「携帯のない青春」 酒井順子著 幻冬舎刊を読んでいると
懐かしさのあまり、頬が弛んでしまう。
傍から見れば、完璧に変なオヤジ化していました。
人目を忘れるほど、楽しめたのは、
そこに書かれていたことが、
まさしく、私の青春の出来事だったからです。
調べてみると、著者は同世代、
そして、都内の学校。
80年代その空間を過ごした人にとって、
映画「バブルへGO」を涙して見た人に、
甘酸っぱい思い出と忘れていた記憶を
呼び起こされるエッセイです。
「確かに。」とか
思わず独り言をつぶやいてしまいます。
もう四半世紀も前の風景なのですが、
読んでいるうちに様々な出来事や場所が
脳裏をよぎります。
そういえば、頭にアクセントを持ってきて、
「たしかに。」って言う言い回し、
とうの昔に死語になってしまいました。
でも、そんな「独り言」してしまうほど、
懐かしい風景が、このエッセイにはあります。