豊漁豊作を祈願する真冬の伝統行事「寒中みそぎ祭り」...。木古内町佐女川神社に残る言い伝えによると「天保2年(1831)1月15日早朝、神社守の夢枕に『御神体を潔めよ』とのお告げがあった。神社守は直ちに真下を流れる佐女川(さめがわ)の氷を打ち砕き、身を切るような冷水で自身を清め4つのご神体を抱いて厳寒の海峡に飛び込んだ。すると、白い着物姿の美しい女性が現れ、その年から豊漁豊作が続いて村は大変賑わった。」といわれている。
以来、行修者と呼ばれる4人の若者が佐女川神社に籠もり、昼夜問わず真水で何度も自身の身体を清め、毎年1月15日に別当・稲荷・山の神・弁財天の4体のご神体を抱き、厳寒の津軽海峡に飛び込み、その年の豊漁・豊作を祈願する伝統行事“寒中みそぎ祭り”として引き継がれている。
今日は「海中沐浴」の日...。3日間神社に籠もり「水ごり」を続けてきた4人の行修者は、白装束姿でご神体を抱え佐女川神社から「みそぎ」が行われる海岸みそぎ浜まで氏子の皆さんの先導で町内を練り歩く...。途中、保育園児から「頑張ってぇ~...」の掛け声も...。
みそぎが行われる浜では、町内のみそぎ太鼓の会による勇壮な太鼓の演奏が披露され、沖には大漁旗を靡かせた8隻の漁船も航行し会場を盛り上げる。
みそぎ浜には、町内はもとよりツアーでの観光客など3,000人を越えんとする大勢の見物客が固唾をのんで行修者の到着を待つ...。幸い波も穏やかで天候には恵まれたものの、気温は-3℃、海水温は少し高い+7℃とはいえ、身を切るような寒さ...。正午前、行修者4人は下帯姿で登場すると大きな拍手とともに「ガンバレよ!!」などの声援が飛ぶ中を、4人はご神体とともに厳寒の津軽海峡に「行くぞ~!!...」、「ウォー!!...」と叫びながら海に飛び込みむ...。
ご神体とともに静かに沖に向かった後、一度岸に戻って4人は向かい合ってご神体を浮かべると、勢いよく海水をかけみそぎを行う...。ファインダーを覘きながらも、その激しさは伝わりファインダーを通して身を清められた感じさえする...。つい夢中になり長靴に波が入り込んでいるのも気が付かない...。
およそ10分ほどのみそぎを終え、行修者は海に向かい豊漁、豊作と地域の繁栄を祈り柏手を打つと、会場からは行修者の勇壮な姿に歓声と拍手が送られた...。
海中みそぎを終えた4人は、浜に作られた水ごり台で最後の水ごり...。大勢の人が見守る中、今年が最後という「別当」担当の行修者から残る3人に勢いよく水を浴びせ、さらに、自らは手桶で冷水を汲み上げ頭の上から何度も浴びていた...。4年間の思いと去りがたい思いも感じられる見事な水ごり...。最後に、見学者に向かって行修者から健康祈願の水にかけ「寒中みそぎ」は終わる...。
海岸近くのみそぎ広場では様々なイベントが行われていた...。グルメフェア、物産フェア、餅まき、福引き抽選会...、特にグルメコーナーにはこうこう汁や焼き肉、お汁粉などの木古内名物が並び、観客は熱々の料理に舌鼓...。少し遅れたこともあって完売続出とあって残ったそばとお汁粉を賞味...。帰りには特産品をお土産に...。
ところで、昨夜は「寒中みそぎ祭り」を盛り上げるイベント「みそぎ行列」に参加した...。かがり火やキャンドルが灯され、幻想的な雰囲気に彩られた町内を提灯を手に100人ほどの町民が練り歩く...。
到着地の佐女川神社では、境内に特設ステージが置かれ郷土芸能「みそぎ太鼓」や「みそぎ囃子」の勇壮な演奏や舞が披露されたほか、そばや甘酒などが振る舞われる...。その後、行修者の「水ごり」が...。
13日からの佐女川神社「寒中みそぎ祭り」...、結局3日間木古内町に通った...。幸い天気には恵まれたが、茂辺地までの自動車道はアイスバーンのツルツル状態で気の抜けない運転が続く“試練の3日間”だった...。しかし、4人の行修者の彼らの“試練の3日間”に比べたら大したことはないのかも知れない。若者の勇ましい姿には正直感動した...、やっぱり、来年も見学させてもらうかも知れない...。
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