プノンペンの風景 20 建築現場の足場は木材

プノンペンの風景 20 建築現場の足場は木材     金森正臣(2006.9.20.)

写真:現在プノンペンでは、建設ラッシュ。段々工事も近代化して、コンクリートミキサーが登場し、生コンクリートを上部まで押し上げるポンプも使われ始めた。一気に工事期間が短縮される。しかし足場の材料は、昔ながらの木材。かなり硬い木の様だが、これが使われている。真っ直ぐではないし、足りない長さをつないだりしている。新旧が入り組んだ、ユーモラスな光景。金属の足場を見慣れた目には、なんとも頼りなげに見えるが。柱の鉄筋も、細いものが少しだけ。地震国の日本に比べれば頼りが無い。これで6階までも積み上げると、自重でつぶれるのではないかと心配になる。

 つい昨年までのカンボジアの建築現場は、進んでいるか進んでいないか分からない程度に、進行していた。ほんの数人が、人力でコンクリートを練り、次第に積み上げていった。そのため小さな現場でも、2-3年かかるのは当たり前であった。住んでいるところの近くのゲストハウスも、3年ほどかかっていた。開店して6月ほどでつぶれてしまって、現在は廃業。

 現在プノンペンでは、サービスアパートメントの建築ラッシュ。住んでいるバンケンコン1と言われる部分だけで10箇所以上の建築現場がある。地上げされては、アパートに変わって行く。以前のように2-3階の建物ではなく、5-6階が多くなった。大きな重機が入って、基礎を作り、ミキサー車が来て、コンクリートポンプ車が来て、各階の床を打つ。数ヶ月で作り上げてゆく。

 床打ちの間には、ノンビリと作業員が手作業で壁や間仕切りを作って行く。足場を組むのも、作業員の仕事。ここはノンビリと手作業で、下から材料をロープで運び上げ、組み上げて行く。このアンバランスがなんとも、近代化を急ぐ象徴の様に見える。作業員は、毎朝トラックで集められてくるのもいるが、建築中のビルの中で寝泊りしている家族も2-3組はいる。建築現場の資材の管理のためらしい。野宿とあまり変わらない生活の様な気がするが、彼らは平気。道路の工事現場でも同じ。数組が路上にシートを被って生活している。こうなると路上生活者とあまり変わらないのだが、あまり気にしている風は無い。
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