はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

梅の木

2014-06-10 14:41:11 | はがき随筆


 実家は町道より10㍍ほど高い位置にあった。
 母屋に至る坂道には、大きな梅の木が1本あった。
 黄色に熟れた梅の実が落ちていた。
 梅の実は坂を転がり、平坦な道端にたくさん集まっていた。
 小学生時代、帰宅途中にそれを食べた記憶がある。
 あれから50年あまりがたち、その梅の木は跡形もなく消え去った。
 今は、長いセメント坂があるばかりである。
 さて、今年はその坂の脇に誕生日の記念に梅の木を植えようと思っている。
  鹿児島市 下内幸一 2014/6/7 毎日新聞鹿児島版掲載

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