25日、東京で
トヨタ財団2007年度助成金贈呈式公開シンポジウムを終えて、無事に帰宅しました。
先ずは私の体調を気にかけてくださった沢山の皆様、ありがとうございました。
いつもならば、約束の時間の前に○○の店をのぞいて行こうとか、列車の時間までに○○を買って来ようなど、前後の時間を駆使する東京出張なのですが、まだいつものような物欲よりも休息欲が強く、前日から上京し、ホテルでゆったりと過ごしました。(ただし食欲は完全回復!)
会場までは歩いて15分ほど。地図上はまっすぐ歩くだけのような簡単なものですが、高層ビルが林立し、目印にするはずだった都庁舎も見る角度によっては高層ビルに挟まれてよく見えず、しかも久しぶりに歩いて、せっかくシンポのために準備したポスター(ホテルの部屋で汗して貼り付けた)を危うく杖にしそうになりながら会場に向かいました。
これまでいくつかのシンポジウムを経験してきてましたが、今回は準備段階でトヨタ財団の方とはかなり意見交換できて私自身の発表準備はできていたのですが、同じくパネラーの
饗庭伸さん、そして筒井哲朗さん(
シャプラニールのページはこちら)との打ち合わせは当日でした。パネラー同士、「ネットワーク」というキーワードで繋がっていることは確かなのですが、互いにどういう発表をし、全体に進行していくのかが良くわかっておらず、幾分かの不安がありました。
ですが昼食を挟んで皆さんと打ち合わせをし、全体には楽しく雑談し、やはりネットワークというキーワードで集まっているだけあって(?)すぐに打ち解けた感じになり安心しました。
トップバッターはドキドキだなあと始めは思いましたが、考えたら実に気楽でした。あとのおふたりが私の報告と比較して話してくださったりして、話がとても上手い!おふたりのご報告をとても楽しく聞くことができました。
考えてみれば150人ほどの聴衆は、ほとんどが新年度の研究助成者とネットワーク助成者です。ご自身の研究やネットワーク構築に置き換えて話を聞いてくださったのでしょう。
ですが、会場にはもう15年になるでしょうか、私の徐福調査の多くに付き合ってくださっているnaoeさんや、5年にわたって日本や中国の私の発表に足を運んでくださっている某テレビ局のプロデューサーのHさんがいらしており、Hさんからは私の発表がネットワークについて話さなくてはならなかったために不完全燃焼だったという御意見がありました。それは繰り返し聞いてくださっているからこそのご意見で、大変ありがたく思いました。
今回、初めて話したことがありました。それは私の徐福研究に関する思いで、私には徐福が一事例として扱われるように徐福伝説を研究の場に持ち込んでいきたいという思いがあり、それができるのは今は私しかいないのだからその役割を果たしたいと話しました。
質疑応答の時間になってこんな質問がありました。
ネットワーク形成をしていることが論文を書くことに繋がるのかという質問でした。私は論文につなげるのが私の役割で私は論文に繋げたいといいました。
シンポジウムのあと、私は
嘉田由紀子さんの研究会での発言を思い出していました。研究の能率非能率の質問を受けての発言だったと記憶しているのですが、「論文のためにやってるわけじゃないのよ。次の世代に残したいと思うからやってるのよ。」と嘉田さんが言ったとき、私は「私もこんな姿勢で取り組みたい」と思ったのでした。
ですが私はそうは言わなかったわけです。
嘉田さんみたいに格好よく「私は論文のためにやってるわけじゃない。」と言えたら格好よかったなあ。
でもよくよく考えてみれば、そう決意した嘉田さんの選んだ道は滋賀県知事でした。私は徐福と出会い、いま徐福を研究の場に持ち込んでいきたいという思いを持っているのです。それは大げさかもしれませんが、研究者として生きたい気持ちの表れなのです。
自分の発言を改めて噛み締めながら、私はこれから何がしたいのかを絞り込めた気がしてきました。
とはいうものの、基本的に何かが変わるわけではありません。またいつものように各地との「連絡係」としての役目を果たしていきたいと思います。
でもこれからの一年は、自分の思いに正直に、自分ができること(自分だからできること)に頑張りたいと思います。
沢山の方が晩のパーティーで声をかけてくださいました。その中には「名刺を持ってきます」とか「飲み物を持ってきます」といって歩きだしたまま、他のところで話が始まってしまい、結局失礼をしてしまった方が何人かあり、本当に失礼なことをしたと反省しています。ゴメンなさい。
会場の中に一年前の自分を思い出しながら、もう一年頑張るぞーと決意して会場を後にしました。
みなさん、本当にありがとうございました。
*****
お知らせ遅くなりました。
トヨタ財団の助成、1年延長していただくことができましたので、もう1年頑張るぞーなわけです。
感謝感謝!