私には夢がある。
果たし得ない夢であることは、十分に承知はしている。金輪際ありっこない。
その夢とは、孫の結婚式において、「乾杯」を歌うこと。
「乾杯」とは、あの長淵剛の「乾杯」だ。
この頃、カラオケで歌い始めたのだが、まだまだ歌になっていない。
カラオケの師匠は、酒呑み仲間のS.Tさん。
細かなところまで指導を受けるのだが、まだまだ歌えていない。
カラオケ教室にでも行こうかと、密かに思っているところだ。
なにしろ、まだまだ時間は十分にあるのだから。
孫娘は二人。小学校3年生と4年生だ。
晩婚化の傾向にあるこの時代を計算に入れれば、まだ20年ほども先のこと。
となれば、私は100歳。
歌を覚えることよりなにより、まずは100歳まで生きられるのか?
100パーセントの確立で、それは不可能だ。今だって、やっと生きている。
それはそうなのだが、やっぱり私は、歌いたいのだ!
♪ 遥か遠い道のりを
歩き始めた君に幸せあれ ♪
いま私は、うっとりとした気分に浸っている。