新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

保守の気骨

2009年04月09日 05時54分59秒 | コラム・エッセー

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 写真は、4月5日撮影の桜です。今日の記事とは関連がありません。

 近く休刊される雑誌「諸君!」の5月号に、面白い対談が載っていた。

 テーマは、「麻生太郎よ、保守の気骨を見せてくれ」となっていた。

 出席者は、櫻井よしこ(ジャーナリスト)、櫻田 淳(東洋学院大学准教授)、宮崎哲弥(評論家)の三人。宮崎氏が司会の立場だった。

 保守政治家とはどうあるべきか。二人の立場が微妙に違っていた。

 櫻田氏は、「つねに国民の幸福の総和が最大となるよう、臨機応変に政策を打ち出す人々のことです」 と言っていた。

 さらには、「外交政策は、その時々の情勢次第で柔軟かつ臨機応変に運用しなければ、長期的な国益を害します」 とも言っている。

 櫻井氏は、「国家としての日本の生存を第一に考える」 のが保守の条件だとしている。

 さらには、「日本の生存という言葉には、文化・文明、価値観における日本らしさの維持も、重要な要素として含まれます」 と言っている。

 今の日本の混迷は、保守派と言われてきたこの二人の違いに象徴されているのではないか。

「河野談話」も「村山談話」も、櫻田氏の言う「臨機応変」によってもたらされた。

 その結果として、今もってそれらの「談話」に縛られ、一歩も踏み出せない日本がある。

 北朝鮮による今回のミサイル問題も、過去の臨機応変の結果と言えなくもない。

 私は、櫻井よしこ氏の言う「国家としての日本の生存を第一に考える」ことが、混迷や閉塞感から抜け出すための基本スタンスと考えている。

 今の日本は、過去の「その場凌ぎ」の弊害が出ているのだ。

 真の保守がいいか、リベラルがいいか、それとも革新がいいか。

 いろいろな立場があっていい。

 しかし、「誇りある日本の存在」を否定する人はあるまい。

「国民の幸福の総和が最大」と言うだけでは、何が国民の幸福かが抜け落ちている。

 北朝鮮のミサイルは、日本人に「考えること」を突きつけてきた。

 逃げずに考えなければなるまい。

 何よりも政治家。単に選挙戦術論に終始するのではなく、「どんな日本であるべきか」の視点に立った政策論議を求めたい。

 姑息なその場凌ぎの「臨機応変」は止めるべきだ。過去の結果が物語っている。

 それとも、懲りずに「臨機応変」という逃げ口上をいい続けますか。 

 別館として、写真と俳句のブログ(写俳ブログ)の「いのちの囁き」を開いております。

 そちらもご覧いただけると嬉しいです。

   → こちら

 

 

   

  

