新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

少年期

2014年06月06日 19時32分56秒 | 身辺雑記

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  我が家の狭い庭では、どくだみが花盛りだ。

  先日の草取りの折、ある一角のどくだみは残しておいた。

  一般論で言えば、あまり好ましい趣味ではないのかもしれないが、どくだみには愛着があった。

  もっとも、カミさんの場合は、「どくだみがあれば、匂いが強いので、昆虫が来ないのではないかしら」、という期待があるようだ。

  果たしてその通りかどうか、私は知らない。

  私の場合、あの強い匂いが、私を少年時代に誘ってくれるのだ。

  それも友人たちや学校の思い出ではなく、40代で他界した母に繋がって行く。

  もちろん、大東亜戦争にも絡んで行く。

  確かに辛い時代ではあったが、しかし、まさしく多感な少年期だった。

  表面的にはお利口さんだった私だったが、悪ガキだった面があって、今になってみれば、赤面するばかりだ。

  2~3年ほど前の同窓会に出た折、かつての私の所業が酒の肴にされ、手ひどく面罵された。

  つまり、まだ赦してくれていない同級生がいたのだ。

  そのあたりの私の記憶は、かなりおぼろの中にあるのだが、被害者の記憶は鮮明らしいのだ。それだけに始末に負えない。

  あのとき以来、私は里帰りをしていない。

  幾人かの友人たちは、帰郷するように言ってくれているが、私は帰れない。

  思い出さされた疵は、私の疵ではなく同級生の疵として残っているのだ。

  私としては甘えることは出来ない。

   どくだみや我にもありし少年期   一平

 

コメント (1)
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