はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

2020/05/05

2020-05-05 07:17:00 | 岩国エッセイサロンより
新型コロナウイルスに感染しないよう、気遣いしながら毎日を過ごしている。
 そんなある朝、白みかけた東の空を見た。少しも珍しいことではなかった。だがその時、なぜか何とも言えぬすがすがしさを覚えた。ふと「朝はどこから」の歌が頭に浮かんだ。
 それは昭和21(1946)年、敗戦で疲弊した国民を励まそうと、新聞社が募集したホームソングの1等当選歌だった。
 NHKのラジオ歌謡としても流れていた。それで聞き覚えたのだろう。私は今も口ずさめる。
 歌詞は、朝はどこから、昼はどこから、夜はどこから来るかしら、と問いかける。朝は「希望の」、昼は「働く」、夜は「楽しい」家庭から来る、と答える。
 終戦直後、物資や食料不足により大変な苦しみがあった。私も親から話を聞いて、子ども心に記憶した。詞の中では伏せられているが、人の絆が明るい家庭をつくると言うように思う。戦後の立ち上がり、国を作るのは社会の最小単位である家庭であり、その大切さを教えていたのではなかろうか。
 しかし現代社会では、働きたくても働けないという深刻な状況がある。生活の基盤が無いことになる。特に若い人には切実な問題である。働けなければ楽しい夕げはとれない。気掛かりのある目覚めでは、朝だといっても希望は湧かない。
 新型コロナの感染拡大で経済の先行きが案じられてならない。力強い対策を望んでいる。


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1 コメント

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コロナ禍 (tatu_no_ko)
2020-05-05 08:58:14
転載有難うございます。
非常事態宣言発出前の投稿です。
早く終息してを願い、罹らないうつさないに気を配っております。

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