友人が奈良の吉野の寺に行くというので、付いて行った。彼女は一昨年、一人娘を亡くし、独りぼっちになった。
吉野の蔵王堂は遠かった。秘仏の蔵王権現が開帳中だった。青色の大きな権現様は迫力があり、恐ろしげなお顔。だが眼前に座り見上げていると心が和らいでいく。友人はと見ると、一心に祈りをささげていた。私も彼女の心の安穏を祈った。
帰り道、一言主神社に立ち寄った。そこで私は私の息子たちに平穏な人生をと願を掛けた。
友人に寄り添いたい思いが、吉野の寺で自分のために祈ることをためらわせていた。
出水市 清水昌子 2014/6/8 毎日新聞鹿児島版掲載
吉野の蔵王堂は遠かった。秘仏の蔵王権現が開帳中だった。青色の大きな権現様は迫力があり、恐ろしげなお顔。だが眼前に座り見上げていると心が和らいでいく。友人はと見ると、一心に祈りをささげていた。私も彼女の心の安穏を祈った。
帰り道、一言主神社に立ち寄った。そこで私は私の息子たちに平穏な人生をと願を掛けた。
友人に寄り添いたい思いが、吉野の寺で自分のために祈ることをためらわせていた。
出水市 清水昌子 2014/6/8 毎日新聞鹿児島版掲載
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