8日は眠たかった。2020年の東京五輪開催が気になり、夜通しテレビを見たからた。「無理かな」と諦めていたので、私も興奮して、結局眠れなかった。
皆さんも何度もご覧になったように、高円宮妃久子さま、パラリンピックの佐藤真海選手、そして滝川クリステルさんの「おもてなし」の心などいずれのプレゼンテーション(企画案の提示、説明)も素晴らしかった。阿部晋三首相は福島第一原発について「状況はコントロール下にある」と世界注視の中、言ってのけた。先に福島で日本で言ってほしかったが、あの席で国際公約を述べたのだから、あとは約束通り実行してほしい。
ついにイプシロンロケットも打ち上げ成功。ロケットの射場がある内之浦宇宙空間観測所を支えてきた肝付町の人たちはごう音を上げ上昇していく機体に感激もひとしおだっただろう。県内外から2万人が訪れたといい、改めて「ロケットの町」を全国に知ってもらえたのではないか。地元は官民挙げて受け入れに細心の注意を払い、遠方から来る人を待った。先月の延期時の再来訪者も多かったという。
20年は鹿児島国対の年でもある。世界から五輪選手や多くの観戦者、観光客も来日する。五輪招致活動で「プレゼン」が、またイプシロン打ち上げで地元の「おもてなし」がいかに大切かが、分かった。7年後は鹿児島が誇るこの自然や歴史、文化遺産などを広く紹介、PRし、多くの人を鹿児島に呼び込みたい。
大震災に見舞われ、原発事故も起きたが、日本の説明に納得ができたから、世界のIOC委員は東京に投票した。なぜ必要か、納税者が納得できる説明を、知事がもっと上手にプレゼンしたならば、違う結果になっていたかもしれない。プレゼン軽んずべからず。
鹿児島支局長 三嶋祐一郎 2013/9/17 毎日新聞鹿児島版掲載