アステアが一番好きだな

2012-09-07 10:23:04 | 映画
アメリカの映画俳優、古今を通じてNO1は
フレッド・アステアです。

一番好きな人は、と云い直した方がよいですか。

古今を通じ世界一のダンサーであり、
歌も上手く(ビング・クロスビーに負けてないよ)
演技が達者。

キートンよりチャプリンよりO・ウェルズより
ゲーリー・クーパーより、L・オリビエより・・・
きりがありませんがね。

ミュージカルのライバルとしてジーン・ケリーが云われ
『ザッツ・エンタテインメント』でもそう扱われていましたが
私に言わせるとランクがひとつもふたつも違います。

あのマイケル・ジャクソンが自伝をアステアにささげ
80歳を遥かに超えていたアステアにムーンウオークを教えたとか。
・・マスターしたそうですね。

歴史に残る大スターが教え、教わる、そのシーンを思い浮かべる
だけでも「何と豪華な」


伝記作家ボブ・トーマスの手になる自伝『アステア』という
本があります。
"ASTAIRE,THE MAN THE DANCER"(武市好古訳)

その訳者あとがきに武市さんが、とあるアメリカの人に
「芸の良し悪しはどこで決まるんだ」と訊いた話があります。

応えは
"reflection of personality"だったそうです。
「個性の反映」

表に出てきた芸とその人間の(人となり)とが結びついた時に
稀有のことなのですが、完成するものです。

金儲けが先になるような芸人はそこから抜け出さないと
本物の一流にはなれないのですね。

志ん朝が名人の域に達する前に亡くなったのもそこです。
もっと生きていたら、きっと名人に、と思いますが。

円生は昭和天皇に噺を聞かせたことを鼻にかけてダメになり
談志は小さんを継げないことでコケました。

みんなreflectionの失敗ですね。
personalityの問題か?


アメリカの映画スターの話でした。もとに戻りましょう。

虚像かもしれませんが、アステアは好い人そうです。
その上、芸が(超・超)達者。

彼がNO1と思う理由です。

唯一、ルックスがねえ・・・
(彼も悩みの種だったようです)

でも映画を見ているうちに、飛んでいってしまいます。


ジンジャー・ロジャースやエレノア・パウエルとのコンビが
有名ですが1941年にあのリタ・ヘイワース(踊れたんだ・・)
と組んだ映画があります。

『踊る結婚式』YOU'LL NEVER GET RICH

30本以上のミュージカルを撮り、ヒット作、名作、数あるなか
地味な作品ではあります。

音楽を担当した名人コール・ポーターが映画の内容(41年といえば
大戦の真っただ中、徴兵された兵隊の話)に乗れなかったらしく
音楽は当たり障りのない出来です。

脚本も普通の出来。
笑いもあまり取れそうにありません。

ところが、その程度の出来の映画でもアステアは凄いんだ。

一人で踊るところがありますが90秒くらいノーカット!!
もちろん全身を映してのダンスです。
他にも1分近いのが2か所あり、一か所だけカット繋ぎがあります。

プロの方が云われますが、正確な俊敏なステップ
それでいて全身は優雅に動き、
もちろん上半身はピタっと安定し、体の芯がブレません。
文字通り・・「格好よい」

人間ってここまで出来るんだ、感動しますね。


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