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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
 政治に無頓着で過ごせなくなってきた昨今です。 (太郎ママ)
2009-04-09 08:36:20
 政治に無頓着で過ごせなくなってきた昨今です。
 考えてみれば、世界にはまだ裸で暮らしている民族も居るのです。その国の指導者の考え方一つで民衆は生きるしかないのかもしれません。それだけに、しっかり世界全体を見る力を持った人に国の行く末を託したいものです。
 現在の日本は、島国根性が根深く、視野の狭い政治家しかいません。こんな私でもどうにかしなければと思っています。
返信する
こんにちは (ひろこーぼ)
2009-04-09 11:13:25
こんにちは
「河野談話」も「村山談話」も深く理解していませんでした
勉強させていただきます
保守派とか保守的とか日常語で簡単に言ってましたが
自分が思う事と人が思うことの微妙なところが
そうなんですね
しっかり出来るでしょうか?麻生さんは・・
北朝鮮の問題も山積み
ミサイルの件にしても
なんとか・・・
返信する
太郎ママさん、今日は。 (ひよどり)
2009-04-09 11:33:20
太郎ママさん、今日は。
自分の身は自分で守るのが生存し続けるための鉄則だと思っております。
問題はその「生き方」です。
奴隷として生きる生き方もあるでしょう。
弱者から搾取して尊大に生きる生き方もあるかもしれません。
我々は、どのような「生き方」をしたいか。
その時々に柔軟に考え、臨機に対応するというのは、一時的な方法論としてあるかも知れませんが、基本スタンスがしっかりあってのことだと思います。
私は「誇りある日本人」として生きたいと思います。
「誇りある生き方」が出来ない現実に突き当たったとき、次の策、つまり次善の方法を考えればいいと思います。
今の日本は、「過去の贖罪」を事実以上に意識過ぎているように思います。
「昔はどの国だって同じようなことをやっていたんだ!」と傲岸に開き直っているのではありません。
しかし、日本に贖罪を求めることを以て外交方針としている国もあります。
テクニックとして日本を責めています。
それでも「ご免なさい」のみを言い続けることに、私は疑問があります。
いや、疑問ではなく、明確に反対です。
過ちは明確に認め、次なる新たな力強い出発をしない限り、日本はなくなりそうです。
そしてなお万策が尽きそうだったら、死ぬ前に、あるいは殺される前に、次なる臨機な対応をすればいいのではないでしょうか。
今の日本は、外国による「日本を凹ます手管」のまえで脅えすぎです。
傲岸・不遜を言っていないのです。
「贖罪意識」に苛まれ過ぎている日本人を憂います。
返信する
ひろこーぼさん、今日は。 (ひよどり)
2009-04-09 12:24:07
ひろこーぼさん、今日は。
歴史認識にはさまざまな立場があるようです。
アメリカ、イギリス、フランスなどの列強国から身を守るため、自衛として戦ったという説だってあります。
私は日本がいいことばかりをしていたとは思っておりません。
外国へ攻め入ったのですから、こんなひどいことはなかったと思います。
それらは後世の歴史学の上で解明されるべきではないかとは思います。
一政権が、政権維持や一党の主義主張に基づき、つまり左翼思想に則って、詫びたのが「村山談話」だと思っています。
歴史認識は、政権維持や一部の主義で決めてはいけないと思います。
当時の国際的な視野に立って、時代経過の中で検証すべきことです。
それこそ一国の存亡がかかってきます。
にもかかわらず、軽率にも「村山談話」がでました。
総理大臣談話ですから重いものです。
後世を縛ってしまいます。
人によっては、「東京裁判で決まったではないか」と反論しますが、あの裁判自体の合法性にも異なった見解があります。
「河野談話」は従軍慰安婦の強制連行を「事実」として認めたものです。
ある日本人(S.Y)が、事実無根のことを書いた本を出版しました。
韓国のある地域で、朝鮮の女性を強制的に連行して戦地へ送ったという内容でした。
その後の調査で嘘であったことが判明し、S.Yもそれを認めました。
つまり、強制的に連行して慰安婦にしたという事実はなかったのです。
(当時のことですから、売春婦はおりました)
にもかかわらず、強制連行を認めて謝罪したのが「河野談話」です。
当時の官房長官の談話ですからインパクトが強く、日本は苦況に立たされました。
これもまだ生きている「談話」で、日本人にとって恥ずかしい事実の証明に使われています。
ずいぶん勝手なコメントを書きました。
やむにやまれぬ重いです。
反論は覚悟の上です。
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ふ~っ、蝌蚪、オタマジャクシですね。 (だんだん)
2009-04-09 16:40:35
ふ~っ、蝌蚪、オタマジャクシですね。
必死で調べました。

「諸君」の内容は面白い!
以前、北朝鮮の豆満江に行ったジャーナリスト。
諸君にも、多々コラムが載っています。

文章教室に見えて、
現場の状況を仔細に聞くことができました。


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日和見主義、媚を売るなんて大嫌いです。 (itaQ)
2009-04-09 18:44:20
日和見主義、媚を売るなんて大嫌いです。
敗戦国意識からの脱皮、普通の国へ、日本らしい大和魂の筋金入りを尊ぶ風習を期待したい、真の保守を…。
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 わが国は太平洋戦争で完膚なきまでに叩き潰され... (竜斉)
2009-04-09 19:00:21
 わが国は太平洋戦争で完膚なきまでに叩き潰されたことにより、民族の誇りを失い、欧米および隣国の顔色を窺がいながら迎合していくイエスマン国家に成り下がってしまったのでしょうね。
 現在の日本国民の大半は日教組員の先生達から教育された人達になり、国歌たる”君が代”を歌うことさえも敬遠される珍しい国になってしまいました。
 私は予てから桜井よしこ氏の国際政治に対する見識を支持する一人です。
返信する
だんだんさん、今晩は。 (ひよどり)
2009-04-09 19:43:28
だんだんさん、今晩は。
「諸君!」は文芸春秋社の出版でしたね。
一つの考えを訴える面白い雑誌でしたが、こんど休刊するのだそうです。
愛読者としては、とても残念です。
文章教室で勉強なさったのですか。
どおりで巧みだと思っておりました。
返信する
itaQさん、今晩は。 (ひよどり)
2009-04-09 19:47:10
itaQさん、今晩は。
何時までも罪の意識に苛まれていて、一体どうするのでしょうか。
どんな国にも光と陰があります。
陰を隠すのはよくありませんが、そればかり強調しては、国民の誇りまで失います。
返信する
竜斉さん、今晩は。 (ひよどり)
2009-04-09 19:53:44
竜斉さん、今晩は。
国旗、国家は、オリンピックかワールドカップ用。
しかし、「国旗、国歌法」が制定されて、少しは変わったのでしょうか。
隣国への修学旅行で、かの国の人の前で、生徒を土下座させたという話も聞きました。
ここまで行ってしまったのですから、持ち直すのは大変です。
でも私は、絶望しておりません。
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