12年前に拙い歌文集を出した。その時は夫も母も健在で、私たちは幸せいっぱいの日々だった。その6年後に夫が急逝しようとは思ってもみないことだった。今度、夫と母の写真も載せて追悼集「夫を待つ庭」を出した。題は次の拙歌より取った。
三度目の夏めぐり来ぬゆふすげと桔梗咲く庭夫を待つ庭
短歌とはがき随筆、女の気持のミニエッセーをまとめたもの。夫と母の生きた証しの本にしたかった。何よりの供養ですねと言ってもらえるのが、うれしい。夫の同級生や母を介護してくださった方々も喜んでくださったのが望外の幸せである。
霧島市 秋峯いくよ 2013/9/5 毎日新聞鹿児島版掲載