はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

足音の予感

2015-10-21 23:14:20 | 岩国エッセイサロンより





2015年10月20日 (火)

  岩国市  会員  吉岡 賢一 

近くに住む孫三兄弟の兄ちゃんは中学生最後の、そして三男坊は幼稚園最後の運動会となったこの秋。

手に汗握る躍動や、思わず手を添えたくなる幼い姿に、私たち応援団は声援を送り続けた。

中でも、必死の形相で脱兎のごとく土を蹴る兄ちゃんの足音は、確かな成長を物語るようで実に頼もしい。かつては、今の三男坊と同様にハラハラドキドキで応援したものである。

そんな三男坊が中学3年になったとき、どんな足音を聞かせるのか。そのとき兄ちゃんはどんな足音を響かせるのか。

ジジの夢には際限がない。


  ( 2015.10.20 毎日新聞「はがき随筆」掲載 )岩国エッセイサロンより転載

頂いた味わい

2015-10-21 23:11:58 | 岩国エッセイサロンより
2015年10月18日 (日)

    岩国市  会員      山本  一

 「うまい」。思わず声が出る。初めて出会う味わいだ。天ぷらにすると、他の山菜にはない、ねっとりとした食感がある。
 7月に趣味仲間からウワバミ草の苗をもらった。見るのも聞くのも初めてである。「早くたべてみたい」。思いと裏腹に、1週間で全て枯らした。再び無心し、今度は見事に根付く。私のドジを見越し、絶対に枯れないように根分けされたものだった。それにしても仲間全体で、1回目に十数鉢、2回目も同じ程度をもらった。その労力と親切心が味をさらに深くする。今夕は2回目の収穫。「あまり採るとまた枯らすよ」と妻が脅す。

       (2015.10.17  毎日新聞「はがき随筆」 掲載)岩国エッセイサロンより転載

頂いた味わい

2015-10-21 23:11:58 | はがき随筆
2015年10月18日 (日)

    岩国市  会員      山本  一

 「うまい」。思わず声が出る。初めて出会う味わいだ。天ぷらにすると、他の山菜にはない、ねっとりとした食感がある。
 7月に趣味仲間からウワバミ草の苗をもらった。見るのも聞くのも初めてである。「早くたべてみたい」。思いと裏腹に、1週間で全て枯らした。再び無心し、今度は見事に根付く。私のドジを見越し、絶対に枯れないように根分けされたものだった。それにしても仲間全体で、1回目に十数鉢、2回目も同じ程度をもらった。その労力と親切心が味をさらに深くする。今夕は2回目の収穫。「あまり採るとまた枯らすよ」と妻が脅す。

       (2015.10.17  毎日新聞「はがき随筆」 掲載)