cancion（カンシオン）…バーボン片手にギターの弾き語りを聴く

今回の熊野調査の後、晩に恒例の和歌山県新宮市での徐福勉強会に参加するために車で送っていただき（誰がかは明かしません。）、時間が早かったので熊野本宮に参拝し、そのそばに建てられたおそろしく大きな（幅約42メートル、高さ約34メートル）鳥居も拝観してきました。

徐福の勉強会の講師は新宮と言ったら迷わず奥野先生です。今年97歳の奥野先生は幾分か足元に自信がなくなったとおっしゃっていますが、勉強会のための資料をそろえて待っていてくださって、極々少数での実のある勉強会を重ねています。

で、その後はもちろん疲れた頭を冷やさなくてはいけないので、お決まりは居酒屋「成」（なり）へ。新宮の味が気楽に楽しめて、お酒を囲む相手も気心が知れていて、楽しい時間を過ごします。

今回、そのお店から帰る途中で、Ｙさんが「新宮らしくないお店に連れて行ってあげよう」とおっしゃるので、へーっと付いていきました。
最近、そういうことがよくあるのですが、私がちょうど夕方、新宮の町を歩いていた時に（香梅堂の鈴焼きを買って帰らなくては家族のブーイングがあるのです）ふと目に止まったお店でした。

そのお店は「cancion」（カンシオン）という名前のお店で、ギターの弾き語りを聴くことができるのです。
当然、メニューは「まぐろのせせり」「オコゼのから揚げ」ではなくて、バジルのスパゲティだったり、生ハムのサラダだったりします。
Ｙさん自慢のボトルキープ「バーボンのイエローノーズ」をいただきました。なかなか入手できないものなのだそうで、私もようやくこの歳になって、Ｙさんにオシャレなお店に連れて行っていただけるようになりました。

というのも、今春Ｙさんは還暦を迎えました。そして私は40歳。今まで知らなかったのですが、私が徐福の初調査に新宮に飛び込んだとき、市役所で卒論で徐福をやろうなんていう面白いやつがいるのかと待ち構えてくださったのが、Ｙさん。私がそのときのＹさんと同じ歳になりました。
20年前、こうやって「還暦おめでとうございます」なんて言ってバーボンで乾杯するなんて、とても想像できませんでした。
人との出会いは本当に不思議なものです。

で、私はリクエストもさせてもらって、優雅にバーボン片手にギターの音色を聴いて、楽しい新宮の晩を過ごしたのでした。

cancion（カンシオン）
新宮市谷王子１－２９
TEL　０７３５－２３－９０３７