塾帰りの少女誘拐

2012-09-07 20:38:47 | 塾あれこれ
広島市の己斐(西広島)でおきた塾帰りの
誘拐事件はショッキングなできごとでした。

幸い運転手さんの勇気で早期解決して一安心ですが
一つ間違っていると、と思うとゾっとしますね。
心に傷が残りませんように。

これは塾関係者でなくても皆さま同じお気持ちでしょう。


と同時に私には「ついに」という気持ちも少しあります。
昼の登下校ですら危険がある時代ですから、夕方から夜では
なおさら、という一面があります。

塾も、送迎バス(個人塾では塾長が車で送るなども)
集団帰宅、塾の入退室情報をモバイルに送る・・・
などかなりの対策はとっているようです。
(たしか日能研はJR駅まで集団で送ってましたね)

全ての塾がそうであるとまでは言えないでしょう。
(もしかして「温度差」が案外大きい?)
塾の規模などにより出来ることと出来ないこともあります。

ただ、できるだけのことをすべて全力でやっているか?
と言われると、私もあとずさり・・・

「学校だって・・」というのは問題のスリカエです。

また、個別にすべて最後まで見きれないのだから、という
理由から、なぜか塾周りですべきことまで手抜きをしている
というところもありはしないか?
あるいは、事件があったときだけ暫くの間、「安全には
気を配る塾です」というみせかけをするところはないか?

自分が十分なことをできていないのに生意気ばかりを
云うのも申し訳ないですが。


山口塾中学部では20年以上も前から塾が終わった時間帯には
気を配っていました。

なるべく教室に居残りはしないよう(質問などの対応が難しい)
塾帰りにコンビニなどに寄らないようチェックし(営業妨害・・)
講師やアルバイトの半分以上は塾の周りに降りて不測の事態が
おきることのないよう見回っておりました。

当時としては進んでいる方だったのでは?
(内部には理解してくれない講師もいましたが)


送り迎えをして頂く保護者の方に届けるまで、で済めば良い
のですが、様々な場合があるはずです。
また日によって「迎えに行けない」とかいろいろとね。

それでよいとはいえませんが、ともかくまず出来るだけ
最大限の対応を緊急にとるべきです。

警察などに云われるまでもなくね。


警察が塾に安全対策を「お達し下さる」方針だとか。
当然のお話ではあります。

でも、なんだか「塾が良くない」と云い散らかされている
気分もしなくはなく、警察だって出来ることを100%
やれよな、なんて気になります。
お叱りをうけること必至だね・・・


追記

山口塾中学部で塾終了時、講師・アルバイトの半数以上が
外に出て見回っていた、というのは楽々園教室です。
己斐教室ではどうであったか、残念ながら存じません。

私は云ったはずですが、連中、見えないことをさいわいと
実行はしていなかったかもね。かなりアヤシイ。
そこまではしないのが当時としては普通だったから。

アステアが一番好きだな

2012-09-07 10:23:04 | 映画
アメリカの映画俳優、古今を通じてNO1は
フレッド・アステアです。

一番好きな人は、と云い直した方がよいですか。

古今を通じ世界一のダンサーであり、
歌も上手く(ビング・クロスビーに負けてないよ)
演技が達者。

キートンよりチャプリンよりO・ウェルズより
ゲーリー・クーパーより、L・オリビエより・・・
きりがありませんがね。

ミュージカルのライバルとしてジーン・ケリーが云われ
『ザッツ・エンタテインメント』でもそう扱われていましたが
私に言わせるとランクがひとつもふたつも違います。

あのマイケル・ジャクソンが自伝をアステアにささげ
80歳を遥かに超えていたアステアにムーンウオークを教えたとか。
・・マスターしたそうですね。

歴史に残る大スターが教え、教わる、そのシーンを思い浮かべる
だけでも「何と豪華な」


伝記作家ボブ・トーマスの手になる自伝『アステア』という
本があります。
"ASTAIRE,THE MAN THE DANCER"(武市好古訳)

その訳者あとがきに武市さんが、とあるアメリカの人に
「芸の良し悪しはどこで決まるんだ」と訊いた話があります。

応えは
"reflection of personality"だったそうです。
「個性の反映」

表に出てきた芸とその人間の(人となり)とが結びついた時に
稀有のことなのですが、完成するものです。

金儲けが先になるような芸人はそこから抜け出さないと
本物の一流にはなれないのですね。

志ん朝が名人の域に達する前に亡くなったのもそこです。
もっと生きていたら、きっと名人に、と思いますが。

円生は昭和天皇に噺を聞かせたことを鼻にかけてダメになり
談志は小さんを継げないことでコケました。

みんなreflectionの失敗ですね。
personalityの問題か?


アメリカの映画スターの話でした。もとに戻りましょう。

虚像かもしれませんが、アステアは好い人そうです。
その上、芸が(超・超)達者。

彼がNO1と思う理由です。

唯一、ルックスがねえ・・・
(彼も悩みの種だったようです)

でも映画を見ているうちに、飛んでいってしまいます。


ジンジャー・ロジャースやエレノア・パウエルとのコンビが
有名ですが1941年にあのリタ・ヘイワース(踊れたんだ・・)
と組んだ映画があります。

『踊る結婚式』YOU'LL NEVER GET RICH

30本以上のミュージカルを撮り、ヒット作、名作、数あるなか
地味な作品ではあります。

音楽を担当した名人コール・ポーターが映画の内容(41年といえば
大戦の真っただ中、徴兵された兵隊の話)に乗れなかったらしく
音楽は当たり障りのない出来です。

脚本も普通の出来。
笑いもあまり取れそうにありません。

ところが、その程度の出来の映画でもアステアは凄いんだ。

一人で踊るところがありますが90秒くらいノーカット!!
もちろん全身を映してのダンスです。
他にも1分近いのが2か所あり、一か所だけカット繋ぎがあります。

プロの方が云われますが、正確な俊敏なステップ
それでいて全身は優雅に動き、
もちろん上半身はピタっと安定し、体の芯がブレません。
文字通り・・「格好よい」

人間ってここまで出来るんだ、感動しますね。