2019年4月13日 (土)
岩国市 会 員 横山 恵子
「花は咲く」の曲が流れると山懐に抱かれた古里を思う。9人家族だったが、父の転勤で私たちは岩国へ。その後、次々と祖父母たちを見送った。そして10年間、1人で家を守っていたおじも力尽きた。
昨年、雪の降る前にと、いとこたちと墓参りし、おじたちをしのびつつ、昔話をした。家の裏に行くとたわわに実ったユズ。あるじなくともと思うと切なくなった。
大豆を石臼でつき、作った豆腐、走り回ったレンゲ畑。思い出は、ぜーんぶこの胸に。帰る度、元気をもらった。あり難きかな古里は。
(2019.04.13 毎日新聞「はがき随筆」掲載)
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