新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

へのへのもへじ

2020年09月11日 08時14分07秒 | 写真と俳句

   秋の田にへのへのもへじゐたりけり    ひよどり 一平

  (あきのたにへのへのもへじいたりけり)

   ・・・・・・・

 この田んぼの主は、かなり愉快な人らしい。

「へのへのもへじ」と書いた顔の案山子に、「米」という看板を持たせている。 

 しかもこの案山子は、季節に関わりなく三百六十五日ここに立っている。

 鴉や雀がこの「へのへのもへじ」の笠の上で、羽根を休めていたりすることもある。鴉や雀は、この「へのへのもへじ」に何の驚きも怖れも感じていない。

 つまり、この案山子は、案山子の本分を全うしていない。

 これは案山子ではなく、「へのへのもへじ」なのだ。

  ・・・・・・・

 昨夜は私の部屋の前から、涼しげな虫の音が聞えた。

 まさしく秋だ。

コメント (4)
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