内容は置いておきましょう。

最初のクライブ・オーウェンの独白は笑ってしまいました。
ジョニー・デップの「リバテイーン」の冒頭をつい思い出してしまうから。
クライブのあの濃い顔のアップはちょっと、恥ずかしかったです。(クライブファンの方ごめんなさい)
でも、リーダーとしての風格は「キングアーサー」の時以上でしょう。
デンゼル・ワシントンは知的な感じと疲れた感じがとてもよかったと思います。
ジョデイ・フォスターも自信満々な嫌みな弁護士、ぴったりでした。
ウィレム・デフォーは、存在感を消して、それでも、要所を締めるいいポジションだったと思います。
というわけで、私はこの映画気に入りました。

神社の系譜

2006-06-14 19:57:38 | 読書
光文社 (2006/4/14) 新書 宮元 健次 著

伊勢、出雲、鹿島、靖国…そこには壮大な「意図」と「仕掛け」が表されていた「八百万(やおよろず)の神」と言い表されるように、日本には多様な神が祀られている。元来、神社には神の家である本殿はなく、神奈備(かむなび)あるいは三諸(みもろ)と呼ばれる山や、神籬(ひもろぎ)と呼ばれる木、磐座(いわくら)と呼ばれる石などで祭祀を行い、そこに神が宿ると信じられてきた。いいかえれば、自然そのものに神が融合していた。
このような自然=神といった概念は、どこからきたのだろうか。
本書は、神社の系譜を考える上で従来はあまり用いられなかった「自然暦」という視点を取り入れ、新たな切り口から神々の系譜について考える。

なぜこの本を読もうと思ったかと言うと、「ダヴィンチコード」はキリスト教のタブーに挑戦して、西洋の人たちは自分たちの思想のルーツにとても熱心なのに、日本人である私はあまりにそういう精神的なものに希薄ではないかな、と常々思っているからです。
この本は、そういう私のほのかな疑問に、かなりの部分で答えてくれる本でした。
将門の首塚の謎などは、ダヴィンチコードも真っ青なくらいの面白さでした。
古代神社から靖国まで、その位置によって存在の謎を解き明かそうと挑戦している本です。

日本人は仏教徒と言われていますが、私は神道の精神が生活習慣に生きていると思っています。
昔、お寺の仕事をしていて、お正月もお盆も先祖をお祭りする、神道の行事から来ていることを教えてもらいました。
お彼岸もそうです。
日本人は、仏もキリストも八百万の神の一つに加えてしまうし、将門や菅原道真という中央に逆らった人もたたりを畏れて神様にしてしまう。
秀吉や家康のような権力者も神様になれる、特異な思想哲学を持った民族と言えるのではないでしょうか。
七福神も、元は外国の荒ぶる神だと聞きました。
その精神がしたたかで、強いと思うのです。

でも、今の人たちは、私も含めてそういう自分たちの精神的な背景に、とっても無関心です。
それでも、強く正しく生きて行けたら問題はないのですが、迷子になっている人も多そうなので、ちょっと自分の足下を見るつもりで、この本が神道の精神や成り立ちを考える一端となれば、と思います。