はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

あなたの一食分の協力を!

2013-09-26 21:36:26 | アカショウビンのつぶやき




10月16日は、「世界食糧デー」です。
 

第16回「世界食糧デー」鹿児島大会が、サンエール鹿児島で開催されます。
テーマは
ハンガーゼロ(飢餓撲滅)…世界を変える希望(こども)のために!

大会に参加できなくても、この活動に参加する方法として
「一食分募金」運動への参加があります。

飢えの苦しみを少しだけ味わい、1食分500円を募金する方法です。
募金は全額、ボリビア、ケニア、南スーダン、パキスタン、
フィリピンの学校教育支援、給食支援、人材育成支援その他に用いられます。

一食分募金の振込先は
加入者名 世界食糧デー鹿児島大会実行委員会
郵便振り込み口座 01760-2-81863
世界食糧デー月間

さざれ石

2013-09-26 14:03:32 | はがき随筆
 都城から日豊線で鹿児島に帰る途中、電車は霧島神宮駅に止まった。ドアが開か、キラキラ光るホームから、ドヤドヤドヤと夏休み中の女子高生5,6人が飛び込んできた。
 「霧島神宮に行ったの?」「はい、暑かったあー」「さざれ石は見てきたの?」「何? それ」「ほら、君が代で歌うでしょう。さざれ石のーって、その石が大鳥居の横にあったでしょう」「そんなの見なかった」「気付かなかったんだねえ」
 私は徒然草を思い起こしていた。
 少しの事にも先達はあらまほしき事なり
  鹿児島市 高野幸祐 2013/9/26 毎日新聞鹿児島版掲載

ハガキ随筆8月度 月間賞

2013-09-26 12:06:38 | 受賞作品
 はがき随筆8月度の入賞者は次の皆さんです。

【月間賞】31日「寝つけない夜」鵜家育男(68)=鹿児島市武
【佳作】▽14日「蝉時雨」伊尻清子(63)=出水市武本
    ▽22日「傘」宮路量温(66)=出水市中央町


寝つけない夜 銭湯で見かけた老夫婦の光景です。まず、男湯に女性が入って来たということで驚かされ、次に90歳代後半の夫を入浴させる妻のその手際の良さに感心させられ、その夜その光景が、40年になる自分の夫婦生活に思いを馳せる結果になったという、話題の進行のさせ方が巧みな文章です。夫婦善哉という言葉がありますが、大袈裟な言い方ではなく、夫婦というものは永遠の謎ですね。
 蝉時雨 10年続けている介護の愉しみ(?)です。まず自分の体調を整えておいて、介護する老夫婦への労りを忘れないが、老夫婦の醸し出す雰囲気に自分が労られるいるかもしれない。そして外は蝉時雨。確かに「生命のドラマ」を感じさせる文章です。
  連想の巧みさで読ませる文章です。退職後の閑居で、詰め碁をしながら見かけた庭のカボチャのはな。そこから思いは、亡母が受粉する時、カボチャの葉の傘のように家族を守れという訓えへ。自分の傘の下に思いを致していると、ラジオから森進一の「おふくろさん」の歌。
 次に3編紹介します。
 中鶴裕子さんの「自慢」は、「はがき随筆」に掲載されたことを、お孫さんに密かに自慢したら、自慢しているとからかわれたという内容です。いつまでも幼いと思っていた孫たちが、他人の心理を読み取るようになっていた、その成長ぶりに驚く気持ちがよく泡割れています。宮下康さんの「コンビニカフェ」は、香り高いコーヒーをコンビニで飲もうとしたが、買い方が分からない。店員のマニュアル言葉も理解できない。腹が立って、香りだけいっぱい吸って帰って来たという、茶目っけのある文章です。この経験私にもよくあります。内山陽子さんの「ヨーコトースト」は、フレンチトーストに妻の名を付けて喜んで食べてくれた夫の、臨終の時の様子が内容です。最期に何を食べたいか、ということがよく話題になりますが最期に美味しく食べるもののある方は幸せですね。
 (鹿児島大学名誉教授 石田忠彦)

暑さ寒さも

2013-09-26 11:27:53 | ペン&ぺん


 皆さんはお彼岸をどのように過ごされただろうか。毎年、この季節になると、亡父や先祖の墓参り、墓掃除をしなければと思っているが、実行できていない。同僚デスクは実家の用事や親の世話などで長めの休みを取った。「もうこんなことを考える年齢になったのか」と実感している。
 19年前、最初に鹿屋通信部に赴任した時、大隅半島を含め県内の墓地の多くに花が生けられ、いつも綺麗にしてあったのが印象深い。桜島の降灰がかぶらないよう屋根で覆われたお墓もある。転勤族で他県を回ってきた私には、鹿児島の人たちが先祖を大切にしていることが伝わってくる。 
 9月に入り、多くの学校から運動会の案内が届く。本県だけでなく、他県も今月中に運動会を終わらせることが多い。来春の受験を踏まえてのことなのか。運動会といえば10月。気候的にもちょうどよかったのだが。
 母校(小中学校)は在校生も多く、運動会で最もにぎやかだったのは校区内の各町内が競う町内対抗リレーだった。例えば、小学校なら1~6年で1人ずつ代表選手が出場、これに親や教師も加わるから盛り上がらないわけがない。テントの中で応援していたおじいちゃん、おばあちゃん、お母さんもいつのまにかグランドに飛び出し、声をからして応援した。まさに運慈雨会の〝花形種目〟だった。
 でも少子化で児童、生徒数は減り、プログラムを組めない。古里で就職して結婚し、子供がたいたら、保護者代表で自慢の走りを見せてあげられたのに、しかし、もうそれはかなわない。
 台風18号の影響で今日となどが水害に見舞われ、増水し荒れる桂川に驚いた。桜島の灰も最近、鹿児島市中心部に振り、時々体に当たって気になる。台風はこれかも日本にやってくる。桜島を含め、自然には備えを怠らぬよう万全を期したい。
  鹿児島支局長 三嶋祐一郎 2013/9/25 毎日新聞鹿児島版掲載
 

私の車

2013-09-26 11:21:06 | はがき随筆
 「車の修理が終わり、帰ってきたよ。良かったね」と母からの電話。
 八月下旬、私の車で友人と霧島へ研修会に出かけた。その帰り、どうしたことか、エンジンの警告ランプがついたまま消えない。翌日、車をみてもらったが、原因が分からない。
 この車は私と共に働いた。晴れの日も、雨の日も、曇りの日も、風の日も、雪の日も。6年間、紫尾峠を走り、苦楽を共にした。走行距離は14万㌔。
 大丈夫だろうかと心配したが、何はともあれ原因も分かり元気になって帰ってきたので、ホッとした。大切にしたい。
  屋久島町 山岡淳子 2013/9/25毎日新聞鹿児島版掲載